「よく読んでいる本は……デアゴスティーニです!」
驚愕!就職できない若者のトンデモ言動 (DIAMOND online)
ついつい背伸びをしてしまう事自体は、入社したいという気持ちの裏返しだと理解できます。
どんな方でも「自分が本当にやりたい」と思えば思うほどに緊張や不安は強くなるものです。
ですが、明らかに偽った自分を演じ過ぎると、結局は自分でも何が言いたいのか分からないまま気持ちが伝わらずに面接が終わる事になります。
では実際に面接では、どんな自分で行けばいいのでしょう。
自分をそのまま出せとでも言うのでしょうか?
その通りです!!面接では自分をそのまま出してください!
雇用を巡る言説には様々なファンタジーが満ちあふれていて、常にその最右翼にいるのが上記に引用したお笑いダイヤモンドだったりするわけですが、まぁフィクションにも需要はあるものなのでしょう。ちなみに今回は「デアゴスティーニ」がトンデモの実例として挙げられています。人の趣味にケチを付けるのも了見の狭い話だという気がしないでもありません。
それはさておき「面接では自分をそのまま出してください」とは、よく言われることでもあります。典型的な「わかってない」コンサルタントが得意げに語る決まり文句ですね。ちなみにドクターシーラボのアンケートによると、男性の86.8%は女性の「すっぴん」を「あり」だと回答したそうです。女性の皆様、どう思いますか?
率直に言って、「すっぴん」で男性から歓迎されるのは元から顔立ちの整った、素で綺麗な人だけでしょう。ところが世間の男性は「化粧の存在を感じさせずに綺麗に見せるメイク」と「正真正銘の化粧なし」の区別が付いていないのが多いのではないかな、と思うわけです。「すっぴんでも良いじゃないか」と語る男性の言葉を真に受けて本当にノーメイクで出て行ったら嫌な顔をされた女性もいるはずです。
就職に関しても同様、素で綺麗な人は「自分をそのまま」出せば済みます。しかるに、素で勝負しては勝ち目のない人も多い、「自分をそのまま」では永遠に就職できないか、せいぜい非正規やブラック企業が限界になってしまう人も少なくないのではないでしょうか。どの会社も似たような人材を求める中、必死でメイクを厚くせざるを得ない人がいることをコンサル連中は理解すべきと言えますね。
……で、「面接では自分をそのまま出してください」と上記の引用元では男性の論者が語っているわけです。対して私は化粧の例を挙げましたが、論者が女性であったら何かが変わるのでしょうか。周りの男の言う「すっぴんでも良い」の虚構性に気づいている女性は多いと思います。就職・面接でも同じようなものだということを、女性なら気づけたりもするのかどうかは興味深いところです。
「女は家で育児が合理的」 NHK経営委員コラムに波紋(朝日新聞)
「『性別役割分担』は哺乳動物の一員である人間にとって、きわめて自然」
長谷川氏は6日に掲載されたコラムで、日本の少子化問題の解決策として、女性が家で子を産み育て男性が妻と子を養うのが合理的と主張。女性に社会進出を促す男女雇用機会均等法の思想は個人の生き方への干渉だと批判し、政府に対し「誤りを反省して方向を転ずべき」と求めた。
女性が家で子を産み育て男性が妻と子を養うのが合理的と主張――したと伝えられるNHK経営委員の長谷川氏もまた、女性です。日本では権力のある地位に女性が就くことは少ないわけですが、じゃぁ女性が会社や政界で偉くなったら何かが好転するのかと問われれば、そんなことはないだろうと感じざるを得ない場面も多々あります。上に引用したような発言を見ると特に、ですね。男でも女でも大差あるまい、と。
参考、偉くなる女性が増えたなら
まぁ役割分担は良いことだと思わないでもありません。誰にも得手不得手はあるものです。男女両方が共に働き、共に家事をするというのが理想的かと言えば本人の適正次第、会社で能力を発揮するタイプもいれば家庭で強みを持つタイプもいますので、「性別はさておき役割分担」した方が好ましいケースも、もう少し想定されてしかるべきとは言えます。
経済事情から共働きせざるを得ない家庭もあることについては、「若い世代の正規雇用確保が大切な条件。アベノミクスに頑張って欲しい」と答えた。
少子化で労働力不足に云々と、鬼が笑うような話もあるわけです。これだけ職にあぶれる人がいる中で労働力不足の心配をするとは実に滑稽なことですが、「労働力」の想定が違うのでしょう。自分の稼ぎで暮らせるだけの賃金が年金受給年齢まで見込めるようなポジションを必要とする労働力は、むしろ不足するどころか余るばかり、一方で低賃金でトウが立ってきたら捨てられる、そういうポジションに応じてくれる労働力は既に今の段階で不足している――それが労働力不足の現実と言えます。
現状ですと、旦那(将来的なものも含む)の収入を当て込むことで、単独では不十分な給与に満足している女性も多いのではないでしょうか。年金受給年齢までの雇用継続は望むべくもない、かつ自身の給与のみで生計を立てるのは困難、そんなポストは本来なら敬遠されてしかるべきですが、あくまで「主」は夫の収入であり、そこにプラスアルファ的な位置づけとなると途端に低賃金不安定雇用が受け入れられる素地ができるわけです。
こうした層にアンケートを採れば「派遣のままで結構、むしろ正社員化で責任が増えるのは望まない」みたいな声が簡単に得られるところもあって、まぁ「人を非正規で安く働かせたい」側からも都合よく使われていると言えます。中途半端な(つまり旦那がいるから自分は非正規でも十分と思うレベルの)女性の社会進出ってのは実は最もタチが悪くて、既婚女性でも男性配偶者と同等の給与――単独で生計を担える給与を望むぐらいまで発展するか、さもなくば長谷川氏が主張するようなモデルの方が、まだしも労働者が安く買い叩かれにくいところはあるでしょう。









まぁ、自分を棚に上げてこそ偉い人というものですから。