外国人研修制度の維持求める 経産省、厚労省案と対立(朝日新聞)
低賃金労働などが問題になっている外国人研修・技能実習制度の見直しについて、経済産業省がまとめた報告書案が11日明らかになった。現行の研修制度を維持し、規制や指導強化で適正化を図るとしており、研修制度の廃止を打ち出した厚生労働省案とは対立が際だっている。在留資格の延長についても、産業界の要請を背景に、厚労省案よりも幅広い企業に門戸を開く内容になっている。14日公表する。
経産省は、中小企業などを中心に外国人労働者の受け入れニーズが高まる一方、賃金未払いなどの不正行為が社会問題化したことを受け、有識者による研究会で独自に見直しを検討している。
在留期間の延長については、厚労省と同様に現在の最長3年から5年に延長することを提言。しかし、厚労省案は、事業協同組合などを通じて研修生を受け入れている中小企業などで不正行為の大半が行われていることを踏まえて労務管理のしっかりした大企業の直接受け入れに限定しているのに対し、経産省案では幅広く中小零細企業にも広げる内容だ。
どうやら経済産業省は外国人研修・技能実習制度を拡充したい様子です。今さら言うまでもなくこの制度、不正な活用が目立つわけで、日本人相手にはとうてい許されない不当な低賃金、ピンハネ、契約違反の職務内容、旅券を取り上げたりレイプしたり監禁したりと、様々な不正と人権侵害の温床となっています。そうであるにもかかわらず経済産業省はこの制度を拡充しようと企てているのですが、いかがなものでしょうか?
この経産省案は財界からの要望に拠るところが大きいそうで、すなわち外国人に対する需要があってこそなのですが、同時に外国人排斥を訴える世論も強まりつつあります。欲しいのか、欲しくないのかよくわかりませんね。そして似たようなことが不安定雇用の若者にも言えます。規制緩和によって非正規雇用の若者が増えている、それは財界からの要望が強く作用して、すなわち望まれて生み出されたものでしたが、それと同時期に非正規雇用の若者に対する蔑視、偏見もまた強まったわけです。欲しいのか、欲しくないのか、どちらでしょうか?
この辺は黒人奴隷と同じで、必要だから連れてこれらたのに嫌悪される、差別されるのと似たような構造があります。その不当な待遇を正当化するためには彼らを蔑視する必要がある、貶める必要がある―――すなわち、黒人奴隷が不当な環境に置かれているのはなぜか?という問いに答えるため、「黒人は劣っている」という解が求められるわけです。「黒人奴隷の境遇は不当なものではない、なぜなら黒人は劣っているから、彼らが置かれた環境は彼らの能力に応じたものであって、不当ではない」
だから外国人に対する軽蔑心が広まることで、外国人労働者が置かれた不当な環境を正当化することが出来る、同様に若者に対する軽蔑心が広まることで、若者が置かれた不当な雇用環境を正当化できるわけです。彼らの境遇は不当ではない、なぜなら彼ら(外国人、若者)は劣っている、怠けている、甘えているのであり、彼らが置かれた環境はあくまで彼らの能力に応じたものなのだ、と。安価な労働力への需要の高まっているのに、彼らへの蔑視が強まったのではなく、安価な労働力への需要が高まったからこそ、彼らへの蔑視が強まるのではないでしょうか。
さて厚労相の案では労務管理のしっかりした大企業に限定、経産省の案では中小零細企業に拡大すると言うことです。大企業の労働環境も決して満足できるものではないのですが、それでも平均を取れば中小零細企業を大きく上回る給与を支払っており、労務管理の面でも比較的違反が少ないのも事実です。時として小規模な雇用主は最悪の雇用主となりうるわけで、現に外国人研修制度を悪用した不正は中小企業に集中しています。それにもかかわらず、中小企業のために経産省は安価な労働力を提供すべく不正に目を瞑ろうというのでしょうか。
もし痛みを伴う構造改革なるものを本気で実行するのであれば、外国人研修生や各種非正規雇用などの低賃金労働者に依存しなければ成り立たない、そういう採算性に問題のある企業には潰れてもらう、労働者に安定雇用と適正な賃金を支払えるだけの採算性を持った優良企業にどんどん吸収させることが必要です。中小企業の労働者をどんどん優良企業に集約させ、そこであぶれてしまった人は公共部門で雇用する(日本の公務員数は世界的に見て非常に少ないのですよ!)、こういう北欧型の構造改革だってあり得るわけです。
日本の構造改革は上記のそれとは全くの逆です。各種規制緩和によって非正規雇用の枠を大幅に広げることで、企業に安価な労働力を提供できるようにする、つまり労働者の賃金を絞り込むことでしか利益を上げられない採算性に問題のある企業を延命させたのです。もちろん外国人も同様、外国人研修制度の活用によって中小企業に安価な労働力を提供する、労務管理すらまともに出来ない問題企業を延命させるわけです。私に言わせれば構造改革だの何だのと叫んできた連中こそが最大の抵抗勢力ですがねぇ。








国は自国のマーケットを強くすることを考えず、おまけに農業も推進しない
三角合併でもみられるように、外資頼み!?
参議院選挙で、小沢民主党を中心とした野党連合が勝って、三角合併を廃止、もしくは、厳しい規制をしてもらいたいですね
違法な低賃金、それを「輸入」しようというのですから奴隷に擬えられるのも決して間違いではなくなってきていますね。しかも依存しているはずの彼らに対する感謝ではなく嫌悪が強まっているとすればなおさらのことです。
一方、国民投票法案に賛成した渡辺議員など小沢代表の対決路線に造反する議員も出ているようで、単に野党が勝つだけではなく、現在の自民党政治に反対している議員が多数を占める形で勝たねばならない状況にもなっているようです。厳しい・・・
販売店員のバイトをしていた頃ですね、よく思ったものです「この店は時給850円のアルバイトがいなければ成り立たないのに、どうして経営陣は我々に感謝しないのだろう?」と。しかるにアルバイトへの依存度が高まるほど、経営層はアルバイトを軽んじるようになっていったわけで、そこに合理性を見いだすとなると、今回のエントリのような結論になったわけです。そんな風潮を政界と財界が一体となって推し進め、それが気づかれないままに国民の支持を受けてしまう、うんざりするばかりです。