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ノーモア・コイズミ

パワハラしてこそ出世する

2019-09-01 21:50:24 | 雇用・経済

厚労省職員4割超、ハラスメント被害 「加害者が昇進」(朝日新聞)

 ハラスメント撲滅や働き方改革の旗を振る厚生労働省で、セクハラ・パワハラ被害に遭った職員が4割超おり、仕事が多いと感じている職員は6割を超える――。そんな実態が、厚労省の若手チームが26日に根本匠厚労相に手渡した緊急の改革提言で明らかになった。統計不正問題などが相次ぐ現状を踏まえ、「不祥事対応ではなく、政策の検討に人や時間が投入されるべきだ」などと指摘した。

 20~30代が中心の職員38人による「厚労省改革若手チーム」は4月に発足。職員約3800人にアンケート(有効回答1202人)を実施した。

 「パワハラやセクハラ等を受けたことがある」と答えた人は46%おり、このうち54%が「人事上の不利益等を考慮して相談せず」「部局の相談員に相談しづらい」などとした。人事異動などが「適切になされていると思わない」は37%で、うち38%が「セクハラやパワハラを行っている幹部・職員が昇進を続けている」を理由に挙げた。

 

 とかく他人に迷惑を掛ける側の人間ほど「世の中が狭量になった」みたいなことを言いがちですが、厚労省で地位を得ている人はどうなのでしょう。厚労省幹部にしてみれば「この頃は何でもかんでもパワハラ、セクハラ扱いされる」と、嘆き節が絶えないところではないかと思われます。加害者サイドからすれば、そういうものですから。

 この厚労省の若手チームによるアンケートの結果、「セクハラやパワハラを行っている幹部・職員が昇進を続けている」との回答が結構な割合を占めたと伝えられています。せっかくですから、厚労省内部だけではなく全国企業でも同様の調査を行い、民間企業と厚労省の調査結果に優位な差があるかどうか調べてみたら有意義ではないでしょうかね。

 皆様がお勤めの職場は、厚労省に比べてどうでしょう? パワハラやセクハラを受けたことがある人の割合は46%を上回るか下回るか、その上で相談できる環境があるかどうか、人事異動が適切に行われているかどうか、セクハラやパワハラを行っている人が昇進を続けている割合はどれほどのものか、厚労省と自分の職場、マトモなのはどっちなのやら。

 個人的には、厚労省が特にダメと言うこともないかなと思います。日本の職場なら、これぐらいは普通でしょう。問題があっても死者が出るまで注目されない無名の中小零細企業と違って、中央官庁であるからこそ先んじて問題視されているだけの話です。ただまぁ、民間企業を指導すべき立場として、範を示せていないとは言えるのかも知れません。

 以前にも少し書きましたが、パワハラは自身が昇進する上では強みです。パワハラの被害に遭うのは同僚や部下であって、少なくとも「評価する立場の人」ではありませんし、むしろ周りの人間のパフォーマンスを落とすことができれば、相対的には自分の働きを大きく見せかけることができますから。

参考、「会社でキレる人」が評価を上げる根拠みたいなもの

 使い古されたゲーム理論の一つに、囚人のジレンマと呼ばれるものがあります。これについては今さら説明しませんが、企業(そして官公庁)における昇進と生産性には、よく当てはまるようにも思います。即ち、相手を裏切る者が利益を得て、相手を信じた者は損をする、そして組織全体では今ひとつの成果しか上がらないわけです。

 誠実な人間だけで組織を構成することができれば全体として最高の成果を上げられますが、組織の中で個人として最高の評価を得るためには、他人を貶める必要があります。そうした囚人のジレンマが成り立つ組織において、パワハラはむしろ積極的に行う人の方こそが、評価を得て昇進を重ねやすいものではないでしょうか。

 現代における日本社会の評価基準が成功を収めているのかどうか、そこに私は疑問があります。現代日本の成果主義や能力主義によって選別された幹部社員もしくは幹部職員が組織を牽引し、国際社会における日本の地位を高めていったかと言えば、この点は議論の余地なく真逆です。むしろ、間違った人を選別して昇進させてる仕組みになっていないかと、いい加減に自省が求められるところでしょう。

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