非国民通信

ノーモア・コイズミ

パフォーマンスは程々に

2010-07-23 22:58:24 | ニュース

金元工作員の上空“遊覧”認める 中井氏、ヘリ移動めぐり(東京新聞)

 中井洽拉致問題担当相は23日、金賢姫元北朝鮮工作員(48)が22日に、長野県軽井沢町から東京都内へ向かう途中にヘリコプターで遊覧飛行をしたと批判されていることに関し「ちょっと上空を飛ぶ(ことが)、非難されるとは思わない」と述べ、移動だけでなく遊覧の要素があったことを認めた。

 中井氏は、ヘリ使用の第一の理由は渋滞回避のためだと強調。批判に「こんなことが非難されるなら、世界中だれも情報持った人は日本に来てくれない」と述べた。

 元工作員は東京都調布市の調布飛行場から直線距離で30キロ離れた江東区の東京ヘリポートにヘリで移動した際、約40分をかけ神奈川県藤沢市の江の島上空などを大回りした。

 金賢姫の来日に関しては方々で取り上げられていることですが、まぁ現政権のピンボケぶりをよく象徴しているような気もします。産経新聞以外のメディアから見ても、まるで国賓でももてなすかのような厚遇ぶりには首を傾げているところが多いようですし。テレビを点けたら丁度この中井蛤が「何が悪いんですか!」と逆ギレしている姿が映っていました。まぁ悪いとは言わないにせよ、自分を客観的に見ることができていないとしか。

 中井洽と言えば、昨年はサッカー北朝鮮代表の入国に反対する発言で一悶着おこした人であり、法務大臣時代にはマラドーナの入国を拒否した人でもあります。その一方で金賢姫は丁重に迎えようというのですから、どこに基準があるのかはっきりしません。サッカー北朝鮮代表の選手達には何の罪もありませんし、マラドーナだって粗暴なヤク中かも知れませんが人を死なせたわけじゃない、そういう人々への入国を拒んでおきながら金賢姫は歓迎する、いかに拉致問題が特別扱いされているかがわかろうというものですが……

金賢姫元工作員「国賓扱いにもかかわらず、新情報はなし?」-韓国(サーチナ)

  父親の滋さん(77)は、めぐみさんに関する新たな情報は、今回は得られなかったことを明らかにした。金元工作員はめぐみさんと一度だけ会ったと語ったという。一方、母親の早紀江さん(74)は、めぐみさんが猫好きでたくさん飼っていたことや、落語のようなユーモアある表現で周囲をいつも楽しませていたとのエピソードを金元工作員から聞いたと語った。

  韓国の複数のメディアも、金元工作員の訪日の様子を報じている。特例措置で訪日を実現させ、国賓級の待遇まで行った日本政府は、金元工作員の新証言に注目しているが、果たして「国賓級の証言は出るのか」と懐疑的な見方を持って、この面会の様子を伝えている。北朝鮮の専門家による「金元工作員は長らく北朝鮮に帰ることができずにいる状況の中、良い情報を持っているとは考えにくい」とのコメントを紹介し、北朝鮮を離れ、長い年月が過ぎ去った今、事実上説得力のある証言は期待できないと指摘している。

  北朝鮮はこれまで、田口さんは1986年に交通事故で亡くなったと主張しており、金工作員が北朝鮮を去ったのが1987年だとし、既に20年以上が経過しており、今回の面会で新しい情報を期待することは当初から困難だったと伝えた韓国のメディアもみられた。

 「こんなことが非難されるなら、世界中だれも情報持った人は日本に来てくれない」と中井洽は語ったわけですけれど、どうも私には金賢姫が「情報持った人」に該当するようには思えません。新たな情報など持っていないであろうことは、最初からわかりきっていたことのはずです。それ以前に、わざわざ日本に迎えなくとも情報を聞き出すことぐらいはできたでしょう。にもかかわらず特別待遇で呼び寄せる、経費のことはさておくとしても、政治的に何か意味のある行為なのか、そこは厳しく問われるべきです。拉致問題解決に取り組んでいる姿勢を示すだけのパフォーマンスではないのか、いつまでこんな不毛なパフォーマンスを続けるつもりなのか、そこは問われねばなりません。

 とりわけ安倍内閣時代から、拉致問題への対応はパフォーマンスに徹するようになりました。事態解決には全く結びつかなくとも、行動している「フリ」をする、対岸から声高に北朝鮮を罵ってみせる、こうした対応で関係者や世論の支持を集めるのが一般的だったわけです。その点で民主党、とりわけ担当相である中井洽は前政権以来の方針を忠実に引き継いでいると言えます。ただし、周りの見る目が違っていることには気づけなかったのかも知れません。自民党政権時代なら、拉致問題に関してはどれほど無理があっても特別扱いが当たり前だった、拉致問題の関係者であればVIP扱いが当たり前で、そこを批判的に見る人など超の付く少数派でした。しかし政権が変わって、今度の政権は違うのではないかと周りが批判的に見るようになると、今までと同じような対応でも色々と目を付けられやすくなるのではないでしょうか。客観的に見れば、政府の拉致問題への対応はおかしなことばかりなのですから。

 

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コメント (6)
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