非国民通信

ノーモア・コイズミ

菅は人を愚弄するのも大概にすべきだと思う

2010-07-03 23:02:47 | ニュース

テレビ討論「1対8はつるし上げ」=「逃げ菅」批判に反論―菅首相(時事通信)

 「いつでも1対1の真剣勝負ならやる。ただ、1対8というのは下手をするとつるし上げだ。議論にならない」。菅直人首相は2日、富山市での街頭演説で、テレビでの党首討論から「逃げている」と野党側から批判されていることについて、こう反論。「多勢に無勢」を理由に、守りを固める姿勢を鮮明にした。

 首相は「(1対1ならば)聞いてみたい。谷垣禎一自民党総裁には財政再建はどうなのか。渡辺喜美みんなの党代表には(無駄削減をしても)それでも不十分なときにどうするのか。こういう議論をさせてほしい」と訴えた。

 菅は何度となく「超党派の議論を」と呼びかけているにもかかわらず、こんな屁理屈で党首討論から逃れようとするですから、お笑いもいいところです(結局、「逃げた」と言われたので、4日のテレビ討論には出るらしいですが)。自分だって野党時代は野党総掛かりで自民党の首相を責め立てていたはず、その辺の過去は忘れてしまったのでしょうか。まぁ野党時代は与党議員の金銭問題をさんざん追及しておきながら、いざ自分が与党になると掌を返す党のことですから、こうした振る舞いも今さら驚くには値しないのかも知れませんけれど。いずれにせよ、自分に都合のいい場面でしか党首討論に応じられないのであれば、与党のトップとしてふさわしくない、政権担当能力がないと見なされてもおかしくないでしょう。

消費税還付、対象どこまで 首相発言、年収水準に幅(朝日新聞)

 消費税率を引き上げた場合の低所得者への負担軽減策として、菅直人首相は年収200万~400万円という具体的な水準を示し、それを下回る人に税金分を還付する方式を検討するとした。負担増への有権者の反発をやわらげるねらいがありそうだが、どの範囲まで軽減対象とするのか、どんな手法をとるのか、明確ではない。

 軽減対象となる年収水準について、首相は複数の数字を挙げた。6月30日、山形市内での参院選の応援演説では「例えば年収300万円、400万円以下」と話した。青森市内では「年収200万円とか300万円」、秋田市内では「年収350万円以下」とも述べた。

 税や公的支援などの対象となる年収基準は、制度によって違う。夫婦と子ども2人のモデル世帯で、所得税の課税最低限は年収325万円。個人住民税の課税最低限は年収270万円。4月から始まった「高校無償化」で、私立学校に通う生徒への支援金が上乗せされるのは年収350万円未満だ。

 首相はこうした水準を念頭に置いて発言したようだが、年収400万円未満の世帯は、厚生労働省の統計で全世帯の46.5%に達する。消費税率を「10%」に引き上げる場合、単純計算で12兆円強の税収増になるが、これだけの世帯に一定の減税や給付を実施すると、「増税分がほとんどなくなるほど財源が必要」(政府関係者)という。かといって、対象を絞りすぎると、恩恵を受けられない層の反発が予想される。

 こちらは一昨日も指摘したことですが、同日の発言でもあるにもかかわらず、菅の語る軽減対象となる年収水準は見事にバラバラです。いい加減ですね。きっと真面目に考えていないのでしょう。そして引用記事でも伝えられているように、首相自ら言及した年収400万円を基準とすると、対象世帯は全世帯の46.5%に達します。46.5%もの世帯に減税や給付を実施するとなると「増税分がほとんどなくなるほど財源が必要」とのこと。これでは混乱を招くために増税するのか、税の煩雑さを増やすために増税するのかというレベルの話になってしまいます。どの水準までを軽減対象とすればどの程度の影響が出るのか、調べもせずに思いつきで発言するからこういうことになるのです。こんな適当な人間に重責を持たせて良いのかと問われるべきではないでしょうか。

 また、首相は「(低所得者が使った)消費税分は全額還付するというやり方もある」とも述べた。商品やサービスを購入した際の領収書やレシートを保管し、消費税の年間支払額を計算して申告すれば「全額還付」も全くできなくはない。ただ、すべてのレシート類に本人確認が必要になるなど作業は複雑になりそうだ。

 だいたい、年収≒所得で軽減対象を分けるくらいなら、最初から所得税で調整すれば済む話です。それを無理に消費税でやろうとするから随所で無理が出るわけです。本気で還付をやろうとするなら、それこそ膨大な事務コストがかかる、その事務コストを担う公務員の数を増やそうとしている党や政治家が還付を語るのであればまだ理解はできますが、公務員削減を大々的にアピールしている党の人間が還付を語る、その神経が信じられません。どうやって還付をやるのか、そのために必要となる事務手続きを誰が担当するのか、そのためにどれだけの人員が必要になるのか――その辺もやはり、菅は何も考えていないのでしょう。ただただ、思いつきを口にしているだけです。

「財政破綻したとき、誰が困るかご存じですか」―菅首相(朝日新聞)

 ◆2日、金沢市内での街頭演説で

 財政が破綻(はたん)したとき、誰が困るかご存じですか。あの大金持ちのカルロス・ゴーンさん(日産自動車社長)は、(日本から)いなくなりゃいいんですよ、簡単なんですよ。ギリシャの例を見ても、財政破綻したとき、年金をさあもらえると思ったら、「67歳からしか払えませんよ」と言われたら困るでしょう。仕事が続けられると思ったら、「あなたはクビですよ」と言われたら困るでしょう。財政破綻で一番困るのは、そうした年金を受給している人や、比較的所得が少ない人。その方々がダメージが大きいんですから。

 ……で、こんな発言もあったようです。もはや何が言いたいのかわかりません。とりあえず財政破綻で直接の被害を被るのは、まず国債を保有している人(国にお金を貸し付けている人)ですよね。国債が不良債権化してしまうわけですから。そりゃ不良債権が大量発生すれば経済が混乱する、国債なんて持っていない人でも間接的な影響は免れませんけれど、とりあえず菅の説明は順序が違います。それよりも、財政破綻を避けるためと称して逆進性の強い形で増税されれば、それこそ所得の少ない人に直接的なダメージが来るわけです。しかも財政破綻は十分に避けられることのはずですが、その本当は不確実な財政破綻の可能性を課題に煽り立てて、確実な負担増に繋がる消費税増税を呑ませようというのですから悪質です。

 報酬が巨額だと話題になったカルロス・ゴーンなど引き合いに出して、弱者の味方を装っているつもりと推測されますが、雇われ経営者よりも長者番付に名を連ねるようなオーナー経営者の方が「金持ち」の代表としては適切に思えますし、挙げ句の果てに「(日本から)いなくなりゃいいんですよ」とは! 「日本で上手く行かなければ外国人は国に帰ればいいじゃないか」ということでしょうか。日本国籍を持たない人、海外出身の人だって、日本の社会と経済を支えている一部だってことを、菅は理解できていないようです。菅の頭の中では、外国人は日本に対して責任を負っていないということになっているのでしょう。日本国内で働く外国人に、菅がどういうまなざしを持っているかが端的に表れていますね。

 

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コメント (4)
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