非国民通信

ノーモア・コイズミ

ロボット

2010-05-08 22:56:41 | ニュース

日本の企業戦士そのもの? 勤勉ロボット、万博で評判(朝日新聞)

 上海万博の日本産業館で、高さ15メートルの外壁を上り下りするロボット「夢ROBO」が人気を呼んでいる。大阪の中小企業約15社が共同で開発。雨が降っても日照りでも、黙々と作業し続ける様子から「日本の勤勉なサラリーマンの象徴」(堺屋太一・同館総合プロデューサー)との評も出ている。

 銀の作業着姿に丸い顔の夢ROBOは計3台。両手両足でしっかり鉄パイプをつかみ、キョロキョロと左右を見ながら慎重に足場を登っていく姿に、「かわいい」とカメラを向ける女性も。約20分で上下を往復し、午前9時から深夜の午前0時まで、会期中の184日間繰り返す。

 呼びかけ人のマッスル(大阪市淀川区)の玉井博文社長は「産業館は万博1号門の目の前。日本のハイテクを代表するロボットを来場者に見せようということになり、開幕までの約3カ月で造り上げた」。これまで万博への出展は大企業ばかりで、「日本の産業を支えている中小企業の底力を見せてやるという気持ちで開発した」という。

 「日本の勤勉なサラリーマンの象徴」と、現地の人ではなく日本側の企画者が評している点がポイントですね。これが現地の人だったら、いったいどう論じるのでしょうか。動きの良い人型ロボットの姿に感心しているだけの観客が多いものと思われますが、これを「日本の勤勉なサラリーマンの象徴」だと説明されたら、現地の人々はいったいどんな顔をするのか興味深いところです。

 ロボットは雨が降っても日照りでも、午前9時から深夜の午前0時まで、会期中は休むことなく働き続けるわけです。しかもその内容たるや、上まで上っては降りてくる、ただその繰り返しであり、何とも不毛なもの、まさに仕事のための仕事です。「日本の産業を支えている中小企業の底力を見せてやるという気持ちで開発した」との触れ込みですが、「停滞を続ける日本の中小企業の労働環境と生産性を見せている」のが実際のところではないでしょうか。

 雨が降っても日照りでも、早朝から深夜まで休むことなく働き続ける、それでいて生産性は全く上がらない、そういう面ではまさしく「日本の勤勉なサラリーマンの象徴」に違いないとは思います。しかし、この辺は日本の恥部とでも呼ぶべきところであり、わざわざ万博で世界に向けて披露するようなものではないはずです。単に人型ロボットの展示というなら好き好きですが、これを「日本の勤勉なサラリーマンの象徴」と見ているのなら、その感覚はどうかと。日本の労働者はまさしくロボットのようなものである、そう世界に向けて発信したいのなら結構ですがね。

 

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コメント (6)
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