非国民通信

ノーモア・コイズミ

さっさと政界を去ってほしいけれど

2009-02-16 23:19:46 | ニュース

首相地元で小泉氏批判大合唱 「さっさと政界去るべき」(朝日新聞)

 郵政民営化をめぐり小泉元首相が麻生首相を痛烈に批判したことが波紋を呼ぶ中、自民党福岡県連の定期大会が14日、福岡市で開かれた。内閣支持率が低迷し、「麻生降ろし」もささやかれる中、県選出国会議員や県議からは小泉氏を批判し、首相を擁護する声が相次いだ。

 「ちょっと口が滑りすぎることもありますが、何としても未曽有の危機は麻生総理しか切り開くことはできない。結束して支えていかねばならない」。大会であいさつに立った古賀誠選対委員長(衆院福岡7区)は、麻生首相を支える考えを強調。太田誠一元農水相(同3区)も「内閣総理大臣をやった人は、辞めたらさっさと政界を去るべきだ。とりわけ政局についてとやかく言うことはタブー」と、小泉氏を厳しく批判した。

 麻生vs小泉という面白い構図になるかもしれない自民党ですが、意外に麻生派が多いそうです。まぁ地元という要因もあると思いますので、その辺は割り引いて考える必要がありそうですが、党内部でも小泉サイドに付く議員は20人程度と見られているとか。思いのほか小泉の勢力は弱いみたいですね。でも、油断は出来ません。小泉が総裁の座を争ったときだって、自民党でも中央に行くほど小泉支持は弱く、当時の対抗馬であった橋本龍太郎の方が優勢だったわけです。しかるに、末端に近づくにつれ小泉人気は高く、それが勝敗を左右しました。単に国会議員の数だけなら麻生が優勢でも、その外に小泉の支持者は潜んでいるかも知れません。

 まぁ、麻生だって本来は似たようなもの、自民党中枢では今一つ支持を集められないものの、国民人気、末端の党員の支持で総裁に就いたわけです(対極が、前任の福田ですね)。しかるに一過性の人気はあっても党内基盤が弱く、野党を説得する以前に自民党内部での調整にすら手間取っているイメージがありますね。党内よりも党外の支持が頼みの両者、小泉は党外の支持を背景にごり押しで通しましたが、麻生はそこまでの支持を取り付けることが出来なかったようでもあります。一部の世論調査ではとうとう麻生内閣の支持率が10%を切ったとか。一方で「首相に相応しい人は?」みたいな世論調査では小泉がトップを争うわけで(参考)この辺を鑑みるに小泉の時代はまだ終わっていないのかも知れません。

 とりわけ、小泉と自民党の現閣僚の対立は小泉を利するかも知れません。なにしろ、現内閣の支持率は10%未満です。残る90%は「支持しない」わけです。「支持しない」と言いつつ、でも民主党も共産党も絶対ダメと消去法的な選択で自民党しか選択肢として認めない人も多々いるでしょうけれど、それでも現内閣を「支持しない」人が多数派を占めていることに代りはありません。ならばどうでしょうか? 現内閣を擁護する側に回るのと、現内閣を批判する側に回るのと、どっちが「得」でしょうか?

 内閣を支持していない人が多数を占めています。ならば、どういう形であれ内閣の側に付くよりも内閣と対立する側に付いた方が、国民の歓心を買うには好都合のはずです。ですから、ここで支持率10%未満の現内閣――大半の国民から見限られた内閣――と小泉一派が対立するとなると、あたかも小泉が自民党の対極、国民の側に立っているかのごとき構図がつくられてしまう虞があります。

 かつて小泉が総裁の座に就いたときもそうでした。森内閣は記録的な低い支持率を記録、自民党は見限られているかのようでした。国民の大半は当時の自民党に限界を感じていました。そこで小泉曰く「自民党をぶっ壊す」と。自民党にありながら、国民から不人気の自民党と対立するフリをすることで、自民党に失望している大半の国民と同じ立場に立っている風を演出してきたわけです。そして自民党に落胆していた国民は、自民党をぶっ壊すという小泉を、その中味をよく見ないで支持することにしました……

 なんとなく、麻生内閣が森内閣と同じ役割を果たしてしまう気がします。森内閣までの自民党への不満が、自民党を批判する(フリをした)小泉への支持に繋がったように、麻生内閣への不信もまた同様です。小泉が自民党の現閣僚と対立すればするほど、小泉が反自民党の旗手に見えてしまう、現内閣を見限った人々が「それとは違うもの」として小泉を支持する、結果として自民党も支持することに繋がる可能性は否定できません。一度の罹患で免疫の出来る人は今さら小泉など支持しないでしょうけれど、学習能力のない人もいれば、そもそも小泉政権の遺した「結果」に驚くほど無自覚な人もいます。次の選挙で政権交代は必至と見られてきましたが、そう上手くは行かないかも知れません。

 

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コメント (7)
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