「オバマ氏は立派な人」マケイン氏が擁護、支持者はブーイング(読売新聞)
米大統領選の共和党候補ジョン・マケイン上院議員（７２）が１０日、ミネソタ州での集会で、民主党候補バラク・オバマ上院議員（４７）を「立派な人」と擁護し、支持者からブーイングを受ける場面があった。
対話形式で行われた集会で支持者が「オバマは米国を社会主義にする」「オバマ大統領なんて恐ろしい」などと、オバマ氏への警戒感を次々と表明した。これに対し、マケイン氏は「オバマ氏は立派な人だ。大統領になっても恐ろしがることなどない」「戦うと言っても礼儀をわきまえないといけない」などと発言。
ある女性が「オバマなんて信用しない。アラブ（のテロリスト）でしょう」と批判すると、マケイン氏は首を激しく横に振り、「いいえ、奥さん、彼は立派な家庭人、国民です。たまたま意見の相違があるだけです」と質問をさえぎった。
どこの国にでも痛い人はいるもので、さすがのマケイン氏もそれに同調することは出来なかったようです。しかるに支持者からブーイングを受けたとか。共和党支持者ってのはそういうモノなのでしょう。日本でも思い当たる節はありますよね、自民党支持層の中にはこうしたタイプがいて、例えば韓国に対して差別的な態度を取らない議員を「工作員」と呼んだり、民主党を「日本を中国に売り渡そうとしている」などと真顔で主張したり……
日米とも幸いにして、そうした偏見に凝り固まった人の支持だけでは多数派になれない、選挙に勝てる状況ではないようです。オバマ氏をテロリストと呼ぶような人々にマケイン氏は迎合しませんでしたし、麻生首相にしても根拠なく日教組を誹謗する中山元国交相を切り捨てました。一部の極右層から支持を獲得できても、それはあくまで少数の支持、極右に迎合することで穏健派の支持を失ってはマイナスにしかならない、その程度の判断が働くだけの状態は、まだかろうじて保たれているのでしょう。
とはいえ、中には閾値を超えてしまっているかのごとき世界もあります。大阪がそうですね。中山氏の地元である宮崎では、それを信じている人の間でしか通用しないような妄言を繰り返す人物では選挙に勝てないと判断されたわけですが、大阪は別です。なんと言っても既に当選しているわけですから。根拠なき盲信は一部のカルト的な極右の間だけで通用するものではなく、少なくとも選挙で多数派となれる程度には広がっていたようです。
橋下知事「父親として」説明会出席 豊中市教委を批判(朝日新聞)
全国学力調査の市町村ごとの結果公表を求めている大阪府の橋下徹知事は１２日、豊中市教委の保護者説明会に父親の立場で出席したことを報道陣に明かし、「非公表ありきの、非常に危険な議論の場だった」と批判した。
説明会は、豊中市教委が市内の公民館で１１日に開いた。橋下知事は前触れもなく、地元に暮らす保護者として出席した。
知事によると、市教委側は「公表すると数字が独り歩きする」と問題点を指摘。７人の子の父親でもある橋下知事は「保護者として」と前置きし、「ここは説明の場なのか、市教委の考え方を主張する政治の場なのか、はっきりさせてほしい」と発言した。
「株主として」出席する総会屋を彷彿とさせる行動ですが、この程度の言い訳でも通用してしまうのでしょうか。まぁ「私人として」靖国神社に参拝するなどの前例もありますから、対外的には通用しないものでも与党支持層の間では通用するものなのかも知れません。中山氏が指摘するように日本は内向きな社会ですから。しかし「親として」「私人として」などの枕詞をつけることで職業上の責任を免れることが許される社会なら、相撲取りが「私人として」髷を結わずに洋装で出歩いたり、アイドルが「私人として」異性と付き合ったり、そう言ったことにも寛大であるべきですね。まぁ、その辺の人々にとってダブルスタンダードは当たり前なのでしょう。
時に「ためにする～」という言葉の意味がわかっていない、これまた痛い子をコメント欄などで見かけるわけですが、橋下のこれこそが典型的な「ためにする批判」ですね。元より結論ありき、自分の言うことに従わない限りは誹謗する、単に口実作りのために説明会に出席したようなものです。
なんでも「ここは説明の場なのか、市教委の考え方を主張する政治の場なのか」だそうです。もちろん市教委は説明したのでしょうけれど、結論に至るには当然、市教委なりの考え方があるわけで、それを「市教委の考え方を主張する政治の場なのか」などと問われるようでは何も出来なくなってしまいます。もちろん自身では何も考えず、もっと「上」の指示を伝聞するだけならば「考え」「主張」を消し去ることができるのかもしれませんが、この場面では「上」＝「親として出席したと主張する誰かさん」ですから。そもそもお前は説明を聞きに来たのか、それとも府知事の考え方を主張しに来たのか、そういうレベルなのですが、ふ～む、閾値を超えて暴君に支持が集まってしまうようですと、もはや何でもアリの世界です。
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