非国民通信

ノーモア・コイズミ

中国を褒めよう?

2008-03-02 22:26:30 | 編集雑記・小ネタ

 アメーバブログの企画の一つに「中国をほめよう」なる代物があるようです。何でしょうね、このとってつけたようなお題は。「褒めよう」と急に言われても、咄嗟には思いつきませんよ。

 まぁ、文化的なものは色々とあるのでしょうけれど、私は元々ロシア文学専攻で基本的にヨーロッパ方面が専門ですから、中国文化にはあまり詳しくありませんし、好きな音楽はメタル、好きなスポーツはサッカー、好きな料理は北インドやパキスタン料理ですから、今一つ中国とは接点がありません。パンダも嫌いではありませんが、普通のツキノワグマの方が好きなので。

 文化的なものは人によりけりですが、政治的、社会的な側面はどうでしょうか? こっちの面となりますと、やっぱりヨーロッパ、北欧の福祉国家の方が褒めやすいなぁ、と。中国に関しては、日本の轍を踏んでないかい?という印象ですね。

 まぁ私が中国在住だったり中国出身だったり、そういう縁でもあれば話は別ですが、日本出身で日本在住ともなりますと自分の頭の上の蠅を追い払うので精一杯、他国をどうこう言う以前に自国の問題が最優先です。そうなるとなおさら、中国を褒めようと言われても言葉に詰まってしまいます。

 「好き」の反対は「嫌い」ではなく「無関心」なのですよと、そう説いた人もいたそうです。私の場合、中国を取り立てて好きになる理由もなければ、別に嫌ってもいないのですが、してみると「無関心でしょうか。でも左翼の中国観ってこんなものですよね?

 そういえば、大手新聞でロシア関係の記事を目にする機会は滅多にないのですが、産経だけは別なわけです。地方紙に部数で負けてる産経は大手じゃないだろうというツッコミはさておくとして、ロシア関係の記事を扱う頻度において産経新聞は他紙の追随を許しません。よほどのことがない限り大手新聞はロシア情勢を無視しますが、産経新聞だけは別で絶えずロシアを注視しているようです。報道の正確性はさておき、ですが。

 大手新聞社でロシアに最も熱い目を向けているのは紛れもなく産経ですが、中国の場合はどうでしょうか? 中国ともなりますと、どの新聞でも登場頻度は高いですが、際だって感情のこもった記事を載せているところもあるような? ではブログの世界ではどうでしょうか? 左派ブログと右派ブログ、どっちがより頻繁に中国を取り上げ、どちらがより熱い視線を注いでいるでしょうか?

 中国人や中国の文化はさておくとして、中国の社会や政治の場合、左派ではなく右派にとってこそ、褒めるポイントは見つけやすいでしょう。もちろん、褒めようとはしない、認めようとはしないでしょうけれど、それでも中国政府と日本の右派が同志であることは傍目には一目瞭然です。

 福祉よりも軍事に力を注ごうとする点において、死刑制度を維持しようとする点において、人権を制限しようとする点において、一党支配を歓迎する点において、個人よりも国家を優先する点において、排他的なナショナリズムを煽り、それを国民に強いる点において、むやみに周縁領域の主権を主張して火種を作ろうとする点において、中国政府と日本の右派は紛れもなく志を同じくしています。多少の行き違いはあったかも知れませんが、やっていることは同じ、目指すものは同じ、共に夢を語れる仲間のはずなのです。

 個人主義者は国家規模は小さくとも個人として豊かな国を追い求めますが、国家主義者は個人としては貧しくとも国家規模の強さを求めます。それが脅威としてであれ、中国をより大きなものとして描くのは左派ではなく右派であるように、どちらがより中国を評価しているのか、それは考えるまでもないでしょう。

 中国を露骨に蔑視しないと「親中派」なる肩書きを頂戴するわけですが、この肩書きは甚だ不適当な相手にばかり与えられているようです。そうではなく、中国政府のそれと非常に似通った政治方針へと舵を切った人々、「ルック・イースト」ならぬ「ルック・チャイナ」とでも言うべき政策を掲げてきた人こそ「親中派」と呼ぶべきではないでしょうか。

 差別に加わらないと言うだけで、中国政府と全く反対の方向を向いているのに「親中派」とはおかしな話です。そんなことより、口先では相手を蔑みつつも、行動としては中国政府のそれと同じ志向を持つ政治家、例えば小泉純一郎や安倍晋三、石原慎太郎や麻生太郎といった辺りこそ、より実践的な「親中派」と呼ぶべきではないかと。中国政府を高く評価しているからこそ、中国政府と似たような政治をやっているわけですよね? 彼らこそ実践を伴う、真の親中派です。

 

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コメント (11)
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