非国民通信

ノーモア・コイズミ

甘やかされた総理

2006-09-26 22:39:05 | ニュース

「中韓のおかしさ、後で分かる」 最後まで「小泉節」

 今日でようやく小泉総理が退陣となりました。戦後3番目の長期政権であり、支持率は歴代2位、支持率の1位は短命に終わった細川政権の一時的な数値ですので、実質的には最も国民から支持された総理であったと言えるでしょう。そして、史上最も甘やかされた総理であったとも。

 小泉総理の捨て台詞は「時間がたてば、中国と韓国がおかしいじゃないか、と。後で評価される」というものでした。この嘘つきがいまさらなにを言おうと驚くには当たりませんが、「中国と韓国がおかしい」等の妄言が通用するのは日本国内だけ。小泉ジョン一郎の御主人様であるアメリカでさえも日本のアジア外交には首をひねることしきり、自分の着ている服は馬鹿には見えないんだ、と強弁はしても周りから嘲笑されていることに違いはありません。ただ、史上最高の国内支持率が示すとおり、日本国内では違う、王様の臣民達は王様が賢い人にしか見えない服を着ていると信じ、それを笑ったりはしませんでした。

 クリントン大統領は「浮気はしていない」と嘘を吐いて弾劾裁判にかけられました。ブッシュ大統領は「イラクが大量破壊兵器を隠し持っており、世界平和を脅かしている」と嘘を吐きましたが、何故か裁判にかけられてはいません。日本もブッシュの嘘にだまされた口ですが(見え見えの嘘に騙された方も馬鹿ですが)、嘘が明らかになった今もその件については不問に付しています。

 さて小泉総理は「格差は拡大していない」と断言しましたが、これは統計上、明らかな嘘です。御主人様のブッシュのホラを真に受けて「イラクは大量破壊兵器を~」と言いましたが、これも嘘でした。「日本を批判しているのは中韓だけ」とも言いましたが、これも明らかな嘘です。「構造改革の結果、景気が回復してきた」とも言いましたが、因果関係は証明されていませんし、景気が回復したのは様々な優遇措置の恩恵を受けた大企業と富裕層だけです。国民総所得の中央値や最頻値はきっちりと下がっています。つまり、総理の発言は嘘だと言うことです。

 戦後、これほど公の場で嘘を吐いた国家元首はいません。にもかかわらず、嘘つきを糾弾してきた側は常に少数派でした。民主党の永田議員は出所の怪しいメールを論拠に自民党を糾弾し、そしてそのメールがガセネタであると知れるや一方的な袋叩きに遭いました。同じ嘘つきでも随分な違いです。政治家ともあろうもの、嘘を吐けば叩かれるのは当たり前、永田議員の件は当然の成り行きなのでしょうが、小泉総理が相手となると国民の感情は違いました。まるで主体思想よろしく小泉に信仰を捧げる支持者達は小泉の嘘を咎めることなく、逆に嘘を糾弾する者を自ら狩り出す始末。小泉の暴政で生活が悪化しても支持を変えることもなく、なにがあろうとも小泉の味方、外交が破綻しても相手が悪いのであってこちらに非などあるはずがない、そんな人々が多数を占めてきたのです。これほどまでに批判から守られ、支持者から甘やかされた総理は未だかつて無かったのではないでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする