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最新芥川賞受賞作,小野正嗣「九年前の祈り」が、売れていない、知られていない。その原因、起因はコレ!

2015-02-05 01:11:49 | 小説家

 発蒲江、否、20日前。芥川賞と直木賞のことを書いた、打った。

 受賞予測作、そして芥川賞を受賞した小野正嗣の、身振り手振り、両腕振りの喜びの記者会見ぶりと、そこからのぞけた彼の人柄を書いた。

 予測ははずれたが、こうなったら、受賞作「九年前の祈り」が売れて欲しいな、と思いつつ。

 

 その時、予測した。この小説。

 このままだと、単行本は、予想を下回る売れ行き。

 そう書いた。

 先日、行きつけの大型書店、3店を巡った。危惧していた通りの惨状になっていた。受賞後、わずか半月で、だ

 上の、喜びの受賞会見前の、記念撮影の写真をよく見て欲しい。

 直木賞を受賞した、西加奈子は、とびっきりの自然な笑顔で、単行本「サラバ!」を手に、にっこり。

 ところが、向かって右側の、芥川賞を受賞した小野正嗣(まさつぐ)は、すでに短編集として再編集した単行本が昨年の12月に世に出ているはずなのに、何故か、持っているのは、昨年の「群像」9月号。

 それで、笑顔、浮かべろってかい?

 クビ、傾げながら、そういう想いが胸をよぎったことだろう

 確かに、その小説誌には、受賞作が初掲載されている。私も、すでに読んだ。

 だが、すでに単行本が出ていると言うのに、講談社のお馬鹿担当編集者はその場に用意すらしていなかった。そういうことだ。

 ヤル気無し。売る気無し。まさか、受賞するとは! だから、用意もしていなかったってところか。

 だが、このニュース映像をみた小説愛読者や、受賞作なら良い小説だろうから、書店で手に取ってみようか?という人は、単行本がまだ出ていないのなら、図書館へ行って、捜して借りよう。

 明らかに、そういう流れになっている。貸し出し希望者、多い。

 それでなくとも、西加奈子が、この時の記者会見で、小説が売れていない、生活が、世間で思われているのと違い、それとなく厳しい状況を匂わせていた。

 彼女こそ、すでに固定の人気があり、読者層を掴んでいるから、まだまし。

 だが、とある、かつて有名だった女性作家は、印税収入が振り込まれるたびに、その日に、公共料金をやっと支払えている、生活は自転車操業、火の車状態であることを、自らのブログで明らかにしている。

 ファンやマスコミが、勝手にノーベル文学賞候補だと、ぶち上げている村上春樹でさえ、実売は100万部に遠く届かない”厳実”。

 小説誌が、毎号、実売が1万部に届かないのも、実情だ。

 で、書店。

 足を運んでみると、平積みで「九年前の祈り」がどこにも置かれていない、並べられていない。

 店員に聞いてみると、「芥川賞?ですか・・・・・。小野さん? ちょっとすいません、調べてみます」と言うありさま。

 で、西加奈子の「サラバ!」は、「当店の、売れ行きベストテン」と掲げられたコーナーで、上巻、下巻、共に3位、4位という人気、実売ぶり。

 それでなくとも、芥川賞は、奇をてらった、小難しい文章が多いので、敬遠されがち。

 活字の業界で生きてきた私でさえ、黒田婆さんの、横書きだらだら句読点、改行無いに等しいひらがな長文作には、目を覆ったくらい。

 これでは、ますます、読者は目を引いてしまいがち。

 さすがに、単行本化された時には、行数短くし、且つ、行間開けてあったので、読みやすくはなっていたが・・・・・。

 幸い、小野正嗣は、正業として、立教大学で准教授としての給与を手にしているから、生活に困窮、妻子を路頭に迷わせることは無いであろうが。

 それに、前回の記事で書いたが、シンポジウムやさまざまの場に赴き、報酬を得ているようだし。

 だが、印税収入のみで生活している「小説家」は、さぞかし大変であろうと察する。

 実は、週刊誌のアンカーマンで、糊口をしのいでいる人も多い。

 この記事を書く、打つに当たって、小野正嗣の産まれ故郷、大分県の、旧・蒲江町を調べてみた。

 冒頭の一文を見直して欲しい。

 20日前と、打ち込んだつもりが「発蒲江」と、出てきて、その縁に、偶然に、思わず苦笑い。

 蒲江町。佐伯市内から、バスに揺られ、また揺られして、2時間余り。

 風光明媚・・・・らしい。町の、長い風習か、年上の男性を「・・・兄ぃ(にい)」、年上の女性を「・・・・姉ぇ(ねえ)」と、今もごくフツーに呼び合う習わしがあるそうな。

 小野が、言った通りだった。

 なんと、この町からは、キャノンの会長兼社長の、御手洗冨士夫(みたらい・ふじお)が出ていた。

 それも、小野と同じ、高校野球でも名門だった、佐伯鶴城(さえきかくじょう)高校を卒業。

 本、売れて欲しいなあ・・・・・

 しかし、この先、売れないだろうなあ

 というのも、月刊「文藝春秋」が、この2月10日、<芥川賞・全文掲載>と、表紙に刷り込んで売り出す。

 確認も含めて、編集部に電話。

 「そうですよ、全文掲載が原則で、年2回、受賞後に掲載しております」

 当たり前の事、聞かないでよ!って、クチぶり。

 で、嫌でも目に付く支払いカウンターの上に、ど~んと平積みされりゃあ、単行本の半額近くで買えるとなりゃあ・・・・・ねえ・・・・・・。

 かたや、西加奈子の「サラバ!」の、上・下巻

 読みたい人は、すでに受賞決定前に購入・読了。

 一応、やはり年2回、掲載される「オール讀物」編集に、ピッポッパッと、問いあわせ。

 「発売は、2月21日です。ええと、掲載は、一部。抄、となります。長編ですしねえ・・・。売り上げ? 実売? こちらでは、詳しいことは・・・・分かりかねます。ただ、いつもの号よりは良いとは、聞いております」

 勝負、あった!

 この一文、これにてサラバ!

 



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