先日、老人ホームの個室に固定電話を引くことを思いついた母だったが、
「携帯があるのに、固定電話まで必要ない」
という父の理性的な判断を受け入れ、その件は断念し、
かわりに、新しい携帯電話がもうひとつ欲しい、と言いだした。
世の中がスマホになった頃には、母は既に80歳を超えていたため、
機種変更をすることもなく、ずっと同じガラケーを使い続けて来たのだが、
それがかなり古くなってきたので、
「これ壊れたら、もうお店にはスマホしか売ってぇへんのと違う?」
と、母は前々からたびたび不安を口にしていた。
今回の、「固定電話が欲しい」の話も、ひとつにはそれが原因でもあって、
母は、新しい、当分は壊れないと信用できる電話を手に入れて安心したい、
という気持ちが強かったのだ。
それで、7月30日月曜日に私と一緒にホームの近くのDoCoMoショップに行き、
ついに、二台目の携帯電話を購入することを決めた。
と言っても、購入したのは私だ(汗)。
母本人が名義人になると、今後の設定や機種の変更等の手続に、
いちいち自分で出向くか、少なくとも電話口で確認を取る必要があり、
高齢者にはそれが無理な状況も考えられるので、
私自身が権利者になり、母の要望を聞いて私が動く、
というかたちにしたのだ。
母が今まで使っていた古い携帯は、父の名義になっているが、
それは馴染んだ携帯でもあるのでそのまま維持し、
それに加えて、今回私が契約した新しい携帯も、母は持つことになった。
つまり、今後はひとりで二台、使用できるわけで、
これなら一方が壊れてももう一方があるので安心だ、と母は納得した。
母が、現在使用中の携帯を買ったのは何年も前のことだったので、
既に同じ機種は販売されていなかったが、
『らくらくホン』は外見的にも操作性の面でもよく似ていて、
ほとんど違和感がないようだったので、それに決めた。
色は、母本人の選んだミントグリーンで、
電話番号も、提示された3種類のうち、母が気に入ったものを選んだ。
ガラケーなので通信料などはスマホよりずっと安価だった。
使用料その他は、私のクレジットカードで決済することにした。
母は更に、充電器も二台欲しいと言った。
ベッドの枕元のほか、少し離れたテーブルの上にも置きたいそうだ。
「携帯電話というものは、ちょっとの間にも充電がなくなる」
と母は常々感じて、追い立てられる気持ちになっているそうなので、
母の望むままに、充電器+ホルダーをもうひとつ、注文することにした。
古いほうの携帯については、充電云々の話以前に、
電池パックを交換する必要があるのではと思うのだが、
ややこしい説明より母の言う通りにすることのほうが先決と思い、
私は意見は言わなかった。
90歳にもなると、客観的に何が正しいかより、
本人の気が済むかどうかのほうが、もう、はるかに大切なのだ。
母が新しい携帯に慣れた頃、古いほうの携帯を私が預かり、
電池パックの交換を試してみようと思っている。
それから、ホームに帰って、母が簡単に私に電話ができるよう、
私の携帯と家の電話の番号をワンタッチダイヤルに登録し、
母の新携帯から私の携帯に空メールを送って、
母のメールアドレスを私のスマホにセットした。
「ええ世の中になったねぇ」
「大人のおもちゃが、こうやってすぐ買えて」
と母は、ややイミフなことを言っていたが、
満足している様子だったので、良かった(^_^;。
さてこれから、どちらの電話を主に使うことになるのだろうか??
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