昨日は、『Super Gift!』を観に、梅田芸術劇場まで行った。
17時公演で、ゲストはシメ(紫苑ゆう)さん・タカコ(和央ようか)さん。
『Super Gift!』from Takarazuka stars(梅田芸術劇場)
殴られそうな話なのだが、私は今回、ゲストの名前だけでこのチケットを買った。
シメさんとタカコさんを同時に観られる機会はそうあるものではなかったからだ。
このふたり以外に誰が出るのか、実は私はほとんどわかっていなかった。
ウタコ(剣幸)さんが出演する、というのはなんとなく理解していたが、
あとは漠然と、宝塚のOG公演だという認識しか持たずに行った。
しかも例によって席は3階の最後尾の端で、オペラグラスも持っていなかった。
…という状態で、いきなり観て客席からウタコさん以外で判別できたのは、
ヤン(安寿ミラ)さん(←声と踊りの動きでわかった)、
ズンコ(姿月あさと)さん(←歌い出した途端に確信できた)、
ワタル(湖月わたる)ちゃん(←出てきただけでスタイルでわかった)、
ミミ(こだま愛)さん(←容姿とムードで一発でわかった)、
かなみ(彩乃かなみ)ちゃん(←歌声ですぐ記憶が蘇った)。
ヤンちゃんとの絡み方で、みさる(森奈みはる)ちゃんもだいたい見当がついた。
プログラムで答え合わせ(笑)をするまでわからなかったのは、
カリンチョ(杜けあき)さんとユリ(星奈優里)ちゃん。
…これは一体どう考えたら良いのだろうか(^_^;。
私は90年代には雪組も星組もかなり観ていて、
この二人の舞台だって私なりによく知っていたつもりだったのだ。
卒業してからの年月の中で、この二人は、
良くも悪くも「宝塚っぽさ」が、三階最後尾にまでは届かない程度に、
抜けていたということなのだろうか??
ウタコさんの『ミー・アンド・マイガール』には感動した。
街灯のセットまで昔の通りで、懐かしさに胸が熱くなり、
ウタコさんはなんと魅力ある表現者なのだろうと改めて思った。
更に、ウタコさんが歌ってヤンちゃんが踊った『So in Love』は、
なーちゃん(大浦みずき)を想って泣けた。
なーちゃんもきっと一緒に舞台にいてくれたと思う。
『Too Darn Hot』をずんちゃんが歌ったことにも感激した。
いずれも、なーちゃんのお披露目『キス・ミー・ケイト』の曲で、
なーちゃんのサヨナラショーのときにも選ばれたナンバーだった。
幕間は、ウタコさんとゲスト二人がトークをする『うたこの部屋』。
ラフなシャツ姿のタカコさんとは対照的に、
ラッフルのたくさんついた貴公子然としたブラウス姿のシメさん。
「ふたりはどのくらい(期が)離れてるの?」
とウタコさんに訊かれ、シメさんはタカコさんと顔を見合わせ、
「100年(^^)!」
と即答していた(笑)。
期も組も違って接点などほとんどないのではないかと思われた二人だったが、
タカコさんは入団前にシメさんのお茶会に行ったことがあるとのことだった。
また、シメさんは『蒼い口づけ』の主演者でもある元祖ドラキュラ、
今も現役時と少しも変わらぬ美しさなので、
「毎晩、冷凍庫に入って寝ていらっしゃる……」
とタカコさんに言われていた。
二幕目に設定されたゲストのコーナーでは、
タカコさんが『One Heart』と『ドラキュラ』、
シメさんが『我が心のふるさと』。
タカコさんの洗練されたパフォーマンスも良かったが、
シメさんの宝塚愛にあふれたダンスと歌もまた圧倒的だった。
こんなかたちで、現ドラキュラと元祖ドラキュラの
舞台を続けて観ることができようとは(笑)。
舞台の上は競演でありつつ同窓会状態でもあり、
客席もまた、各自の観劇歴や思い出を重ねて、
懐かしい日々を辿る温かい思いに満たされた公演だった。
私自身、自分の中に蓄積された宝塚の記憶を再確認した思いだった。
ここの皆が現役だった頃の、あの舞台もこの公演も、
私は旧大劇場で、旧東宝で、たくさん観たのだ。
あの懐かしい顔ぶれが、あれからの年月を軽やかに飛び越えて、
こうして変わらぬ歌やダンスを披露してくれるなんて、
そしてそこに居合わせることができるなんて、
これは年齢を重ねたファンでなければ知ることのできない幸福だと思った。
舞台は、魔法だ。
私はあの3時間だけ、昔の日比谷の3階席に座っている自分に戻り、
自分にそのような「戻れる場所」のあったことを改めて知り、幸せに感じた。
忙しいさなかだったが、行って本当に良かった。
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