転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



昨夜、去年の今頃どうしていたかと手帳のページを繰ってみたのだが、
見開き2ページが全体に黒く、様々な濃さの文字がぎっしり詰まっていて、
「ふ……、ひどい毎日だったな」
と、今は余裕があるので、過去の自分を憐れんであげた。
週末平日関係なく1~2時間ごとに人の名前と用件が書き込まれており、
日によっては、途中に割り込みがいくつも入った跡があった。
見ただけで、どれほど嫌だったか思い出せる用件もいくつもあった。

昨年4月の休日は月4日、5月は連休もあったので8日休めているが、
6月も7月も休みは3日ずつ。残りの日はすべて真っ黒だ。
当時は、予定から予定へと、日々、時間ごとに綱渡りしている気分だったし、
「間に合った!」「ここも間に合った!」「やればできるもんだ!」の連続だった。
なぎ倒すように予定をすべてこなしきった日には、大きな達成感はあったが、
こんなこと果たして何歳までできるんだか、と、ときどき思ったものだ。
もともと能力のない自分の、許容範囲を超えていることは常に感じていた。

あのままの日常の真っ最中に寿命が尽きていなくて、本当に良かった。
いやマジで(^_^;。
こうして家でひとりで過ごせる毎日が与えられるなんて、
私はなんと幸せなのだろうかと、幾度も思ったことをきょうもまた思った。
過去3年間、身の丈に合わない働き方をした反動だと思うのだが、
私には目下、個人的には全然Stay Homeが足りていない感じがする。
省みれば3月くらいからできるだけ外に出ない生活を開始し、
4月半ばからは会社にも行かなくなって、3週間ほども経過した訳だが、
今に至るも、退屈だとか暇過ぎるなどとは、全く感じることがない。
舞台や演奏会は変わりなく愛しているけれども、
価値ある公演を、自分のしがらみのために逃すのがつらいのであって、
今は全国どこも何もやっていないのだから問題ない。
私は元来が、旅にもグルメにもブランド品にも興味がない、
タバコは勿論、アルコールなどの嗜好品も必要のない人間だ。
ただ綺麗に掃除して整えた家で、静かに過ごすことこそ至上なのだ。

更に良いことには、今は、お金がほとんど出て行かなくなった。
ほぼ稼いでないのだが、出費が激減したので格段に生活が楽になった。
化粧せず洋服も買わず、スーツ不要なのでクリーニング代もかからず、
パンストを補充しなくて良いし、パンプス等の外出用靴の手入れも要らない。
白髪染めも必要なくなり、美容院代もかかっていない。
遠征しなくなったため、チケット代・交通費・宿泊費は0円、
家には自家用車がないから、もともと車関係の出費はゼロだったのだが、
更に、仕事で走り回らなくなり、日常のバス代もタクシー代も不要になった。
今は、少々の場所なら歩いて行けば良いのだ。時間に追われていないから。
会社で遅くなり、デパ地下に駆け込んで総菜を買って超特急で夕食の用意!
ということも全くなくなり、最近は生協の宅配でまとめて魚や野菜を買い、
冷凍冷蔵保存し、計画的に組み合わせを考えて晩ご飯をつくるようになった。

勤労せず、いぎたなくサボっているだけ、
と言われれば、まあその通りなのだが、
自分的には、老後の生活ってこういう感じでいいんじゃないかな、
と思う今日このごろである。
しかし勿論、私にはよくわかっている。
「使わないから金が貯まるようになった。よかったでした」
というのは、ただの後ろ向きな、マイナスの考え方でしかない。
私のような人間がいくらいても、経済は停滞するばかりだ。
これは飽くまでも、隠居老人の考え方だ。
皆が、もっと稼いで、貯蓄だけでなく消費活動にも積極的になり、
出歩いて飲み食いして、各種サービスを利用してこそ、
地元、ひいては国家の経済が活気づき、発展するのだ。
これからは、若い人たちが活発になれるよう、
何か後押しできるようになりたいというのが、ささやかな願いかな。

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