転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



16日の早朝、重苦しい腹部不快で目が覚め、
そこから発熱と胃腸炎が始まり、2日ほどヒドいメにあった。
熱は37.7度まで行き、お腹ピー子ちゃん攻撃10数回+吐き気で耐え難く、
医者に診て貰いたかったが外は摂氏35度の灼熱地獄、
起き上がって身支度して、電話でタクシーを呼んで出かけ、
場所も定かでない休日当番医を探して行って順番待って診察受けて、
帰りに処方箋持って薬局に行き、またタクシー呼んで、
……と考えると、「無理(T_T)」となって、ひたすら寝ていた。
3日目の昨日、完全に平熱に戻り、お腹も一応止まり、
4日目のきょうは、普通に起きて家事ができるようにはなったが、
いやはや、1月のインフル以来の、正真正銘の病人生活をしてしまった。
何もかもキャンセルで仕事も休み、3日間寝ていられたのは良かったが。

急に来た症状だったので、直接の原因は、
食あたりかウィルス感染だったのだろうが、
間接的な原因は、先週の金曜日と今週の日曜に、エアコンのない場所で
数時間ずつ仕事をしたことだったと思っている。
室内ではないが屋根のある場所で、自然な風は時々通っていたが、
体も顔まわりも呼吸する空気も熱を持っていて、暑くてたまらず、
仕事中から軽く吐き気がし、終わったあとも頭痛と倦怠感が残った。
家に帰ってエアコンのある部屋で休んだが、簡単には回復せず、
体がガタガタになった、という自覚があった。
今年の暑さはまた格別だ。
先が思いやられる。

**************

自慢ではないが私は、エアコンなどない家で育った。
山奥の村は朝夕は涼しかったから、特別に恵まれていたと認めても良いが、
昭和50年代の終わりから昭和60年代にかけて、
東京で下宿生活をしていたときでさえ、私は冷房は持っていなかった。
当時、さすがに百貨店や銀行、コンサートホールなどは冷房されていたが、
そういう場所と違って家は暑い、というのが自分の中の初期設定で、
まるきり平気だった訳でもないが、暑いなりにさほど気にしていなかった。
初めて就職した職場にも、冷房はついていなかった。

しかし、あの頃の暑さは、今ほどではなかった。
「暑いね」は30度か、せいぜい32度くらいのことだったのだ。
前も書いたが、1986年夏のある日、下宿の室温が40度になったときには、
私はひどくしんどくなり、何もできずベッドに寝て過ごしたものだった。
生まれてこのかた、家にエアコンのあったことがなかった私でも、
そして22歳の、極めて健康で体力があった時代でさえも、
あの、度を超した暑さには到底、耐えられなかったのだ。

つまり、私が言いたいのは、現在の連日35度超が当然という日本の夏は、
鍛えようが何しようが、もはやエアコンなしには生きられない暑さだ、
ということだ。
『小中学校にエアコンを安易につけたら、児童生徒らが暑さに弱い体質になり、
エアコンをつけずには暮らせなくなるから、良くない』
という理由で、学校のエアコン導入に反対する人がいるが、私は与しない。
私のような育ち方をしても、22歳当時、暑くなった途端に具合が悪くなったのだ。
エアコン無しで育った人間は、30度超あたりなら、まだしも活動可能だが、
35度超になると苦痛が募るし、40度ともなると耐えられない。

それで、私が今、何を心配しているかというと、
この夏で第100回大会を迎える高校野球と、
2020年に予定されている東京オリンピックのふたつを、果たして、
犠牲者を出さずに終えることができるのか(爆)、ということだ。
文字通り、死ぬ人が出るのではないかと私は本気で憂えている。
この夏、既にあちこちで、熱中症が原因の死者が出ている。
高齢者に限った話ではなく、体育や部活で倒れる生徒が続出しているし、
先日は、小学校の野外活動のあと、児童が亡くなった一件もあった。

高校野球岐阜大会で女子高生6人熱中症の疑いで搬送(日刊スポーツ)
埼玉大会で熱中症相次ぐ 熊谷38・3度(日刊スポーツ)

あとのほうの記事では、
『筒井一成監督(41)は「試合で倒れるなんて初めてです。何をやっているのか」とあきれ顔だった。』
『埼玉県高野連・高間薫専務理事(58)は「ちょうど期末試験が終わり、体が慣れていないんじゃないかな。対策を考えないと。毎日これでは困る」と話した。』
等の記述があり、何かの意図を持って記事が構成されているのでないとすれば、
本当にこの方々は、炎天下の試合をなんとも感じていないとしか思われず、
私のほうこそ呆れ、困った。
38度超は、既にヒトが屋外で運動できる気温ではない、と私は思うのだが、
高校野球関連の上のほうの方々の見解は違うのか。
部活で日頃から鍛えている生徒が、『試合で倒れるなんて』『毎日これでは』
という事態になるときは、鍛え方や自己管理に問題があるのではなく、
気温の上がり方のほうが異常なのではと、疑ってみませんか普通?

多くの人が既に何年か前から指摘していることだが、
夏の甲子園は、近くの京セラドームでできないのだろうか。
…と思うが、京セラドームだとプロ野球のスケジュールにも影響するから、
シーズン前に何もしていない以上、今年の話としては、もう無理か。
ではせめて、甲子園で早朝試合とナイターを取り入れて貰えないものか。
伝統がどうのこうのと二の足を踏んでいるレベルの気温ではないだろう。
費用が様々にかかることはわかるが、人命が掛かった問題ではないか。
寄付が集まればなんとかなる話なら、私は進んで協力しますよ。
控えめに言っても、教育活動で生徒の健康を害しておいて、
「あきれ顔」をしたり『困る』と言っておけば通るなんて、どういう業界か。

東京オリンピックについても、屋外競技については私は本気で不安に思っている。
Olympic athletes could die from Tokyo summer heat, warn experts(THE TIMES)

選手も観戦者も、高温のせいで死ぬリスクがある、
と英タイムズでさえ警告している。
打ち水をするとか首に濡れタオルをまくと良いとか、
マラソンだけは開始時間を早めたら良い等々が、
有識者会議の見解として出ていたようだが、
それで本当に効果があるものかどうか、
医療関係者を待機させた上で、有志の方々で屋外に2時間立って、
心拍数や血圧、体温等、実験データを出して頂きたいくらいだ。
……という「お前やってみろ」式の反論が良くないのは承知しているが、
その程度の対策で選手に炎天下を走らせようというのが、
あまりにも想像力に欠けた言い方だと思う、と私は言いたいのだ。

『they fear their warnings are being ignored
because of the demands of the international broadcasters
whose money is vital to the Olympics.』
と上の記事にもある通り、オリンピックは放送利権他「カネ」の問題でがんじがらめだし、
各種競技の通年の大会スケジュールの面でも、
現状では夏開催以外に選択肢がない状況らしい。
それなら、せめてマラソンなど屋外競技だけは、
札幌会場などの緯度の高い場所を、特例として用意して貰いたいと思う。
「東京理科大長万部キャンパス」みたいなもんで、
「東京オリンピック網走会場」なんかがあったって、この際いいじゃないか(--#)。

オリンピック候補地として東京が立候補した頃より、
今年など更に高温になっている。
2020年だけ涼しい夏になる可能性もゼロではないが、
『可能性はゼロではない』というのは『現実には、ない』と同義だと思うべきだ。
運良く死者が出なかったとしても、
2020年の夏、東京じゅうの病院がパニックになることは避けられまい。
選手やボランティアは勿論、日本の夏の気温に不慣れな外国からの観戦者が、
次々と熱中症で倒れて搬送される可能性が高いと私は恐れている。

感情としては、こんな時期の高校野球もオリンピックももうやめて、
と言いたいのだが、そんな無茶が通らないことは私もわかっている。
一生に幾度もないチャンスを目標に、たゆまぬ努力を重ねてきた選手たちのためにも、
大会は本来、予定通り敢行されるべきだし、成功裏に終わって欲しいとも願っている。
だからこそ、大会開催前の今、相当な無理をしてでも、
選手たちの身の安全だけは、確保する努力をしたいと言っているのだ。

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