転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 

感謝  


COVID-19(新型コロナウイルス感染症)がアジアに広がったこの時期に、
ポゴレリチは日本・韓国あわせて6公演を敢行してくれた。
感謝しかない。本当によく来てくれたと思っている。

中国武漢でのアウトブレイク以来、先月から既に、ヨーロッパ各地では、
東洋人に対するあからさまな差別や偏見のあることが報じられていた。
マスク使用の習慣のない地域では、マスク姿の東洋人が感染者と見なされ、
理不尽に暴行された事件もあった。
この時期のアジアなど、新型伝染病の肺炎がウツりそうで、
海のむこうの一般的な欧米人なら、寄りつきたくもない場所だっただろう。
特に、クルーズ船ダイヤモンドプリンセスの寄港と検疫の報道も連日あり、
地名しかわからない人なら、横浜など危険地域としか思えなかった筈だ。

そのような状況下でポゴレリチは来日したのだ。
職業演奏家である彼にしてみれば、契約を履行したに過ぎないかもしれない。
自己都合で来日をキャンセルし契約上の問題を発生させれば、
自身の不利益になるのだから、極力、そのような事態を避けたかったのではあろう。
しかしそれにしても、演奏会のみならず、ポゴレリチはどの公演地でも、
終演後にはサイン会も行い、長蛇の列をつくったファンに快くサインをし、
ファンからの声かけに応じ、ときに写真撮影まで行ってくれたのだ。
まことに、彼は勇敢なる「愛の人」であった(涙)。
改めて、心からお礼を申し上げたい。ありがとうございました<(_ _)>!


(勿論、当の日本に住んでいる我々にとっては、
重症肺炎が市中で大流行、という状態でないことはわかっていた。
しかし海外から見た印象はそうではなかった。
外側からは、アジアそのものがどれほど忌むべきものに見えていたことか。
ポゴレリチがそのような偏見に捕らわれず、よく見定めて来日してくれたことを
私は嬉しく有り難く思っているのだ。
決して、単に無策のままで無謀に危険地域にやって来る人間のことを
勇気があると言っているのではない。)

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