4月下旬に某ホールでCFⅢSを試弾したときに
座席に置いたLINEAR PCM RECORDERで録音した、
ベートーヴェン『テレーゼ』第一楽章の練習を、
さきほどなんとなく思い出して聴いてみたら、
自分の拙い演奏ながら、なかなか良かった(爆)。
いや勿論、本当の意味での「演奏」という次元で語るなら、
全くもってどうしようもないほどヘタな出来であることは明らかなのだが、
素人なりに、自分として弾きたいと思った通りに弾いているというのが、
今、録音を聴いてもよくわかり、
私は本来、こういう『テレーゼ』が聴きたいのだよなあと改めて思った。
私は常日頃、ハノンやツェルニーには固執していても、
「曲」を弾くことに関してはほとんど熱意を持たないのだが、
それは、自分の演奏など聴くに堪えないものであると
聴き手としての私が感じているからだ。
筋トレとして、以前はできなかった動きが気持ち良くできるようになることには
私なりの手応えも喜びもあるので、エチュード系はとても好きなのだが、
一方で、音によって自分を表現したいという意欲は、私にはほとんど無い。
(これは昔、なんちゃってバレエ教室に通っていたときも同様だった。
やってみてわかったのだが、私が好きなのはバーレッスンだけだった)。
しかし『テレーゼ』第一楽章は、自分で弾いてまで聴きたいと私が感じる、
かなり例外的な一曲だった。
しかも、このように聴きたい、というのが自分の中でとてもハッキリしていた。
それでその通りに弾かせて貰ったのが、このときの録音だ。
この曲だけは、いくら巧い人に弾いて貰ったとしても、それだけでは駄目で、
どんなに覚束なくとも、やはり自分で弾く以外になかったのだよなあと、
録音を聞き直して、改めて思った。
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