転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



<文科省>学校の週6日制導入を検討(毎日新聞)

ミもフタもないことを言うようだが、我が家の場合は、
週5日制の有り難さが身に染みたのは、中学受験の頃だった。
土曜日に塾へ行き、定例テストで一日がつぶれても、
なお翌日の日曜日に休養することが出来たので、
娘にとってはすべての土曜に学校が無かったことは本当に良かった。
学校が週6日あった時代に中学入試を志した人たちは皆、
土曜日まで学校に行ったうえに、『日曜テスト』に一日を費やし、
休みなしでまた月曜から学校に行かねばならなかったのだ
(と主人が体験談を語っていた)。

しかし、そもそもどうして中学入試を目指したかというと、
娘が「女の子の学校に行きたい」と言ったのも理由ではあったが、
それ以前に、公立小学校があまりに暇で、授業も宿題もなさ過ぎ、
娘が勉強しないので親が呆れた、というのが大きな切っ掛けだった。
うちの場合は、学校が週5日制だったことの効果は、
ほとんど本末転倒だったような気がする。
「ゆとり教育」の目指したものは、こんなことではなかった筈だ。
親の不見識が災いした例かこれは。すみません(爆)。
ちなみに、娘の入学した私立女子校は、現在土曜日にも授業がある。
これがとても興味深いことなのだが、この学校はかつて、
私自身が小学生だった頃には、土曜日は礼拝とクラブ活動だけで、
授業の無いのが特徴だと聞いていた。
いつの間にか、変わっていたようだ。

それにしても、記事の中で驚いたのは、
『教職員の勤務時数が法律で週40時間と定められているため』
という箇所だ。こんな法律があったとは。
これは一日8時間労働が5日間、という計算だと思うが、
この法律なるものを遵守している学校なんて、存在するのだろうか?
私が生徒だった時代も、娘が小学校から高校まで通学した間も、
夕方5時や6時で帰宅なさる先生など、ほとんどなかった。
今だって、家の近所にある小学校中学校を眺めてみると、どこも、
毎日遅くまで校舎には電灯がついており、先生方の(だろう)車が停めてある。
その分、翌朝ゆっくり来られる先生方が多いかというと、それも無いだろう。
朝のSHRや1時間目の開始時刻は決まっているのだから。

また、部活の試合について行くなどで休日出勤なさる先生方だって、
その代休を取られている例は、決して多くないと思う。
労組が強ければ(日教組はどんな感じなのだろうか?)
管理職側から「回復措置をとって下さい」という発言はあるかもしれないが、
現実に代休など取ることは難しいのではないか、と私は想像している。
事前の振替をあまりやると、相手の先生や生徒の時間割がいびつになるし、
そうせずに回復措置だけをとるならば、その時間の授業は自習になり、
進度の遅れたクラスは、定期考査前の自分の負担になるだけだからだ。
教職員同士はともかくとして、対・生徒の面では、先生方の勤務条件は、
事実上、ほとんど柔軟性が認められていないし、
代休や回復を取る先生方は、保護者からはきっと、歓迎されないだろう。

学校週5日制の恩恵は、うちの娘の塾通いには大きかったが、
現場の先生方には、必ずしも関係が無かったのではないかと思う。
友人が某公立高校教諭なのだが、彼女は週5日制はキツい、とよく言っている。
私と同学年だった彼女は、採用時にはまだ学校は週6日あって、
それが途中から第2土曜だけ休業になり、やがて4週6休になり、
最後に完全週5日制になり、そのすべての過程を現場で経験したのだが、
土曜授業が全部あった時代が「一番マシだった」という意見だ。

先生方でも、独り暮らしとか、元気な親御さんと同居、主婦の妻を持つ男性、
という境遇の方だったら、週5日制度の有難みはそれなりにあるかもしれない。
平日が毎日とても忙しくても、土曜日曜になればまとめて自由時間が取れ、
寝坊したり休養したりも適宜、可能になるからだ。
或いは、出張(対外試合、遠征等)の多い部活の顧問をなさっている先生にも、
土曜は朝から出張で、日曜は休み、となれば大きなメリットかもしれない。
これで土曜授業があったらたまらんワ、と仰る先生もあることだろう。
しかし私の友人のように、家庭を持っていて子供もいて、老親の心配もある、
という状況だと、休日は基本的に家事労働に費やされるしかないし、
そうでなくても月~金に疲弊しきって、しわ寄せが一気に週末に来るのは辛い、
ということではないかと思う。

友人のようなケースだと、「もっと薄めて」仕事ができたほうが、
心身の負担感が軽減されるのではないだろうか。
現状は月~金しかないので、どの日も限度一杯の仕事内容になっており、
授業後も、生徒が質問に来ているのに、学年会や分掌会議が始まるし、
保育園のお迎え時間は迫るしで(今はようやく末子も小学生になったが、
学童保育のない学年になる頃には、お稽古ごとや塾の送迎に縛られ始めるのだ)、
時間に追われて追われて、気が狂いそうだと彼女はよく言っていた。
夕闇が迫り、採点しつつ時計を見ながら心拍数を上げている最中に、
受け持ちクラスの生徒が万引きで捕まり、警察から電話、
……などという展開になったりすると、本気で卓袱台(事務机)返しをしたくなる、
と彼女が言っていて、私はウケたが、勿論笑い事ではないのだ(汗)。

いっそ、土曜日の半日勤務まで込みで望む先生は「薄めに」週6日勤務、
そうでない先生は「濃いめに」週5日勤務で、月~金を違う勤務条件にして、
授業も、土曜日に入れて良い先生とそうでない先生に分ければ、
……などと、つい素人考えでは思ってしまったが、
しかしそんな時間割は組めない!と教務係の先生がシヌ思いをなさるだろうか。
それに、そうなると主任以上は必然的に週6日労働になるのだろうね(^_^;。
やっぱり駄目か(殴)。

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