転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



和央ようか、シンガポール超豪華ホテルライブ(SANSPO)

昨日の夜、たかこ(和央ようか)さんのシンガポールでのライブを、
Ustreamの中継で観たのだが、これがなかなか良かった。
基本的にテレビも映像も嫌いな私なので、シンドくなったら終わろう、
と思って見始めたのに、結局、最初から最後まで観てしまった(O_O)。
私は背景や内部事情を知らないが、選曲や構成は御本人によるものだろうか。
それとも、誰か今の彼女を演出してくれる人がほかにいるのだろうか。
ファンの観たいものに、とても巧く応えた内容であったと同時に、
退団後の「和央ようか」ならではの味わいがあって、興味深かった。
男役風の場面も幾度かあったが、現役時の男役・和央ではなくて、
現在の彼女らしいニュアンスがあって、バランス感覚が素晴らしかった。

たかこさんは退団してからは、肩書きとしては「女優」なのだが、
ステージでは、殊更に女性らしさを追求するのでもなく、豪華なドレスも着ない。
かと言って、男性と見間違うようなマニッシュなスタイルに固執するのでもない。
髪はいくらか長くなったし、歌も男役声の音域でないものを自然に歌っている。
女女した女優でもなく、かと言って男役でもない今の彼女が何なのかというと、
やはり、いつもの答えなのだが「和央ようか」であるのみだった。

男役出身の歌手や女優さんの場合、外部ではもう男役をする場は無いのに、
ファンはいつになっても、結局観たいのは男役姿に繋がる部分であって、
それを全く「無かったこと」にすることも出来ず、
ご本人もファンにも、葛藤のあることが多いのではないかと私は想像しているのだが、
たかこさんは退団以来、かなり自然なかたちで、
そうしたファンの要望に応える機会を設けて来たと私は感じている。
そしてその方法が、単なる郷愁というか、男役の中古品のようなものにならずに、
その都度、現在の彼女の素材の良さを活かしたかたちになっているのが、
なかなか巧いところだと思うのだ。
彼女の魅力は、一貫して「和央ようか」であり続けるところにあって、
それは宝塚にいた頃から今に至るまで、基本線として変わってはいないのだ。

その「和央ようか」の魅力のためには、ステージ衣装など本質的には必要ない。
歌手として立っているだけで、ディートリッヒとして歌うことも出来るし、
ドラキュラ伯爵にも変貌し、更になんの抵抗もなく男役レオにも戻れる。
彼女が現役の男役だった頃、私は幾度か、彼女の男役姿を否定する文脈で、
『宝塚の男役とは違う。あれは彼女にしか出来ない不思議な「男装芸」だ』
と宝塚系掲示板に書いて、当時の熱心なファンの方々から非難されたものだが、
なかなかどうして、あの頃、かの男装芸を実現させたセンスの持ち主だからこそ、
今日があるのだよと、昨日はひとりで勝手に納得したことであった(逃)。
いやもう、これは私の単なる独りよがりというか、我田引水なんですが(逃逃)。

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