転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



先日、なーちゃん(大浦みずき)が急病のために
予定されていた舞台を降板するという出来事があった。

大浦みずきが胸膜炎で舞台降板 代役は杜けあき(ORICON)

降板決定以前に、『スーザンを探して』の制作発表の会見を
なーちゃんが欠席したことはニュースで読んで知っていたのだが、
宝塚時代、およそ病気休演など考えられなかった彼女でも、
長い舞台人生にはこんなことがあるのだなと、驚き、また心配にもなった。
なーちゃんが休むというのは、よくよくのことだと思ったからだ。

幸い、後日のニュース等では、彼女の容態そのものは安定しており、
ただ公演日が来月で、治療の後では充分な稽古ができないという理由で
降板を決めたと書かれてあったので、一応、安心することはできた。
胸膜炎は原因疾患が何であるかによって、治療内容も予後も違うが、
何であれ、普段はない、休養のための良い機会ということで、
体のメンテナンスの時間を取られるのが良いのではと思った。

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私が宝塚で最も敬愛した男役スターは、この、大浦みずきなのだが、
私が宝塚に熱中した80年代後半から90年代初頭にかけては、
彼女ほど、男役としての美学と、技術的なレベルの高さが
見事に釣り合っていた男役は、ほかに無かったと思う。
その彼女の舞台のうち、サヨナラ公演(91年)の映像が、
このほど初めて、DVDとして発売されることになった。

大浦みずき のサヨナラ公演、初DVD化!

収録が「東京宝塚劇場」というのが、とても嬉しいことだ。
これは勿論、今とは違う、旧・東宝の映像だ。
当時、宝塚大劇場での公演から、東京公演までの期間が、
今よりもっと開いていて、数ヶ月はかかっていたので、
大劇版と東京版は、内容的に、微妙に違うことが多かった。
この公演も、私は東京版のほうが遙かに気に入っていたので、
そちらがDVDとして残るのは大変喜ばしいと思っている。

だが、大浦ファンだったら、ほとんどの人が最も観たいのは、
『ロマノフの宝石』『ジタン・デ・ジタン』の東京公演(89年)
のほうではあるまいか、と私は思っている。
恐らく、トップとしての大浦みずきが一番輝いていた時期の公演だった。
NY公演後の晴れがましい気分の中、退団発表の気配は未だ遠く
(今みたいに、トップ就任直後に退団発表などということは当時は無かった)、
そこに、まさになーちゃんのために書かれた二作品がまわってきて、
演技者の充実と作品の方向性とファンの高揚感とが、
絶妙な配置でバランスの取れていた、実に幸福な時期だったと思うのだ。

勿論、今回発売されるサヨナラ公演あたりも文句はないし、
堂々たる余裕の主演者ぶりで、とても素晴らしいのだが、
なーちゃんに時折、疲労の色が見えるので、その点が私には少し切ない。
サヨナラのひとつ前、『ザ・フラッシュ!』で疲弊しきったあと、
回復しないまま、退団公演に突入してしまった印象が拭い去れないのだ。
でももしかしたらそれは錯覚で、必死で観ていた当時の私が、
とても疲労していたことを、思い出しているだけかもしれないが。

何であれ『ロマノフ』『ジタン』が見事な公演だったことは間違いない。
大劇場版の『ロマノフ』だけはテレビ放映があったのだが、
あれは実は、東京ではかなり手を入れられて、完成度が全く違った。
加えて、『ジタン』は大劇・東宝ともに全く放映されておらず、
当時のことなのでビデオ販売もなく、完全に幻の公演になっている。
これらがDVD化されることがあれば、私は必ず、
鑑賞用と保存用の二枚は買う(爆)。
それくらい、私にとっては最高の公演だったのだ。

TCA様、お願い致します<(_ _)>!!

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ちなみに、今回の大浦降板で代役となる杜けあきの、
旧大劇場におけるサヨナラ公演が、忠臣蔵(92年)だ。
この公演、日本物を得意としたカリンチョ(杜けあき)さんが、
もう、本当に輝くばかりに美しくて、しかも伸びやかな歌声が素晴らしい。
一路真輝を二番手で使ってしまうという贅沢も、どうですか、これ!
また、キャストには出ていないが、若き日のたかこ(和央ようか)さんが
読売役で「さぁさぁ」歌っているのが観られる公演だ(爆)。
しかし冗談ではなく、このたかこさんを観ると、
この段階で既に明らかなトップ候補だったことがわかる役付で、
私は、彼女は将来、雪組でトップになる人だと信じて疑わなかった。
宙組が出来るなんて、考えてみたこともなかった。
・・・どういう大昔の話なんだ。

もうひとつ、前の記事で触れたシメ(紫苑ゆう)さんは、
紫禁城の落日(92年)に二番手で出ている。
ネッシー(日向 薫)さんのサヨナラ公演の映像だ。
当時、日向薫・紫苑ゆう・麻路さき、というと、
もう、目のくらむようなきらびやかさだったものだ。
こちらはデータを見ると大劇場での収録となっている。
私は東宝しか観ていないので、これもちょっと欲しかったりして。

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ここ数日、アクセス解析を見ると、この日記の検索ワードの第一位が、
連日、『紫苑(しおん)ゆう』になっている。
例年、『再会』のあとは増えるものなのだが、今年は特に多い。

シメ(紫苑ゆう)さんご本人が、オフィシャルサイトにて、
直筆メッセージで言及なさったので、私もわかる範囲で書いておくが、
こんな辺境サイトまで来て下さっている皆様が、
今、いちばんお知りになりたいのは、これ↓ではないでしょうか?

2009年11月 紫苑ゆう宝塚バウホール公演

シメさんは、例年秋に神戸で開催して来た『再会』が、
来年で第10回目を迎えるということで、
「バウをやる決心ができました」
と、今年のショーの中で仰った。
時期については11月というお話だったと記憶しているが、
確定的な日時までは言われなかったので、
変更の可能性はあると思うし、正式発表を待ちたい。
ただ、複数回の公演が予定されているとのことではあった。

内容については、「演出家の先生について頂いて」と
シメさんが仰っていたので、なんらかのショー形式になるようだ。
が、それ以上の話は『再会』の時点では出なかった。
どのようなものになって行くかは、まだこれからということだろう。
毎年、「老化した、老化した」と笑っていらっしゃるシメさんなので、
とりあえず激しいダンス・ショーにはなるまい、と思うが(爆)。

そして来年は、このバウ公演のほか、『再会』もあるそうだ。
なんと、来年の秋は、宝塚バウホールと、ホテルオークラ神戸の、
両方で、シメさんにお目にかかれることになりそうだ。

・・・が、バウはチケットが取れるかどうか、と考えると、
私は今から絶望的な気分だ。
チケットを一般発売していない『再会』だけでも、
毎年必ず、一度に1000名以上がやって来るのだ。
たった500名しか入らないバウ公演で、
もしチケットが普通にプレイガイドで販売されるとなると、
私など、どうやっても入手することは出来ないと思う。orz

あ、いや、こんな、はるか手前の段階から
早くも諦めたりしては、いけない・・・(涙)!

ということで、2009年はシメさんの貴重な舞台が、実現する予定です。

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