転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



午後、実家の母から携帯にメールが来た。
77歳にしてついに携帯メールを習得した母は偉い。
76歳にしてパソコンでインターネットが出来るようになった父も偉いが、
父は携帯が使えず、母はパソコンが使えないから、
ふたり合わせてひとりぶん、という感じが、しないでもない。

と思いつつ、母のメールを開いてみたら。いきなりだった。

「いたち が でました」

実家は物凄い田舎なので、そりゃ、いたちがいても当然だ。
道でいたちに会うのは全然不思議ではない。
だが今回のメールは、そういう内容ではなかった。
どうやら、我が家の天井裏にいたちが侵入している、
ということのようだった。

それで、電話して詳細を聞いてみたら。
最初に気づいたのは先月のことで、
昼に天井から、ちゅちゅ、ちゅちゅ、と声がしたのだそうだ。
両親は初めそれを、ねずみだと考えた。
だが、しばらく聞いていると、ねずみの気配とは違った。
それは、昔、うちにいた猫が、外でとった獲物を、
持って帰って、いたぶっていたときの物音にそっくりだった。

数時間ほどして、ちゅちゅ、は止んだ。
獲物がオダブツになったらしかった。なんまんだぶ。
それで天井裏が静かになったので、そのときは安心したそうだが
(よく考えたら、これで安心するなんて神経が太いと思うが)、
それからしばらく経ったある夜のこと、
母が寝ようとしたら、また、ことり、と上から音がして、
今度は、ざっざっざっ、と天井裏を歩いている気配がした。
何かが、寝に帰ってきた、という感じがしたそうだ。

それで、翌朝、業者さんに来て貰って、天井裏にあがって貰った。
天井の板をずらせば、室内から天井裏にあがれる箇所があるので、
業者さんはそこを開けて、ハシゴをかけ、懐中電灯を持って、
ゆっくりと上がって行った。ら。

「あ」

と言って業者さんがハシゴの上から母を振り返った。
業「今、ご対面しました(^_^;」
母「え。何がいました?野良猫ですか?」
業「あれは、いたちですなあ」

それは、茶色い毛並みの、中くらいの、いたちで、
「とても可愛い顔をしてましたよ(*^_^*)」
と業者さんは顔をほころばせていたそうだ。

いたちは結局、この日、自分のねどこに人間が侵入したので
(本来は逆だ。人間の家に自分が侵入しとるわけだが)
とてもびっくりして、一目散に逃げたらしい。
業者さんはさすがにそれを追うことは出来ず、
母も、一瞬のことで、いたちがどの方向に走ってどこから出た、
ということを突き止めることはできなかったそうなのだが、
業者さんが天井裏に上がって、あちこち見て回っても、
もう、どこにもいたちは居なかったそうだ。

で、とりあえず、怪しいと思われる穴や隙間に金網を張り、
いたちが再侵入しないようにして貰った、と母は言っていた。
業者さんが言うには、よその家では以前、
家の基礎のヨコから、いたちが穴を掘って、外壁と内壁の間を
するすると登って、天井裏に住み着いていた、
という事例があったそうだ。

「いや~、驚きましたわ、いたちが出ましてん」
と関西弁の母が近所の人と喋っていたら、
「ええ、ええ。お宅の水路の横の道を、いたちが歩いて行くの、
なんべんも、見たことありますよ」
と近所の奥さんはこともなげに答えたということだ。

そのいたちは、このへんではちょっと知られた存在だったらしい。

さて、今夜は雨だ。
いたちは、暖かく乾いた寝床を求めてきっと来るだろう。
それで天井裏に入れないなら、金網は功を奏した、ということになる。
いたちは、さぞ、ガックリ来るだろうけど(^_^;。

Trackback ( 0 )