料理人

以前も書いたが、私はひどく料理が嫌いだ。
おいしいものを食べたいという欲求が全くないので、
調理という行為は私にとって、見返りのない労働に過ぎない。
ただ、主人と娘が喜んでくれるならと思って、
どうにか続けてきただけだ。
独り暮らしのときは家でご飯を炊いたことなんか無かった。
パンでもサプリでも完全に平気だったからだ。

だが、面白いもので、娘は料理が大好きだ。
私という母親は娘の憧れどころか、
あらゆる面で、娘にとって、単なる反面教師だと思うのだが、
料理という点でもやはりそうだったのかもしれない。
私がろくに教えもしないのに、娘は台所に来て、
「お米をといでみたい」「野菜を切らせて」
などと言うようになり、やらせてみると案外うまいので、
私はこの頃では、すっかりサボりを決め込むことにした。

今や、娘は、頼めばなんでもやってくれる。
きょうはキノコのパスタを作ってくれたし、
先日はマグロの竜田揚げをしてくれた（写真）。
もう大抵の漢字が読めるから、料理本があれば、
見よう見まねでやれるという訳だ。
自分の作りたいものが決まったら買い物にも行ってくれるし、
買ってきたものもちゃんと仕分けして冷蔵庫に入れてくれる。

私の子育ては、ひとつ成功したと思う（殴）。
ああ、楽になったもんだ（蹴）。

ちなみに私は掃除なら全然、いやではない。
料理をつくることは大嫌いだが、
テーブルセッティングと皿洗いならいくらでもやる。
ということで、娘が調理して、配膳と皿洗いは私。完璧だ。