娘の学校で「おたふく風邪」が流行っているらしい。
次々とクラスメイトがこれに罹患して欠席し、
このところ、クラス全員が揃ったことがないのだという。
娘は満1歳のときにおたふく風邪の予防注射を受けているので、
もしそれで巧く免疫が出来ていれば、罹らないで済む筈だが、
十人に一人は予防注射しても駄目なのだそうだ。また、
『予防接種したヒトは、発病しても軽く済む』、
などということも、おたふくの場合、まず期待できないらしい。
う~ん。罹らぬでくれ(@と学会)。
私が、娘に予防接種までして防衛しようとしたのには理由がある。
何を隠そう、私がおたふくをやっていないからだ。
『嘘つけ、その顔は、あきらかに後遺症だろう』
などというツッコミは、なしだ。
私は、どこをどう思い返しても、おたふく風邪にかかった記憶がなく、
不顕性感染の可能性もあるかと思いつつも、そんなことに自信は持てず、
娘が生まれてから、わざわざ、自分が抗体検査を受けたのだ。
そうしたら、案の定、おたふく風邪の抗体は、なかった。
抗体検査にも各種ある、と聞いたが、そもそも罹った記憶がないのだし、
一種類の検査でそれが裏付けられたのだから充分だった。
で、とにかく私は、娘のほうを予防することにした。
麻疹ワクチンより先にムンプスを希望した親なんて珍しかっただろう。
私はそれほどに、自分がおたふくになるのが嫌だった。利己心の塊だ。
ところが、私が例の極零細学習塾を始めてから、第二の危機が訪れた。
教室に通ってきていた小学生たちの間で、春先に、
おたふく風邪が流行し始めたのだった。
コトの起こりは一年生の『たかちゃん』(爆)という男の子で、
こいつがもたらしたムンプス・ウィルスが、次々と他の子にうつった。
戦々恐々としている私のところに、その『たかちゃん』が復帰した翌週、
今度は『たかちゃんの兄』が塾を休んだ。
久々に通塾を再開したばかりの『たかちゃん』に尋ねたら、
兄ちゃんはずっと下痢しとる、ということだった。
今度は、ロタウィルスによる、白色便性下痢症の到来だった。
教室の子供たちが、ぽつりぽつりと欠席するのを見ながら、
私は、『腹下したオタフク』と化した自分を想像せざるを得なかった。
怖気をふるった私は、ある日のこと全然知らない小児科に行き、
おたふく風邪の予防注射を打って下さいっ!!といきなり頼み込んだ。
成人に打ったことはあんまりないんだけど・・・・、
と困惑する先生に強引に頼んで、勿論全額私費で、私はそれを受けた。
受けた甲斐があったかどうかは、今もって確かめようがない。
ただ、私がもしいつかオタフクで倒れたら、
そのときこそ、注射代が完全な無駄銭だったと判明するだけだ。
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