転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



お正月気分が抜けて、市街地では早速、
「節分の巻寿司 ご予約受付中!」
などという広告を見かけるようになった。
恵方を向いて、家族揃って巻寿司を「丸かぶり」するとかいう、
最近ならほぼ全国どこででも知られているアレだ。

これが「関西の奇習」などと書いてあるのを読むと心外なのだが、
神戸生まれの私は、子供の頃から、
ただの一度もあんなのをしたことがなかったし、
友達の間で話題になったこともなかった。
東京に住んでいたときも、友人でそんな習慣のある人はいなかったし、
大家のおばちゃんだって、全然、話題にもしていなかった。
広島に来てからも勿論、1900年生まれの祖母さえ、
「丸かぶり」の「まる」の字も言い出さなかった。

私がここで言いたいのは、習慣の内容そのものがどうとかではなく、
つまり私は、あのような行為は、全然、知らなかったということだ。
私が初めて節分丸かぶり寿司について知ったのは、1993年、
新井理恵の金字塔的ギャグマンガ『×(ペケ)』を読んだときだった。

確か、その回では、母親が丸かぶりを知らなかった、とかいう理由で、
高校生の娘がつんつん怒って、ぴしゃりとドアを閉めて出て行き、
父親が『難しい年頃だからな・・・』などという展開があったのだ
(この娘の名前が、確か、「貴子」(爆))。

私はまさか本当にこんな習慣が世の中にあるとは思ってもいなかったので、
家族で恵方を向いて巻寿司にかぶりつく、という絵ヅラを想像して、
『新井理恵ってホントに天才だ!どうしてこんなの思いついたのか!』
と、そのあまりの滑稽さに笑い転げてしまったものだった。
が、あとで、漫画の世界限定の独創ではなくて、
実際にやるものだと知って、今度は恐れ入ってしまった。
簡単に笑い飛ばす前に、なんでも一応は調べてみないとな(^^ゞ。

さて、そういうことで、改めて調べてみたら、
意外なことに、もとは愛知のほうで始まった習慣らしいとわかった。

節分の由来

ごく一部地域の習慣に過ぎなかったこれに目を付けた、
大阪の海苔業界の人が、昭和30年代に海苔販売拡大の目的で、
道頓堀でイベントとして大々的に「節分寿司の丸かぶり」を行い、
それが全国に紹介されて、徐々に広まったものだということだ。

なるほど~・・・。
バレンタインでも土用のウナギでも根拠なんかどうでもいいように、
要するに節分寿司も面白いからOKってことで市民権を得たのね(^^ゞ。

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