その一瞬に、切り裂かれた。
理沙は、短く言った。
俺はふと我に返ると、その手を止めた。
理沙の下半身の辺りにあった自分の顔を持ち上げ、改めて彼女の表情を見た。
理沙は、優しい顔をしていた。
悪戯を制する母親の優しさではない。それは、信じる顔だった。
俺は、理沙に魅かれていた。
ベッドに仰向けに横たわる理沙を、俺は無言のまま見つめ、鼻がぶつかる手前くらいに近づいた。
唇は、つけなかった。
なんて綺麗なんだろう。それまでの女性に対する自分を忘れるくらい、穏やかな気分が溢れてきた。
これは、本物かもしれない。
俺が、全力でぶつかるべき相手かもしれない。
沈黙を遮り、俺の口が動いた。
「やめよう」
俺は近付けていた顔を外し、理沙から少し離れて隣に寝転がった。
そしてズボンを履き、ベルトを閉めた。
仰向けで天井を眺める。
「え、いいの?」
理沙は、風俗嬢だった。
客の男を満足させるのが、彼女の仕事だった。
「ああ、そんな気がなくなった」
彼女は困惑したようだった。
俺は、ベッドから身体を起こすと、彼女の方を向いて言った。
「俺、君に本気になりそうだ」
これには彼女はあまり驚かなかった。本気にされていなかったのだろうか。
「まずは、友達になってくれ」
8も年の離れた女の子に、俺は願うように言った。
彼女はその願いを聞き入れた。
メールアドレスと、名前を教えてくれた。
彼女の名前は、水樹。
続く。
理沙は、短く言った。
俺はふと我に返ると、その手を止めた。
理沙の下半身の辺りにあった自分の顔を持ち上げ、改めて彼女の表情を見た。
理沙は、優しい顔をしていた。
悪戯を制する母親の優しさではない。それは、信じる顔だった。
俺は、理沙に魅かれていた。
ベッドに仰向けに横たわる理沙を、俺は無言のまま見つめ、鼻がぶつかる手前くらいに近づいた。
唇は、つけなかった。
なんて綺麗なんだろう。それまでの女性に対する自分を忘れるくらい、穏やかな気分が溢れてきた。
これは、本物かもしれない。
俺が、全力でぶつかるべき相手かもしれない。
沈黙を遮り、俺の口が動いた。
「やめよう」
俺は近付けていた顔を外し、理沙から少し離れて隣に寝転がった。
そしてズボンを履き、ベルトを閉めた。
仰向けで天井を眺める。
「え、いいの?」
理沙は、風俗嬢だった。
客の男を満足させるのが、彼女の仕事だった。
「ああ、そんな気がなくなった」
彼女は困惑したようだった。
俺は、ベッドから身体を起こすと、彼女の方を向いて言った。
「俺、君に本気になりそうだ」
これには彼女はあまり驚かなかった。本気にされていなかったのだろうか。
「まずは、友達になってくれ」
8も年の離れた女の子に、俺は願うように言った。
彼女はその願いを聞き入れた。
メールアドレスと、名前を教えてくれた。
彼女の名前は、水樹。
続く。