10月31日に投開票が行われた衆議院選挙。今回、大阪では19ある選挙区のうち、「日本維新の会」は15の区で候補者を擁立し、午後10時時点で少なくとも13の選挙区で当確が出ている。
前回は3議席、今回は少なくともプラス10議席の大躍進の要因を橋下徹氏に聞いた。

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宮根誠司:
橋下さんは特に大阪での維新の大躍進の要因が何だと思われますか?

橋下徹氏:
まず、これはもう吉村さんの府政、松井さんの市政が評価されているということです。
それから、吉村さんはいろんな批判を受けながらも、積極的にメディアに出てリスクコミュニケーションを取りましたから。だから、僕は枝野さんの「維新は国会では与党の補完勢力だ」って言い放つあの姿勢は、僕は野党で政権を取るっていうのはちょっと違うと思う。

維新がどうのこうのじゃなくて、有権者がこうやって評価しているわけですから。
あの辻元さんですら、その維新の政治手法を全否定はしない。やはり都心部において、こういう考え方が周囲にウケるってことは、枝野さんは、十分踏まえた上で野党の方向性を考えなきゃいけないと思いますよ

「吉村さんはあと20年ぐらい知事やって」

宮根誠司:
咲楽ちゃんもいろいろ見てたと思うんですが、今回コロナ禍でこれだけ知事の顔が全国に流れたっていうことないと思う。その象徴が吉村さんで、大阪以外でも吉村さんは全国区になりましたよね。そういうイメージもあるんじゃないかな

井上咲楽氏:
吉村さんは顔のイメージが強くて、友達にも吉村さんが話していると聞いちゃうなっていう人もいますよ。橋下さんに聞きたいのが、維新は全国的に今回立ててるじゃないですか、一人一人見ていくと正直「なんでこの人を公認したの?」って思っちゃうことがあるんです。それはどう考えてますか?

橋下徹氏:
まさに永田町の論理なんです。維新の国会議員は、とにかく候補者を立てて比例票を稼ごうと思って次々と立てるんだけど、それを有権者が見て「え、これ維新の候補?」ってマイナスになったのも多いわけです。

なぜ、維新がこうやって評価されてるかというと、やっぱり維新は行政権を持って、大阪府政・大阪市政と現実にやってるんですよ。口ばかりじゃなくて。それについての評価を受けてる。それが全国他のところで実績もないところで、次々と候補者を立てて、何か以前問題が起きた人を立てるとか、マイナスだと思う。これが永田町の論理

宮根誠司:
大阪は、行政の長を占めているから大きいということですね

橋下徹氏:
現実に大阪維新という維新の政治を現に体感してもらってるから

宮根誠司:
あと、有権者がわからないのは、維新は安倍さん、菅さんは良くて、岸田さんはダメだって言っている。これわからない

橋下徹氏:
ダメだというよりも、これ政治ですから。選挙なので、岸田さんとの違いをしっかり打ち立てるために「改革っていうところを明確に出さない岸田さんと我々は違いますよ」と

宮根誠司:
では、岸田さんが改革って言ったら維新も乗ってくるってこと?

橋下徹氏:
乗るかどうかは別ですけど、永田町でこれから公明党と維新と自民党の関係の中で、政策ごとにいろいろな駆け引きがあるんじゃないですか

宮根誠司:
古市さん、吉村さんがもし大阪府知事を辞めたら、橋下さんのコメンテーターの仕事がなくなるよ

古市憲寿氏:
2人とも人気で、本当に3人揃うと漫才師みたい。すごい息が合っているんですよね

橋下徹氏:
これも確実です。だから、吉村さんはあと20年ぐらい知事やってくれと、僕と松井さんが言っているんですよ。吉村さんがいたら僕はすぐ追い出されます

 
府民に実績をアピールをして国政に勝った

宮根誠司:
反町さん、維新がここまで大躍進したらどうなります?

反町理キャスター:
維新のビジネスモデルっていうのがあって、自治体の首長をやってそこでやった実績で府民にアピールをして、そこで国政でも勝つというモデルがあるんだから、それは南関東とか東京では比例を立てるんじゃなくて、まず自治体の首長を取りに行くべきなどないですよ

橋下徹氏:
そうなんですよ。それを言っているんですよ。それを国会議員がやらないんですよ。
日本維新の会の国会議員が、本当に自治体の首長を取って、実績を示して取るっていうのは維新だけじゃなくて、本当は野党がやらなきゃいけないんですよ。

東京の人は、「維新って何?」ってわからないと思うんですよ。それは体感してないから。
だから、別に維新じゃなくても、立憲民主でも、国民民主でも、自治体の首長をまずしっかり取って、そこで自分たちの考えてる政策を体感してもらう。今国会議員は口ばかりの野党ですから

(「Live選挙サンデー」10月31日放送分より)