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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

自民党勉強会は安倍総裁親衛隊「首相が仕事をしやすいように、邪魔者が出てきたら排除するのが役割だ」

2015年06月27日 | #安倍晋三が諸悪の根源

 

 

 なんだか、やけに安倍首相がかばってるなあと思ったら、自民党勉強会は安倍首相の応援団どころか親衛隊だったようです。

 2015年6月25日に百田尚樹氏を講師に招いて第一回の勉強会を開き、マスコミを懲らしめるとか、邪魔な沖縄の新聞社は2つともつぶさなあかん、などと講師と議員が暴言を吐きまくった「文化芸術懇話会」。

百田・自民党勉強会全記録「商売のため基地周辺を選んで住んだ」「沖縄県民の方が米兵より強姦率が高い」

 以下、全部、安倍総理広報誌に近い産経新聞の情報ですから、ある意味確かだと思うのですが、この懇話会はリベラル色の強い若手議員が先ごろ作った勉強会「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」に対抗してできたものなのだそうです。

 こちらの勉強会は岸田外相に近い議員を中心に、安倍首相に批判的な岸田派名誉顧問の古賀誠元幹事長が肝煎りで作ったものなのだとか。

 そこで、安倍首相にごく近い若手議員らが、9月の総裁選に向けてこの懇話会を立ち上げたのですが、その際

 関係者は首相の支援組織であることを認め、「首相が仕事をしやすいように、邪魔者が出てきたら排除するのが役割だ」と強調。参加予定者の1人は「リベラル系中心の分厚い保守政治の会を意識し、首相に近い考えの保守思想を束ねる目的もある」

と話していたということです。

(2015年5月23日付け「首相に近い「保守勉強会」設立へ リベラル系勉強会に対抗」)

 今回、小林よしのり氏を呼んで同日に行われるはずだったリベラル派の勉強会は見事に「邪魔者」として中止させられ、安倍親衛隊の勉強会だけが行なわれました。

 しかし、結果から見て、リベラル派の勉強会をやって、講師の小林氏がいくら安倍政権の批判をしたとしても、今回の安倍親衛隊の勉強会がもたらした損害に比べればその影響は軽微の一言で済んだでしょう。

 あの日に起こったことは、安倍政権の専制的な体質にほころびが出て、やることなすこと裏目裏目に出始めた象徴的な出来事だったと言えるでしょう。

 

 

 そこで、産経新聞のこの記事の中に出てくる

「首相が仕事をしやすいように、邪魔者が出てきたら排除するのが役割だ」

という過激な言葉に、後に同じ産経新聞の船津寛政治部次長がこんなことを書いています。

 『そこで驚いたのは「首相が仕事しやすいように、邪魔者が出てきたら排除するのが役割だ」というコメントだ。「邪魔者」とか「排除」とか、なかなか刺激的な言葉が並ぶが、オフレコ発言なので記事では「関係者」のそれとしか記していない。

 「産経ニュース」をごらんの方だけに少し解説すると、「関係者」としたのは自民党の若手議員で、自他ともに認める「安倍晋三首相(自民党総裁)の応援団」。この議員は、首相が目指す憲法改正などの実現のためなら自分たちが「汚れ役」を買って出るとした上で、そのためには「邪魔者」は「排除する」と主張しているのだ。

同年6月2日付け「邪魔者は排除する!」と安倍首相応援団 これでは贔屓の引き倒しではないか?

 今回の勉強会事件でも安倍首相や勉強会の中身について一切批判しようとしない産経新聞でさえ、このように事前にこれはやばいと思ったようです。そして、自分のコラムの最後にこう書いています。

 かつて、青木氏はこんな言葉を残している。「女性は産む機械? そんなこと頭で考えただけでもだめだわね」。第1次安倍政権時代、柳沢伯夫厚生労働相の失言に対して漏らした感想と伝わる。

 柳沢氏の失言は自民党島根県連での堂々のオンレコ発言なのだが、青木氏が言いたかったのは、オンレコの失言だけでなく、政治家が頭で考えたことは、いずれオフレコ発言となり、思わぬ落とし穴にはまるという戒めだろう。

 政治の世界は、かくも厳しいということか。無風とされる今回の自民党総裁選も、政治家の言葉次第で何が起こるか分からないと肝に銘じたい。

 ところが、9月の総裁選どころか、勉強会の一回目で躓いて、邪魔者を排除するどころか、自分が一番の邪魔物になってしまいました(笑)。

 それにしても、これ、新聞記事と言うより、自民党若手議員への指南書ですよね。

 新聞なら、「邪魔者を排除する」という発想自体を批判するはずのところが、応援団気取りで元気がいいのはいいが、問題起こして大将の足を引っ張るなよという、安倍首相側用人の言葉としか思えず、菅官房長官が書いているかのようです。

 こんなの、新聞じゃない。

 

 

 

 さて、安倍首相は6月26日に衆院平和安全法制特別委員会ででこの問題を追及されると、百田氏の発言はそもそも

「外に出すことを前提にしていない発言だった」

とした上で、

「これは党の中の私的な勉強会であって、いろんな自由闊達な議論があります。」

と答え、遺憾とは言いますが、絶対に謝ろうとしませんでした。自分が言ったんじゃないもんとか言っちゃって。お子ちゃまか!

 これはまさに産経新聞が危惧した、オフレコ発言が明るみに出たことへの狼狽が、外に出すことを前提にしていないだとか、私的な勉強会だとかいう、プラーベート性の強調になるのですね。

 しかし、この発想がそもそもおかしいでしょう?行なわれた議論の中身が問題なのですから。

 もちろん、邪魔な新聞社を潰すなんて発言をおおっぴらにしていいわけがありませんが、そういうことを与党内で考えて相談していること自体が問題なのであって、内輪向けの会議だから何を話してもいいという安倍首相のセンスがずれまくっています。

 また、最初から私が問題にしてきた安倍首相の

「報道が事実なら大変遺憾だ。(勉強会は)党の正式会合ではない。有志の会合だ。発言がどのように報道されたかは確認する必要がある」

という答弁も、オフレコで言ったことが外部に漏れたことが許せない、誰が漏らしたのか、また報道機関が不正に情報を入手してないか調べ上げてやる、という気持ちがそのまま出てしまったものだということが、なおさらよくわかります。

百田尚樹・自民党勉強会事件「経団連使って広告料収入締め上げて沖縄の2紙を潰せ」+安倍首相恐怖の発言

 

 

 自民党は、この邪魔者になった勉強会は解散させ、勉強会を作った木原稔青年局長を局長から更迭・解任することで事態の幕引きを図ろうとすると思われます。

 しかし、この組織は安倍親衛隊だからこそ、安倍首相の邪魔になるマスコミは懲らしめ、沖縄の新聞社は2社とも潰して排除してしまえ、という話し合いになったのです。

 問題の根源は安倍首相そのものにあります。クサい臭いは元から立たなきゃダメというか、腐った臭いに寄ってきたハエより腐った生ごみそのものの方が問題だというか。

 異論を許さず、なびかぬ他者を排除する安倍専制政治の在り方がいま問われているのです。

 その肝心の安倍首相が全く反省せず、謝罪もしないのですから、幕引きなど許されるわけがないと考えます。

総統閣下が、安全保障法制審議についてお怒りのようです。

 

こちら、うちの総統より相当賢い総統です。

 

 

腐ったミカンの方程式。箱まで腐ってるし。

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2015.5.23 06:00 産経新聞

首相に近い「保守勉強会」設立へ リベラル系勉強会に対抗

 自民党の木原稔青年局長ら安倍晋三首相に近い若手議員が、月内にも保守政治のあり方を問う勉強会を設立することが22日、分かった。党内ではリベラル色の強い若手議員が勉強会「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」を立ち上げたばかり。分厚い保守政治の会は首相に批判的な古賀誠元幹事長の影響力が大きいとされており、新勉強会の設立には9月の総裁選を前に対抗する狙いがありそうだ。

 新勉強会は日本の外交政策や歴史認識を学び、保守政治のあり方を検討するという。当選1~3回の国会議員が対象で、党青年局メンバーを中心に若手議員20~30人の参加を見込む。

 関係者は首相の支援組織であることを認め、「首相が仕事をしやすいように、邪魔者が出てきたら排除するのが役割だ」と強調。参加予定者の1人は「リベラル系中心の分厚い保守政治の会を意識し、首相に近い考えの保守思想を束ねる目的もある」と打ち明ける。

 新勉強会が強いライバル心を燃やすのは、古賀氏が総裁選に向けて首相の対抗馬を模索しているからだ。分厚い保守政治の会の3人の代表世話人のうち2人は古賀氏が名誉会長の岸田派所属で、参加者の1人は「『保守本流』を自負する古賀氏の影響力が大きい」と打ち明ける。

 最近、古賀氏は周囲に「次期総裁選は無投票ではいけない」と話し、首相への批判を強めている。22日のTBS番組の収録では安全保障関連法案について「小さな穴でも一つ開けると瞬く間に広がる」と述べ、首相が訴える「集団的自衛権の限定容認」に正面から異を唱えた。このため、首相周辺は分厚い保守政治の会を、古賀氏が「次期総裁選を仕掛けるための足場固めに使うのでないか」と指摘する。

 9月の総裁選に関しては現段階では、首相の再選が確実視されている。谷垣禎一幹事長や二階俊博総務会長は、無投票再選が望ましいとする考えを表明。前回、首相と激戦を演じた石破茂地方創生担当相は今回、不出馬の公算だ。古賀氏に近い岸田文雄外相も出馬しないとみられている。

 そんな中、古賀氏が総裁選の「候補者の1人」と周辺に打ち明けているというのが、出馬に意欲を示している野田聖子前総務会長。古賀氏が野田氏の支援に回れば無風と思われていた総裁選の様相が一変することから、2つの勉強会を軸に今後、さや当てが激しくなりそうだ。

 

 

2015.6.2 11:00 産経新聞

【政治デスクノート】
「邪魔者は排除する!」と安倍首相応援団 これでは贔屓の引き倒しではないか?

 日ごろ、現場の記者たちから上がってくる原稿を見ていると、さまざまな政治家の言葉に触れることになる。もう、たいていの物言いには驚かないようになったが、この発言には久しぶりにわが目を疑った。

 5月23日付の産経新聞政治面に掲載した自民党総裁選をめぐる長めの原稿の中に、その発言はあった。記事では、自民党若手が新たな勉強会を設立することを紹介し、この勉強会の背景には9月に予定される総裁選への思惑があるということを伝えた。

 そこで驚いたのは「首相が仕事しやすいように、邪魔者が出てきたら排除するのが役割だ」というコメントだ。「邪魔者」とか「排除」とか、なかなか刺激的な言葉が並ぶが、オフレコ発言なので記事では「関係者」のそれとしか記していない。

 「産経ニュース」をごらんの方だけに少し解説すると、「関係者」としたのは自民党の若手議員で、自他ともに認める「安倍晋三首相(自民党総裁)の応援団」。この議員は、首相が目指す憲法改正などの実現のためなら自分たちが「汚れ役」を買って出るとした上で、そのためには「邪魔者」は「排除する」と主張しているのだ。

 もちろん、オフレコ発言特有の「大胆発言」なのだろうが、オフレコには「本音」がにじむ。この議員は、総裁選で安倍首相が無投票で再選されることを望んでいるという。「邪魔者」というのは、総裁選における首相の対抗馬という意味に聞こえてしまうのは穿(うが)ちすぎだろうか。

邪魔者は野田氏?

 ここで、9月の総裁選の行方を占ってみたい。とは言ったものの、情勢は占うまでもなく、首相の再選はまず動かない。

 一応、対抗馬となりうる人物を思いつくままに挙げてみると、石破茂地方創生担当相、谷垣禎一幹事長らとなるが、いずれも不出馬あるいは首相支持を表明している。今、首相に唯一もの申すことができる大物議員と目される二階俊博総務会長も「他に出たい人がいたら拒まないが、いたずらに騒ぎを起こして、面白がったというだけでは済まない」と発言しており、基本的には無投票路線。そんな中、首相の対抗馬になり得るとみられているのが野田聖子元総務会長だ。

 先に紹介した記事は、新たな若手議員の勉強会の説設立には、別の勉強会である「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」に対抗する狙いがある―というのが主眼だった。2つの勉強会の参加者は、ともに総裁選をにらんだ動きであることを否定しているが、前者は首相の再選、後者は野田氏を念頭に置いた対立候補の擁立を目指しているのは明らかだ。

「参院のドン」のクサイ演出

 さて、ここで問題としたいのは、誰が総裁選の勝者となるのかではない。現下の政治情勢や、自民党の党内情勢を踏まえれば、首相の交代は現実的ではないし、対抗馬の擁立を模索する勢力も、そんなことは考えていないだろう。

 ある自民党重鎮は「今回の総裁選で頭に入れておかなければならないのは、来年の参院選への影響だ。もし無投票なんてことになったら、自民党は民主党と同じで人材がいないのかということなる」と指摘する。

 実は、かつても似たような場面があった。

 平成20年9月、福田康夫首相が突如辞任し、自民党は総裁選を実施する必要に迫られた。後継は麻生太郎幹事長で衆目の一致するところだったが、「参院のドン」と恐れられていた青木幹雄参院議員会長らは、あえて与謝野馨経済財政担当相を擁立。結局、総裁選は史上最多の5人の争いとなった。

 当時は平成17年の「郵政解散」から3年余りが経過し、年内解散は待ったなしといわれた時期。麻生氏絶対有利の状況下での与謝野氏の出馬は「次期衆院選をにらみ、党内の人材の豊富さを印象づける狙い。青木氏ならではのクサイ演出」と言われた。

オフレコ発言の落とし穴

 つい話が横にそれたが、今回の総裁選は、安倍首相が再選されるかが重要なのではない。総裁選という絶好の機会に、自民党内の人材と政策議論を世間に広めるべきだ―というのが総裁選実施派の主張だ。

 そこに、首相応援団から「邪魔者は排除する」という言葉が出た。ある種のリップサービスだったのかもしれないが、総裁選を別の視点で見据えている勢力の受け止め方によっては、「贔(ひい)屓(き)の引き倒し」となりかねない。

 かつて、青木氏はこんな言葉を残している。「女性は産む機械? そんなこと頭で考えただけでもだめだわね」。第1次安倍政権時代、柳沢伯夫厚生労働相の失言に対して漏らした感想と伝わる。

 柳沢氏の失言は自民党島根県連での堂々のオンレコ発言なのだが、青木氏が言いたかったのは、オンレコの失言だけでなく、政治家が頭で考えたことは、いずれオフレコ発言となり、思わぬ落とし穴にはまるという戒めだろう。

 政治の世界は、かくも厳しいということか。無風とされる今回の自民党総裁選も、政治家の言葉次第で何が起こるか分からないと肝に銘じたい。(政治部次長 船津寛)

 

 

2015.6.26 21:30 産経新聞

【安保法制】
足を引っ張る安倍応援団 身内からも抗議の声 肩落とす木原氏ら

文化芸術懇話会で挨拶する百田尚樹氏=25日午後、東京都千代田区永田町の自民党本部(斎藤良雄撮影)


 「安倍政権の応援団が後ろから鉄砲を撃っている状態と言われても、仕方がない」。自民党の若手議員らが立ち上げた勉強会「文化芸術懇話会」の代表を務める木原稔衆院議員は26日、記者団にこう漏らして肩を落とした。

 懇話会初会合に講師として招いた作家の百田尚樹氏の発言などを野党が問題視し、この日は衆院平和安全法制特別委員会が紛糾。木原氏は、身内の自民党議員からも抗議を受けるはめになった。

 懇話会のメンバーには安倍晋三首相(党総裁)に近い議員も多く、9月の総裁選を前に無投票再選の機運を高める「首相の応援団」(若手議員)と位置づけられている。

 この日の特別委で、百田氏が沖縄県の地元紙について「沖縄の2つの新聞は潰さないといけない」と述べたことなどに関して、民主党の寺田学衆院議員らが首相を追及。木原氏は、佐藤勉国対委員長から「委員会に迷惑をかけたことを反省してほしい」と注意されたという。

 また、百田氏の「あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば、目を覚ますはずだ」といった発言も波紋を呼んだ。沖縄県宜野湾市などを地盤とする宮崎政久衆院議員は26日、「沖縄県民の生命や暮らしを軽視し、到底看過できない」として木原氏に文書で抗議した。

 

 

2015年6月26日 18時36分 琉球朝日放送

百田氏沖縄の新聞つぶしてしまえ発言で自民謝罪

15-06-26-04
 

「沖縄の新聞2紙はつぶさないといけない。」「マスコミを懲らしめるには広告収入をなくせばいい」これは6月25日に行われた安倍総理大臣に近い自民党の若手議員が立ち上げた勉強会で、映画「永遠のゼロ」で知られる作家の百田尚樹氏が発言したものです。

この一連の発言について26日、自民党側が陳謝しました。この問題は、安全保障関連法案への理解が広がらない現状をめぐり、25日、自民党の若手議員が開いた勉強会で出席議員からメディア批判が相次いだものです。

この中で、沖縄の地元新聞社2社が政府に批判的だという意見に対し、勉強会の講師を務めた作家の百田尚樹氏が、「沖縄の2つの新聞をつぶさないといけない」と発言。また普天間基地の騒音問題について「うるさいのはわかるが、そこを選んで住んだのは誰だと言いたい」とし、騒音の中、生活するのは基地の近くに住む住民の自己責任だとしました。

他にも複数の議員から「マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番だ」などの意見が出たということです。この発言は26日の国会でも取り上げられ、自民党側が発言を認め、遺憾の意を示しました。

また、安倍総理大臣は、百田氏の発言は、そもそも「外に出すことを前提にしていない発言だった」とした上で、衆院平和安全法制特別委員会で安倍総理は「これは党の中の私的な勉強会であって、いろんな自由闊達な議論があります。」と答えました。

百田発言に街の人は・・・ある女性は「偏見ですよね。言論の自由とか、文章を書く自由、もっと広い心で認めてほしいですよね。」と答え、また、ある男性は「そういう(考えの)人たちが日本にも多数とは思わないですけども、いるのだなというのを感じますね。」と答えました。

一方、今回の発言でやり玉にあがった沖縄タイムスの武富和彦編集局長は「言うことを聞かない沖縄、意のままにならない沖縄県、沖縄県民、沖縄のマスコミに対するいらだちの表れだというふうに受け止めています。」「まったく基地の成り立ちを知らない、沖縄の歴史を知らない、県民の苦悩を顧みようとしない、許せない姿勢ですね。」と答えました。

 

 

自民勉強会発言 異論抑え込み、正しさだけ叫ぶ党の空気

西山公隆

2015年6月27日09時05分 朝日新聞

 

 安倍晋三首相に近い自民党議員による勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔・党青年局長)で、参加議員や講師として招かれた作家の百田尚樹氏から沖縄をおとしめたり、報道機関を威圧したりするような発言が出ていたことが分かった。与野党双方から批判が上がり、首相は国会で「事実であれば大変遺憾だ」と答弁。ただ、野党から求められた自民党総裁としての謝罪には応じなかった。

 一連の発言の舞台になった「勉強会」は、単なる一政党の私的な会合で講師と国会議員が自由に意見交換したもの、と見逃すことはできない。

 勉強会は自民党本部で開かれ、安倍首相を支持する議員や加藤勝信官房副長官や萩生田光一・総裁特別補佐ら首相側近も出席。講師は首相と共著を出すなど思想的に共鳴し、首相官邸がNHK経営委員に推した百田尚樹氏だった。

 主催議員の一人は朝日新聞の取材に「安倍さんのやっていることが正しいと発信してもらう。安倍さんを応援する会だ」と明言。実際、百田氏の発言に笑い声は起きたが、たしなめる声は出なかった。百田氏が何を言うかは自由だが、政権を担う国会議員がそれを容認したと受け取られても仕方がない。

 一方、党内では勉強会と同じ25日、安全保障関連法案に反対する識者を招いたリベラル系議員の勉強会も予定されていたが、党執行部の働きかけもあり、中止になった。

 昨年の衆院選の際、自民党がテレビ各局に「公平中立」を求める文書を出したり、4月にはテレビ局幹部を党本部で事情聴取したりしたこともあった。また、今国会では首相自らが審議の場で野党議員にヤジを飛ばすなど、自民党内では、異論を抑え込む一方で自らの正しさだけを声高に叫ぶような空気が強まっているように感じる。勉強会での数々の発言には、こうした党の現状が示されている。

 政権党には、異論があっても謙虚に聞き、説得によってできるだけ多くの人々の合意を形成していく姿勢が求められるはずだ。

 普天間移設をめぐり真剣に向き合うべき「沖縄」をおとしめ、言論の自由を揺るがすかのようにメディアの「懲らしめ方」を議論する――首相はこうした党の現実をどう考えるのか。

 そこにあるのは「政権」という重い権力を担う自覚に欠けた、自民党の姿だ。(西山公隆)

■沖縄2紙が共同抗議

 沖縄タイムスと琉球新報は26日、武富和彦、潮平芳和両編集局長名で「百田氏発言をめぐる共同抗議声明」を発表した。

 声明では「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」という発言について「政権の意に沿わない報道は許さないという“言論弾圧”の発想そのもの」と批判。米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)と周辺住民にかかわる見解には「沖縄の基地問題をめぐる最たる誤解が自民党内で振りまかれた」として訂正を求める考えを示した。

 さらに「批判的だからつぶすべきだ―という短絡的な発想は極めて危険であり、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないものだ」と指摘し、「今後も言論の自由表現の自由を弾圧するかのような動きには断固として反対する」と表明した。

■他のメディアも抗議声明

 自民党の勉強会での発言を受け、日本新聞労働組合連合(新聞労連)や日本民間放送労働組合連合会(民放労連)は26日、抗議声明を相次いで出した。

 新聞労連は「新聞メディアへの弾圧であり、報道の自由への侵害だ」と指摘。出席議員から政権に批判的な報道機関の規制を求める声が上がったことについて、「憲法軽視も甚だしく、立憲主義国家の国会議員としての識見が問われかねない」と批判した。

 民放労連も「このところ自民党の議員はテレビ局に政治的圧力を頻繁にかけ続けている」として、各放送局に対して「萎縮せずに市民の立場から批判すべきは批判するジャーナリズム精神をさらに発揮するよう求める」と呼びかけた。

     ◇

 〈文化芸術懇話会〉 自民党の保守色の強い国会議員が立ち上げた勉強会。設立趣意書では「心を打つ『政策芸術』を立案し実行する知恵と力を習得する」と掲げる。安倍晋三首相の考えに近い保守系の文化人や芸術家を講師に招き、政権への支持を発信することで、幅広い層への支持拡大を目指す。

 

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8 コメント

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いつの時代どこの国? (リベラ・メ)
2015-06-27 14:14:23
一体いつの時代の話で、どこの国の話でしょう。時代は戦中?戦前?江戸時代?国は北朝鮮?それとも…。
Unknown (おばあ)
2015-06-27 20:37:57
美しい国ニッポン?
白痴集団が統治する日本。
日本人であることが恥ずかしい。
動画の字幕があまりに秀逸だったので怒りを通り越して笑いました。
反安倍の連中が一番情けない (名無し)
2015-06-27 21:22:36
日本人を「愚民だ~」「日本人であるのが恥ずかしい」とか自分達が何故票を取れなかったか支持されなかったかを考えもしないし反省もしない脳がない無能ばかり
日本国民をひたすら愚民だと侮辱するか相手の批判に走るだけ、後「日本人として恥ずかしい」とか言ってる奴は海外移住しろよ迷惑だからな侮辱するだけならそんな野党は必要ない

ひたすら愚民愚民言ってればええよ
これはもはやクーデターだ (護憲派)
2015-06-27 22:05:36
軍人たちが密室でクーデター計画を立てていたのが発覚したときに「オフレコだから」「内輪の話だから」ですませるのかということですよね。もはや彼らの言動はクーデターレベル。全員議員辞職するべきです。
権力持った者たちの驕り (洲蛇亜林)
2015-06-28 00:21:14
>邪魔者は排除する

何様のつもりなんでしょうかね?この人たちは。

国民から任期の間に限って一時的に権力を委託されて国民の税金を使って国家運営に携わることを許されているということを忘れているようですね。
民主主義国家においては国民が主人であり政治家は使用人に過ぎないんですが。

対話や説得といった言葉ではなくて権力を剥き出しにして反対者や異論を排除しようとは、保守政治家の劣化ここに極まるという感がします。
金日成や毛沢東やスターリンの行った粛清の際にも、こういう「邪魔者は排除する」と意気込んだ人たちが尖兵を務めたんでしょうね、きっと。
Unknown (12434)
2015-06-28 05:32:02
>名無し様

いや、共産党は去年の選挙で随分議席増やしましたよ。民主党だって政権とったときから、もっと自民党とは違う態度(反TPPとか)だったらより支持されたでしょうね。

まあ一番反安倍なのは、足を引っ張る身内の自民党議員ですが。こういう輩は一番総理に迷惑をかけている。後ろが撃たれて腸煮えくり返る思いでしょう総理は。まさに無能以下です。
まともな自民党支持者は、そういう無能以下の連中にとっとと辞職してもらいたいと思っているでしょうよ。
Unknown (kei)
2015-06-28 15:20:57
>自分達が何故票を取れなかったか

国民を白けされる投票率最低の選挙で、得票数を下げたのは自民も同じです。
対して共産党は増やしました。
何故そうなったのかを考えましょう。

>「日本人として恥ずかしい」とか言ってる奴は海外移住しろよ

海外に移住しても日本人であることに変わりは有りませんし、恥ずかしさも変わりません。異論に対して議論することをせず、排除することだけを主張するような内向きの引きこもり気質の人こそ海外に出て外交術を学んだ方が良いと思います。

また、日本国憲法を守りたくない気満々の政治家達も、守らせる気が無い国民も日本を出て行くことをお勧めしたいです。
Unknown (12434)
2015-06-28 17:20:30
去年の衆議院総選挙に限っていうなら、民主党もそこそこ議席取れたし、壊滅的になったのは次世代の党ぐらいですよね。
http://m.blogos.com/article/101309/

そう考えると最大の反安倍政党は、案外次世代の党といえるかもしれません。この政党とその立候補者および支持者は、いっちゃ悪いがロマンチスト過ぎる。自民党が公明党を切り捨てて自分たちを新しいパートナーにするなんて、そんな夢みたいなことがあるわけがない。

安倍総理にとっては傍迷惑この上ないでしょうし、壊滅して一番喜んでいるのは自民党かもしれませんよ。もし田母神氏が当選してたら、百田以上の大問題やらかしてた可能性も否定できませんし。
自民党に票を入れた有権者の多くは、弱者に優しい健全な保守を望むでしょう。百田がやらかすような下劣な狼藉は、完全に願い下げということです。
もっとも、自民党を健全な保守政党にするには、もう一度野党に転落させないと不可能でしょうけど。

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