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イスラエル軍がジェノサイドを繰り広げるパレスチナ自治区ガザに支援物資を届けるために向かっていた国際人権団体が運航する船が2025年6月9日、地中海でイスラエル軍に拿捕されました。
この船にはスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんや欧州議会の議員ら12人が乗っていました。
【グレタさん乗る“ガザ支援船”拿捕される】
— 報道ステーション+サタステ (@hst_tvasahi) June 9, 2025
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パレスチナ自治区ガザに支援物資を積んで向かっていたNGOの船が、イスラエル軍に拿捕されました
船には、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんらが乗っていました
▼船は今月1日にイタリアから出航… pic.twitter.com/XL998KapPQ
そもそも公海上でイスラエル軍がこの船を拿捕する権限はなく、この拿捕自体が違法だと思いますが、国際法なんて知ったこっちゃないイスラエルのカッツ国防相は同日、拘束した活動家らに対し、イスラム組織ハマスによる「虐殺の恐怖を伝える」動画を見せるよう指示したと明らかにしました。
さらに、トゥーンベリさんとは因縁があるトランプ米大統領は同日、トゥーンベリさんについて、
「彼女は変わった人物だ。若くて、怒りっぽい人物だ」
「彼女は怒りを制御することを学ぶクラスに行くべきだ。それが主要なアドバイスだ」
などと語ったのですが、若い以外は全部自分に当てはまっているのに気づかないのでしょうか。
怒りを制御することを学ぶべきは、カリフォルニア州に州知事の同意もなく州兵を投入し、それでも足りなくて海兵隊まで派兵したトランプ大統領の方です。
デモ隊の中には、パレスチナの伝統的なスカーフ「クフィーヤ」を着用した、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんの姿が見られた。https://t.co/TEgDozYSAP pic.twitter.com/dUzH32bChg
— ロイター (@ReutersJapan) May 13, 2024
このトランプ発言には背景がありまして、米誌タイムが2019年の「今年の人」にトゥーンベリさんを選ぶと、トランプ大統領は旧Twitterで
「とてもばかげている」
「怒りの制御に取り組み、友達と古き良き映画を見に行った方がいい。落ち着けグレタ、落ち着け!」
と揶揄したんです。
So ridiculous. Greta must work on her Anger Management problem, then go to a good old fashioned movie with a friend! Chill Greta, Chill! https://t.co/M8ZtS8okzE
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) December 12, 2019
これに対して、トゥーンベリさんはTwitterの自己紹介欄に
「怒りの制御に取り組む10代。現在は落ち着き、友達と古き良き映画を見ている」
と記して更新し、さらに2020年にトランプ氏が敗れた米大統領選の開票作業中にトランプ氏がTwitterで
「集計を止めろ」
と主張した時にはすかさず
「とてもばかげている。ドナルドは怒りの制御に取り組み、友達と古き良き映画を見に行った方がいい。落ち着けドナルド、落ち着け!」
と同じ言い回しで投稿してやり返したんです(笑)。
トランプ氏は当時10代の少女に自分が言われてムカついた言葉を、自分の盟友ネタニヤフ首相が5年後にトゥーンベリさんらを身柄拘束したということで言い返したわけなんですが、ドナルドの間抜けさと執念深さが際立つだけで、何の工夫もありません。
トランプ大統領は、米誌タイムが2019年の「今年の人」にスウェーデンの環境活動家グレタさんを選出したことを批判し「落ち着け!」と呼び掛け、映画でも見に行けばいいと皮肉った。トゥンベリさんはツイッターで「アンガーマネジメントの問題に取り組み、友達と古き良き映画を鑑賞中」とした。AFP pic.twitter.com/g7UBdyXP1P
— mathe (@pwBZexwiEXlbshF) December 20, 2019
グレタ・トゥ-ンベリさん「パレスチナでのジェノサイドが、バイデン・ハリス政権の下で米国の資金と共謀によって起きている」。しかし「トランプ氏が、もう一人の候補者よりもはるかに危険であることは間違いない」
さて、私がこの事件で思い出したのは、地に落ちていた石破政権と自民党の支持率を備蓄米放出でアップさせた小泉進次郎農水相のお父さんである小泉純一郎氏のことです。
2003年、アメリカのブッシュ大統領はイラクのフセイン大統領が大量破壊兵器を隠し持っていると主張してイラクに侵攻しましたが、当時からブッシュのポチと呼ばれていた日本の小泉純一郎首相は開戦後すぐにアメリカ支持を公式表明しました。
イラク戦争開戦から20年。イラクの「大量破壊兵器」保有を大義名分に始められたイラク戦争は戦争を始める口実など嘘に決まっており、どんな戦争も決して良い結果にはならないことを教えてくれる。
さらにその後、日本政府はイラク復興支援のため自衛隊を派兵しましたが、これは憲法9条に反するという判決がのちに名古屋高裁で出され確定しています。
そんな中、2004年4月にイラクで高遠菜穂子さんら日本人3人(民間人ボランティアやジャーナリスト)が武装勢力に誘拐されました。
当時イラクは極めて治安が悪く日本政府は渡航自粛勧告を出していましたが、3人はそれを無視してむしろ米軍のイラク攻撃に抗議するために現地入りしていました。
そして、彼らを誘拐した武装勢力は「自衛隊の撤退」を要求し、応じなければ人質を処刑すると声明したのですが、小泉首相はこの要求を拒否し、最終的に3人は現地の仲介で解放されました。
この時に拉致被害者である日本人3人に
「(三人は)無謀ではないか。一般的に危ないと言われている所にあえて行くのは自分自身の責任の部分が多い」
と初めて自己責任という言葉を使ったのは、小泉首相、ではなくて、実は現東京都知事の小池百合子環境相(当時)だったんです。
小池百合子都知事が出馬表明。自民党のネット監視創始者、日本会議国会議員懇談会の副会長、核武装論者、関東大震災での朝鮮人虐殺否定、幸福実現党と選挙協力。こんな極右政治家を首都の知事に再びしてはダメだ。
その後解放された高遠さんが、
「イラク人を嫌いになれない」
と述べてイラクでのボランティア活動は今後も続けると話したところ、今度こそは小泉首相は、
「いかに善意でもこれだけの目に遭って、これだけ多くの政府の人が救出に努力してくれたのに、なおそういうことを言うのか。自覚を持っていただきたい」
と批判したんです。
ところがその後、イラク戦争の大義名分であった大量破壊兵器がイラクになかったと分かっても、小泉首相によるイラク派兵が違憲だという判決が出ても、小泉首相は全く責任を取ろうとしませんでした。
後にジャーナリストの安田純平さんが拉致されたときの安倍首相もそうでしたが、自分たちの責任を免れるための無責任な日本政府関係者の便利な言葉、それが国民に押し付けられる「自己責任」論なのです。
道理なき戦争に反対するために体を張ったトゥンベリさんや高遠さんを非難する権利が誰にあるでしょうか。
イラク戦争開戦から10年 戦争は、破壊は、報復は、誰も幸せにしなかった
9・11同時多発テロから10年 アメリカ市民は犠牲者だが、アメリカは加害者だ
山本太郎議員のイラク戦争加担追及に安倍首相「大量破壊兵器がないと証明できないサダム・フセインが悪い」
関連記事
ワイドナショーで松本人志氏が安田純平氏をまだバッシング!「安田さんはジャーナリストなのかということで叩かれている」。
国民は税金によって自己責任を「前払い」している。さらにジャーナリストは命を市民に捧げているのだ。
祝 安田純平さん、身柄解放!!身代金を払ったのは日本政府ではなくてカタール!なんて残酷な安倍政権。
高須克弥院長が帰国する安田純平さんに「まず謝りなさい」!!再び問う。日本社会は犯罪被害者に「自己責任」を求めるのか!
参考記事
村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより
ジェノサイドを黙認しないグレタ・トゥンベリ氏たちの勇気をリスペクト。
週刊文春より
各紙は「自己責任」をどう報じたか? “2004年の安田さん”と“2018年の安田さん” 14年前の「安田さん解放」と読み比べてみると
編集後記
自己責任論の嘘 (ベスト新書)
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支援物資を届けようとパレスチナのガザ地区に船で向かっていたスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんらは、イスラエル側によって阻止され、船はイスラエル南部に入りました。イスラエル政府は、すぐに帰国させるとしています。

スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんは、人権団体と協力して食料や医薬品を載せた船に乗り込み、パレスチナのガザ地区に向かっていましたが、イスラエル側は9日、地中海で船の航行を阻止しました。
そして、イスラエル外務省は9日夜、この船がイスラエル南部のアシュドッド港に入ったとしたうえで、「船に乗っていた人々は現在、健康であることを確認するため、検査を受けている」と明らかにしました。
公開された画像には、イスラエルの国旗が立てられた港を背景に、船に乗ったグレタさんが写されています。
イスラエル外務省は「到着したらすぐに帰国させるための手続きが行われる」としています。
船を運航していた団体は、「すべてのボランティアが直ちに解放されることを求める」として、イスラエル側の対応を非難しています。
トランプ大統領「変わった人だ」

パレスチナのガザ地区に向かっていたグレタ・トゥーンベリさんについて、アメリカのトランプ大統領は9日、記者団に対して、「変わった人だ。若くて怒りっぽい人だ。彼女は怒りをコントロールする講習に通うべきだと思う。それが彼女へのいちばんのアドバイスだ」と述べました。
トランプ大統領とグレタさんは、環境問題をめぐる考え方の違いから対立していて、1期目の時にはSNSの応酬でも注目されていました。
トランプ米大統領は9日、パレスチナ自治区ガザ地区へ支援物資を運ぶ船に乗っていた環境活動家グレタ・トゥーンベリさんについて、「彼女は変わった人物だ。若くて、怒りっぽい人物だ」と述べた。さらに「彼女は怒りを制御することを学ぶクラスに行くべきだ。それが主要なアドバイスだ」などと語った。
トゥーンベリさんらが乗った船は9日にイスラエル軍に拿捕(だほ)された。トランプ氏はホワイトハウスで記者団から、トゥーンベリさんへのメッセージがあるかと尋ねられて答えた。
トランプ氏は1期目(2017~21年)も、気候変動対策を強化するよう世界の首脳に強く訴える10代として注目を浴びていたトゥーンベリさんと対立してきた。
米誌タイムが19年の「今年の人」にトゥーンベリさんを選ぶと、交流サイト(SNS)で「とてもばかげている」と批判し、「怒りの制御に取り組み、友達と古き良き映画を見に行った方がいい。落ち着けグレタ、落ち着け!」とやゆした。
これに対し、トゥーンベリさんはSNSの自己紹介欄に「怒りの制御に取り組む10代。現在は落ち着き、友達と古き良き映画を見ている」と記して更新。20年米大統領選の開票作業中にトランプ氏がSNSで「集計を止めろ」と主張した時は、「とてもばかげている。ドナルドは怒りの制御に取り組み、友達と古き良き映画を見に行った方がいい。落ち着けドナルド、落ち着け!」と同じ言い回しをSNSに投稿して、やり返した。【ワシントン西田進一郎】
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21世紀最大の虐殺王ネタニヤフを支持するタイラント・トランプ(T.Rump)、悪い意味で歴史に名を刻み続けています。
トランプ支持のねじれナチ、パレスティナ人迫害は行っても、ユダヤ人の応援には消極的なようですね。
シオニスト・イスラエルの長年にわたる抑圧・虐殺の問題…
上流で猛毒を流し続けてきた、アメリカの宗教シオニストと、福音派のキリスト教シオニストたちも・こそ戦争犯罪で裁かなければいけないです
There are clear laws on enforcing blockades – Israel’s interception of the Madleen raises serious questions (conversation 2025/06/10)
https://theconversation.com/there-are-clear-laws-on-enforcing-blockades-israels-interception-of-the-madleen-raises-serious-questions-258562
戦時における封鎖は認められますが、以下の5つの法的条件を満たす場合とされています。
(San Remo Manual on International Law Applicable to Armed Conflicts at Sea (1994))
1,正式に宣言され、公に通知されなければならない
2,実際に効果的に施行されなければならない
3,すべての船舶に公平に適用されなければならない
4,中立港や海岸線へのアクセスを遮断してはならない
5,民間人に対する人道援助の提供を停止してはならない。
イスラエルの拿捕が違法であるのは5で明白です。
さらに、国際人道法では紛争中の民間人を保護します。この保護は、敵対行為に直接参加しない限り、人道援助を提供する人々にも適用されます。
そしてジュネーブ条約第4条では、被拘束者は医療、弁護士、領事館員へのアクセスを与えられなければなりません。また、公正な法的手続きなしに処罰されてはなりません。
イスラエルはこうした規範を一切無視。2010年にもガザへの人道支援の6席の船団を襲撃。死者も出しました。
(Gaza flotilla raid の表題でwikipediaに掲載)
国連人権理事会の報告書によると、活動家の死亡は銃撃によるもので、「少なくとも6人の乗客の殺害状況は、超法規的で恣意的な即決処刑に合致する」ものであったとしています。
また、当時の米国大統領オバマはイスラエルに対し何も批判をしませんでした。
今回の拿捕がハマスの奇襲以降のものではなく、パレスチナおよび支援者への弾圧がイスラエルの国是となっていることをよく現しています。