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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

【悲報】米最高裁がトランプ大統領候補に憲法修正14条の「反乱者は公職につけない」という規定の適用を認めず、トランプ氏のアメリカ大統領選への出馬資格を認める。

2024年03月05日 | 米史上最低の大統領 ドナルド・トランプ

 

 

 イスラエル軍が食料を求めて押し寄せたパレスチナ市民に銃を乱射して100人以上が亡くなった事件と、イスラエル政府がハマスとの停戦交渉に代表団を送らなかったことについての記事を用意していたら、突然の悲報。

 ネタニヤフ首相がかつて「イスラエルの最高の友人」と呼んだドナルド・トランプ米大統領候補について、米連邦最高裁が2024年3月4日、11月の大統領選に向けた共和党候補を選ぶ西部コロラド州の予備選にトランプ前大統領の参加を認める判断を下した、というニュースが飛び込んできました。

ネタニヤフ首相「トランプ大統領はイスラエルにとって望みうる最良の友」。

 

 

 大統領選への参加資格を決める責任は連邦議会にあり、州にはないという判断で9人の判事が全会一致で判断したということで、トランプ氏が大統領の時に送り込んだ判事だけではなく、リベラル派の判事3人も同意ですから、これは仕方ありません。

 この判断はコロラド州だけでなく他州にも適用されるもので、すでに4州でトランプ氏に予備選立候補の資格を認めない判断が出ていたのですが、これは覆されますし、他州の予備選を巡る訴訟でも各州の裁判所は今回の連邦最高裁の判断に従うことになります。

 もともとのコロラド州の裁判では、州の有権者らが、2021年1月6日の議会襲撃事件にトランプ氏が関わったとして、合衆国憲法修正第14条3項の規定に基づき、トランプ氏の予備選出馬は違憲だと訴えていました。

 同14条3項は、憲法を支持する宣誓をした後に合衆国に対する暴動や反乱に関与した者は、国や州の官職に就くことができない旨を定めています。

【言い訳してみろ】トランプ大統領が「煽動」し、トランプ支持者が新大統領の就任手続を阻止しようと議会に乱入。4人死亡。これが日米のトンデモ右翼が守ろうとしたアメリカの民主主義なのか。

 

 

 これに対して、コロラド州最高裁の多数意見は

「トランプ前大統領は単に反乱を扇動しただけではない」

「議事堂の包囲が完全に進行している時でさえ、ペンス副大統領に憲法上の義務を遂行しないように要求し続け、上院議員に投票の集計を阻止する説得をするように呼びかけることで、包囲への支持を続けた。

 こうした行為は反乱への明白かつ自発的、直接の参加となる」

「前述の証拠はトランプ前大統領が反乱に関与したことを立証したと断定する」

「トランプ前大統領の数カ月にわたる直接かつ明白な取り組み、自身が不正と誤って位置づけるものを避けるために支持者に議事堂へ行進を強く勧める言動は、明白で、自発的であることは争いようがない」

とトランプ氏を「反乱者」だと断じ、2024年の予備選の投票用紙に載せることを禁じました。

 

 

 コロラド州最高裁の判断も憲法の2大原則の一つである自由主義を重んじ、修正憲法14条3項の規定を厳格に適用したもので、説得力はありました。

 しかし、連邦最高裁は予備選の候補者名簿への掲載も認めないのであれば、有権者がトランプ氏を選ぶ権利も失われるという憲法の民主主義の原則を重んじた形です。

 これももちろん筋は通る論理です。

 さて、コロラド州は多くの州が集中する今日5日のスーパーチューズデーに予備選を予定しているので、連邦最高裁はこれに間に合わせて混乱を避けた形で、誰が大統領になるかについてはあくまでも民意を重視しました。

 せっかくワシントンDCではトランプ氏の対抗馬のヘイリー氏が勝ってやっと1勝上げたのですが、これは今日のスーパーチューズデーではトランプ氏が全勝して、ヘイリー氏はとうとう出馬辞退を宣言することになるかもしれません。

 ほかに4件もの刑事事件で起訴されているトランプ氏が、アメリカのために世界のために、どれかの事件でストップがかかることを祈りますが、司法ではなく民主主義の力で彼を止めないと、トランプ阻止としては本物ではないのかもしれません。

起訴されればされるほど人気が高まるトランプ候補が、まして裁判に勝ったとなるとまた支持が増えるかと思うと頭が痛い。

【アベ友・ツボ友】FBIに家宅捜索されたトランプ前米大統領の邸宅から押収された政府文書が1万1000点以上!機密文書を贈答品や新聞の切り抜きと一緒に保管(呆)。トランプ氏の政府文書破壊は明らかだ。

 

トランプ氏がついに発狂。選挙演説で「大統領には免責特権を与えなければならない。トルーマンを見てみろ。広島、長崎。特権がなければ彼は原爆を投下しなかっただろう」と、自分にも免責特権を与えろと言い出す。

 

トランプ信者Qアノンが反ワクチン陰謀論から親露派陰謀論へ。そして東京大学の研究は反ワクチン陰謀論者が参政党支持になる傾向を指摘。一般に「熟慮性が低い」という陰謀論者にどう対処するか。

 

トランプ氏がアメリカ合衆国にとってだけではなく、世界最悪の災厄であることは間違いない。

ドナルド・トランプ大統領候補がロシアがNATO加盟国に攻撃してきても米国は支援せず、むしろ「好きに振る舞うようロシアをけしかけてやる」。プーチン大統領に戦争へのゴーサインを出すトランプ氏は最悪だ。

 
 

Ⅹでは#トランプ大勝利がトレンドになるほど、トランプ信者=反ワクチン陰謀論者=親露派陰謀論者が連邦最高裁での勝利判決で吹き上がっているのですが(-_-;)

トランプ氏の選挙不正の主張がすべて裁判所で認められなかったころには、全米の裁判官はことごとくディープステートの一員だと言っていたのと矛盾していることに気づかないのか。

トランプ氏自身よりその支持者に頭が痛くなります。

それにしても「もしトラ」=もしトランプが大統領に返り咲いたら、がまた一歩近づいてきたようで悪寒が走ります。

上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。

 

 

米連邦最高裁は、トランプ前大統領の大統領選への立候補資格を認める判断を示した/Joe Raedle/Getty Images

(CNN) 米連邦最高裁は4日、トランプ前大統領の名前をコロラド州の投票用紙に記載すべきだとの判断を示した。この訴訟ではトランプ氏が合衆国憲法修正第14条の「反乱者規定」に違反したかどうかを巡り、数カ月にわたり議論が続いていた。

最高裁の意見はトランプ氏にとって大きな勝利となる。この訴訟は現職のバイデン大統領に対するトランプ氏の選挙戦の悩みの種となると同時に、選挙戦を活気づける材料にもなっていたが、最高裁の判断で法的脅威が取り除かれた形だ。ただ、今回の判断はトランプ氏が直面する四つの刑事訴訟には影響しない。

最高裁は全会一致で、トランプ氏の名前を投票用紙から一方的に除外すべきではないとの判断を下した。

ただ、今回の判断がどの程度広範に適用されるかについては判事らの意見が割れた。過半数の5人は、いかなる州も連邦選挙の候補者を投票用紙から外すことはできないと指摘。一方、判事4人は最高裁の意見の適用範囲を限定すべきだとの見解を示した。

ジョン・ロバーツ最高裁長官、クラレンス・トーマス判事、サミュエル・アリート判事、ニール・ゴーサッチ判事、ブレット・カバノー判事の5人は、初めに連邦議会が法律を制定しない限り、州は大統領をはじめとする連邦公務員を投票用紙から除外することはできないとの見解を示した。

一方、残りの判事4人は判決の範囲について異なる見解を示した。

ソニア・ソトマイヨール判事、エレナ・ケーガン判事、ケタンジ・ブラウン・ジャクソン氏の3人は、多数派の判断は「連邦法執行に使われうる他の手段のドアを閉ざす」ものだと指摘。「重大かつ困難な問題について不必要な判断を下す意見に加わることはできない」と述べた。

エイミー・コニー・バレット判事は、今回の訴訟では「連邦立法府が(憲法修正14条の)第3項を執行する唯一の機関なのかという複雑な問題に言及する必要はない」との認識を示した。

修正第14条の規定を使ってトランプ氏の出馬を妨げようとする取り組みは長年、法的に見込みが薄いと思われてきたが、昨年12月にコロラド州最高裁が原告勝利の判断を下したことで、大きく弾みがついた。この判断の後、メーン、イリノイ両州でも投票用紙からランプ氏の名前が除外されていた。

 

米最高裁、トランプ氏の大統領資格を容認 司法闘争の壁を一つ突破

選挙集会で演説するトランプ前大統領=米東部バージニア州で2024年3月2日、ロイター

 11月の米大統領選に向けた共和党の候補選びで、連邦最高裁は4日、西部コロラド州の党予備選(5日)について、ドナルド・トランプ前大統領(77)の立候補を認める判断を示した。同州の有権者グループが、トランプ氏が2021年の連邦議会襲撃事件で「反乱」に関与して大統領就任資格を失ったと訴えていた。トランプ氏は四つの刑事裁判も控えているが、大統領選に向けた司法闘争の壁の一つを突破した。

 トランプ氏は連邦最高裁の判断を受け、自身のソーシャルメディアで「米国にとっての大勝利だ」と述べた。

 米憲法修正14条3項は、公職者が国家への反乱に関与した場合に公職資格を剥奪すると規定している。同州の有権者グループは「トランプ氏が議会襲撃事件を扇動した」として、大統領就任資格を失ったと主張。同州予備選への参加を認めないよう求めていた。

 コロラド州最高裁は23年12月、議会襲撃事件は「反乱」に当たるとした上で、「トランプ氏は暴力が起きる可能性を認識しながら、支持者に議会に向かうよう呼びかけた」と指摘。公職資格剥奪の対象には、憲法の条文に明文化されていない大統領職も含まれると認定し、トランプ氏は立候補できないと判断した。

 トランプ氏側は「過去にも暴徒化した政治的デモは多くある。議会襲撃事件は反乱ではなく、トランプ氏が支持者に議会に侵入するよう言ったこともない」「州が単独で国政選挙の候補を失格にすることはできない」と主張。公職資格剥奪の対象に大統領職は含まれないとも訴え、連邦最高裁に上訴していた。

 連邦最高裁の判断は、他の州での同様の訴訟にも適用される。コロラド州を含む16州・地域では5日に予備選や党員集会が集中する天王山の「スーパーチューズデー」を迎える。連邦最高裁は混乱を避けるために、同州での党予備選の前に判断を示した形だ。【ワシントン秋山信一】

 

 

 

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7 コメント

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Unknown (暗黒大将軍)
2024-03-06 12:33:01
アメリカ人は共和民主両党支持者を始め、誰一人として自国の大統領がどうあるべきで誰がいいのか、を真面目に考えてさえいないんでしょう(笑)

だからやりがってるらしい煩い年寄りのどっちかにやらせときゃいい、みたいな現状になってる

アメリカが罪深いのは、シニア2人が大統領の椅子に拘るエゴを「仕方のないこと、制度上は認められてること」ととぼけて世界に半ば強制してることだと思います

有為な存在が早期に諦めるような仕組みがなけりゃ、こんなダサいリターンマッチが組まれることなんてあり得ません

願わくば、8月の民主党大会までにバイデンはリタイアしてほしい
理由は健康上のものでも、息子ハンターの疑惑に尾ひれをつけたものでも何でも構いません
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ほんとほんと (raymiyatake)
2024-03-06 18:58:38
トランプ支持者もひどいものですが、次の任期を全うしたら90歳になる?バイデン氏しか候補がいないのだとしたら、米民主党の人材不足ってどんだけ?!と思います。

そんなに年でもいいのなら、われらがバーニー・サンダースにやってもらいたい!
https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/bf870fa08eaebb41ac3c03c39e882e62
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Unknown (raymiyatake)
2024-03-06 21:16:42
バイデン大統領はいま81歳だから終わる時には85歳ですね
バーニーは今82歳なんですよね。。。。

麻生太郎や二階俊博が重責を担えるならバーニーならやれるのになー
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ヒラリークリントン氏が当選していれば (時々拝見)
2024-03-07 10:42:57
安定した共和党政権みたいになっていたかも知れませんね・・。

麻生太郎や二階俊博・・うわあ、思い出すと、うわあ。
シカゴのトランプビルの辺り、トランスフォーマーの悪の基地だったような・・。
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日本もアメリカも、民衆よ立ち上がれ! (ロハスな人)
2024-03-07 15:34:40
ヘイリー氏が撤退し、現状ではトランプ氏 VS バイデン氏という『 史上最低の大統領選 』を経て、“(能力は優秀ではあるが)自分の頭で考える悪人”トランプ氏が“(記憶力が裁判所に認定されるくらいダメダメで)120%利権の傀儡の悪人”バイデン氏を破って大統領になる可能性が高そうですね。

どちらが大統領になっても“アメリカは破綻”しそうですが、民主党内で『バイデン氏の首に鈴をつけて、撤退させる』ウルトラプランが成立すれば…。

※日本の政界もいい加減終わっていますが、日本以上にアメリカの政界がヤバイことが各候補が“軒並みシオニスト・イスラエルのジェノサイド支持”から判明しましたからね…。

日本ももちろんのこと、世界の民衆が本当に立ち上がるべき時が来たように思えます。

https://www.yomiuri.co.jp/world/uspresident/20240306-OYT1T50167/
☆民主党内でささやかれる候補差し替え案「プランB」、タイムリミットは8月の党大会
2024/03/06 読売新聞

 【ワシントン=池田慶太】再選を目指す民主党のジョー・バイデン大統領(81)は、世論調査で共和党のドナルド・トランプ前大統領(77)にリードを許す結果が相次いでいる。民主党内では候補者を差し替える「プランB」を巡る臆測が飛び交っている。

◎ 現時点ではバイデン氏が民主党候補として大統領選に臨む可能性が高い。米政治専門紙ポリティコは、候補差し替えが具体化するのは、バイデン氏が自ら「撤退」する場合だけだと指摘する。

◎ 最有力はカマラ・ハリス副大統領(59)だが、副大統領として目立った実績はなく、待望論は盛り上がっていない。

 次世代を担う政治家では、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(56)、ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事(52)、大富豪で知られるイリノイ州のJ・B・プリツカー知事(59)らの名前が取りざたされる。
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Unknown (raymiyatake)
2024-03-07 23:47:28
いくら日本の政治が腐ってると言っても、四つも刑事事件で起訴されてて、国会議員に立候補するのも無理でしょう

まして大統領選挙に出られるアメリカは狂ってますね〜

てか、やはりトランプはある意味別格なのかな
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トランプ氏には (時々拝見)
2024-03-08 20:12:35
フォーシーズンズには違いはないってことで、妙な所で集会を開いた経歴がありますので・・
今度は、白く塗った刑務所でも用意して入っていただけると、「さすが、腐ってもアメリカ合衆国!」て言えると思います。お墓も・・。
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