日本の反知性主義 (犀の教室) | |
晶文社 |
集団的自衛権の行使、特定秘密保護法、改憲へのシナリオ……
あきらかに国民主権を蝕み、平和国家を危機に導く政策が、どうして支持されるのか?
その底にあるのは「反知性主義・反教養主義」の跋扈!
自民党の選挙対策委員長からお得意の「反共宣伝」が出始めたということは、野党共闘について警戒はしているということでしょうか。
茂木敏充自民党選対委員長(日本会議、神道政治連盟)は2016年2月28日行なった講演で、夏の参院選に向けての野党5党の合意に従い、共産党が改選数1の1人区で原則として独自候補を取り下げることに関して
「実質的に民主党と組む『民共合作』だ」
「自民・公明両党の安定政権を選ぶのか、民共合作の革新勢力に国を委ねるのかを明確に問いたい」
と言い募りました。
この民共合作って聞きなれない言葉は、戦前の日本軍の中国大陸侵略に抵抗して、蒋介石の国民党と毛沢東の共産党が手を組んだ「国共合作」のもじりですよね(注1)。
国共合作って、相容れないはずの二者が、強大で極悪非道な敵に対するためにあえて手を組むというニュアンスもあるので、そういう意味では近いかもしれません。
ちゅうことは、茂木さんは自民党を、日本軍だか、関東軍だか、大日本帝国になぞらえたことになるんですが、それでいいんですか?
蒋介石(左)と毛沢東。
茂木選対委員長はさらに面白いことを言ってまして、
『1968年に旧ソ連の同盟国だった旧チェコスロバキアで起きた民主化運動「プラハの春」を引き合いに、旧ソ連が民主化を武力で弾圧したことに触れ、
「我々がこの夏に戦うのは、ひ弱な野党ではない。その裏で着々と勢力を伸ばしている共産党と戦う』
と言ったんだそうな。
共産党はひ弱な野党じゃないかもしれませんが、共産党と自民党の力関係をソ連とプラハの市民に例えるのは無理があり過ぎるのでは?(笑)。
ちゅうか、茂木さんは安倍政権がやっていることを、プラハの春みたいなもんだと思っているのでしょうか(注2)。
むしろ、安倍政権が旧ソ連で、日本の市民がプラハの人たち、となぞらえるのならわかるのですが。
頭の中を「反知性主義」という言葉が駆け巡りました(注3)。
注1 国共合作
第2次国共合作 1937年~45年の第2次国共合作は、1931年の満州事変によって本格化した日本帝国主義の侵略と戦うために、36年の西安事件を機に準備され、1937年の日中戦争の勃発によって成立した。
第1次と異なり、二党はそれぞれ別個な組織と軍のまま、共同して日本軍に当たることによって日本軍に勝利することができた。
大戦後は両党の話し合いに失敗、再び内戦となり、1949年の共産党の勝利、中華人民共和国の成立となる。
いずれも中国近現代史の最も重要な動きであったといえる。
注2 プラハの春
チェコスロバキアで1968年の春から夏にかけて、新任のドプチェク党第一書記の下に一連の自由化政策がとられた状況。
8月20日深夜、ソ連率いるワルシャワ条約機構軍が侵攻し、チェコスロバキア全土を占領下に置きプラハの春は終焉した。(チェコ事件)
注3 反知性主義
「学歴・知性は無意味である」という知識や知識人に対する敵意を表す言葉。
転じて、国家権力によって意図的に国民が無知蒙昧となる様に仕向ける政策の事。
反知性主義って単なる無知蒙昧、とは違うんだって。
知らなかったなw
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DATE:2016.02.28 16:53 時事通信社
自民党の茂木敏充選挙対策委員長は28日、岐阜市内で講演し、夏の参院選をめぐり共産党が改選数1の1人区で原則として独自候補を取り下げることに関し、「実質的に民主党と組む『民共合作』だ」と批判した。その上で、「自民・公明両党の安定政権を選ぶのか、民共合作の革新勢力に国を委ねるのかを明確に問いたい」と強調した。
茂木氏は「われわれが戦うのはひ弱な野党ではない。その裏で着々と勢力を伸ばしている共産党と戦う」とも語り、野党側をけん制した。
[時事通信社]
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また、大阪で自共合作をやったことも吹き飛んでるし。まあご都合主義と歴史修正は自民の属性だから驚くには値しないけど。恥を知り良心があり名を惜しんだら自民政治家はできないからねえ(白目)
まあ、安倍自民とネトウヨには野党連合はよほど都合が悪いのだろう。
3分の2を取るなんて目標を立てなければ、過半数は堅いのだから安倍自民は余裕でいいのにねえwどうせ、憲法解釈は安倍が好きにやるんだから、実態としての改憲状態だから、改憲にもっと時間をかけても困るまいに。
(民主、維新)は、戦争法廃棄を5野党共同で出すと同時に、”ぼくのかんがえたせんそうほう”を出してるんだよね。
(民主、維新)は、連合政府構想(共産党は「閣外協力で結構ですよ」)を拒否ったことだし、選挙が終われば共産党を蹴り出すだろうな。
それにしても、わくらばさんは対中戦争を日本の侵略だと捉えているんだなあ(感動)
百田や自民党の議員が新聞を目の敵にしてスポンサー外しを行うと発言した時は声明出してたんですがね・・・
合意をよく読んでほしいですよね。
安倍政権が壊した立憲主義と民主主義を取り戻す
闘いであり、言うなれば、「立憲か非立憲か」の選択ですよね。
変な攻撃に負けることなく、選挙協力を確認した野党5党には、頑張ってもらいたいです。
チョワンとマオの合作、そして国民党左派から日帝傀儡南京政府首魁へと突っ走る汪… さて、この場合、汪は誰になるんでっか?
プラハの春…ドプチェク… 民主化の名のもとに権力闘争が行われた側面は忘れてはならないでしょう。90年代以降も体制は変わっても、民衆の状況は何も変わりませんでした。支配や統治という重しは変わらずのしかかり、財力もある旧党官僚どもは上手く立ち回って変わらず経済を支配したからです。ネオナチの多さも他の旧東欧やロシア国家での特長となりました。
現在のチェコ国家実効支配地域にあるプラハを押さえている政権は極右で、スクォッター排除・ソシアルセンター急襲でアンチファ、アナキストへの大弾圧を昨年行った、反難民強硬派です。プラハには未だに”春”など来ておりません。ボヘミアにも。シンティロマにも。
なお、野党共闘については、こじけん先生の " kojitaken の 気まぐれな日々 " に、シニカルかつ悲観的な予想が載っていて、私もこじけん先生に同調しちゃうのである。
崩壊の時代なんだな。(← センセイの口癖)
それをケシカランというのは誰が普通に考えてもおかしな言い分なんですが、それを敢えて言うところに焦りが少しあるのと、そういうおかしな理屈でも与党支持者には通用すると思っているのでしょうか?
こういう有権者を馬鹿にしたような言い方に対しては、共産がどうたらという論議に巻き込まれることなく選挙制度の特性を考えれば野党の選挙協力と候補者の一本化は必然の流れに他ならないことを全面に押し出すのが良いのではないかと思います。
なぜ、自民党が選挙に勝てるのかと言えば、公明党と創価学会の協力なしには考えられないことだと思います。
だから、野党の側が選挙協力することは何らおかしなことでも間違ったことでも無いわけです。
まあ、裸踊りをしてぼくチンを構ってくだちゃいと泣き喚くのがネトウヨというものだけど。
このブログをきちんと読み続けていればわかることだが、安倍自民党は、今度の選挙で衆参3分の2の議席安を勝ち取って非常事態条項を入れる改憲の実現を公言してるぞ。非常事態宣言の条件には、「霞ヶ関文学」では、「宇宙よりも広い」とされる「など」が入れてある。つまり事実上、総理のご都合で非常事態条項を発動できる。
ひとたび非常事態宣言を発すれば、人権の制約が合法化される非常事態宣言下かつ秘密法があるから理由の是非を探ることも論ずることも犯罪である。つまり、誰かに言えば「扇動」、目が合えば「共謀」(国会で説明・判例あり)で、実行する前から罪に問われてしまう。
非常事態条項には選挙停止規定があり、永世代議士・永世政権が合憲化される。国会での公開の論議を飛ばして政権が法律と同じ効果を持ついかなる政令でも出せ、審議なしに予算を作り執行でき、それに国民を従わせることができる。しかも、司法による掣肘も期待できないという。
つまり、国民主権を否定した大日本帝国の実質的な復活であって、戒厳令を何十年も敷き続けた在台湾中華民国の独裁政権や韓国の軍事独裁政権、ミャンマーやインドネシア、南米やアフリカなどの軍事独裁政権と同じだよ。
ちなみに、先進国で非常事態条項を持つ憲法はいくつかあるけど、これほど政権に虫のいいものは外国にはないということだな。民主主義は政権・国家に対する猜疑が基盤だから、先進国では、非常事態だからなんでも好きにやれる、なんでも非常事態と認定できる、何をやっても責任を取らなくていいというような法的建て付けを取っていない。
ちなみに、現憲法も政権に対する猜疑と戦前に対する後悔と反省から、行政に非常大権を敢えて与えていない。そのかわり、参院の緊急集会の規定と各種非常事態法制を完備している。