
2015年11月22日に行なわれた大阪府市ダブル選挙では、橋下徹市長率いる大阪維新の会が圧勝しました。
橋下維新の会の危険性を感じ、あるいは大阪をこよなく愛する気持ちから、橋下維新の会にNO!を突きつけてこられた皆さま、一日しか経っていませんが、もう大丈夫ですか?
実は、敬愛する弁護士さんで、出身が小学校から大学、弁護士会まで全部大阪、そして大阪愛の気持ちから反橋下維新で頑張ってこられた先生がいらっしゃるんですが、その方が、昨日の大阪維新当確発表の7分後、こんなことをお書きになってまして。。。
「これが民意!
大阪にはもう絶望しかありません。
みなさん、ごめんなさい。
見切りつけます。」
先生!見切りつけます、はあかんやろ!!
10万人くらいが投票用紙に「橋下徹」って書いてくれないかと思ってたんですが無理でしたw
で、わたくし、大阪を愛し、または橋下維新を危険だと思ってこられたすべての方々のことが心配になって、書いたのがこの記事。
大阪W選挙、維新圧勝。まあ、安倍政権を誕生させてしまったほどの事件じゃないから、ドンマイドンマイ!
最初は、ドンマイドンマイ!(笑)、とまでしていたんですが、それだとふざけていると思われるかと思って(笑)を取りましたw
大阪でリアルで闘ってこられた方々のショックと怒りは、全国への悪影響の波及を心配される方々の嘆きは、いかばかりか。
真剣に考えることと深刻になることは違うというわけで、あえて明るめの記事を書いたわけです。
ほんとは、200本近く橋下維新の会とハシズムというシリーズを書いてきたわたくしだって相当凹んでたんですよ。でも、いつでもどこでも、困ったり悩んだりしている人を慰めたり励ましたりするのがわたくしの役割なもんですから。。。
投票率はかなり高かった。
もし、まだ励ましと慰めの材料が必要でしたら、もう一つ用意してあります!
それは、同じ1勝1敗だったら、どっちをとるか?!って質問。
もし、5月の大阪「都」構想住民投票と11月の大阪ダブル選挙、維新と反維新の1勝1敗が決まっていたんだとして、どちらか選べるとしたら、どっちで勝つのがいいですか?
そりゃあ、維新も反維新も住民投票で勝つ方を選ぶでしょう!
だって、反維新で「都」構想反対派にしたら、住民投票で大阪「都」構想が通ってたら、大阪市は解体されてもう取り返しがつかないんですから。首長の選挙なら取り返しがつくじゃないですか!
ちゅうか、5月に負けてたら、今回はもっと負けてます。1勝1敗なんてありえません。
そもそも、住民投票で負けてたら、橋下市長が政界を引退するという話になっていません。橋下・松井ペアでさらに圧勝し、さらに日本全体に影響を及ぼしてますよ。
ね?だから、5月に僅差ながら勝ったことで、大阪と日本の民主主義は首の皮一枚でまだ生き残っているのです。
よかった、よかった!
だから、この映像にも慣れていきましょう。
さて、本題ですが、維新はこれだけの圧勝をしたのですから、たくさんの勝因があるでしょうし、反維新には同じくらい敗因があるでしょう。
そのすべてではないのですが、ヒントになるだろうツイートがこれ。
大阪のことをあまりよくご存知のない方にも、大阪の今の雰囲気がわかっていただけるかと思います。
要は、自分の家の経済状況がよくなっていないばかりか、どちらかというとむしろ悪くなっていたとしても、自分がよく出かける繁華街の活気がよくなっていると、なんとなく社会全体の経済もよくなっていて、やがて自分の懐具合もそれなりに好転してくるのではないかと淡い期待感をもってしまうのだろう。
— 直立演人 (@royterek) 2015, 11月 22
大阪ダブル選挙の候補者の演説に聞き入る大阪の有権者。なんだか大変そうな感じが伝わってくる。
わたくしも、こういう記事を書いて大阪の経済が良くなっていないというデータをバンバン出したのですが、そんなこと、有権者の皆さんは知ったこっちゃないんだなと感じています。
こんなグラフとかより、もっとインパクトの強い現実が目の前にあったとしたら。
大阪の教育・経済・政治をダメにする橋下・松井・吉村おおさか維新政治、一目でわかる資料集!
それがまずこれ。
わたくしも大好きで、何度も打ち合わせやお買いものに使ったことがあるのですが、グランフロント大阪、2013年4月開業。
実際、わたくしも、
「こんなにきれいなの、誰がしたんやろう?!」
と思っていました。
もう、大阪駅ってめっちゃきれいになって、買い物するところばかりになりました。
その買い物をするための原資をどうやって稼ぐかが問題なわけですが。。。
まさに、
あと、もちろん橋下市長だけの功績ではないでしょうが、大阪駅の改築とグランフロント大阪の建設も相当でかい。ぶっちゃけアウトバーンつくったヒトラーが支持されたのに似てるかも。@kenkenir:成程。本当にそうなったとすると、とても分かり易い。いや、地方行政ってこういうことだもんな。
— 直立演人 (@royterek) 2015, 11月 22
このあたりは、大阪の「キタ」と言うあたりで、梅田とか大阪駅がある当たりなんですが、「ミナミ」の方には、東京スカイツリー、東京タワーに続いて日本で3番目に高いあべのハルカスが2014年3月にオープンしました。
どれもこれも本当に劇的な変化です。誇張じゃなしに。少なくとも梅田駅周辺と天王寺駅周辺の街の(少なくとも表層的な)活気はそれ以前と比べるべくもありません。しかし、むしろそうであるからこそ、反大阪維新派の今回の選挙戦は、それにしては善戦したとすら言えると思います。@kenkenir
— 直立演人 (@royterek) 2015, 11月 22
実はこの二つの開発は、橋下市長の天敵、平松邦夫前市長の時に着工されたビルなんですねえ。
いやあ、それまで橋下維新の「手柄」になってしまうなんて、なんと皮肉なことでしょう。
しかし、少なくとも大阪駅と天王寺駅の周辺の再開発計画は橋下市政以前になされているので、橋下市政の功績でもなんでもない。グランフロントもあべのハルカスも着工は2010年だから、少なくともこの二つの事業は、専ら平松市長時代の賜物と言える。
— 直立演人 (@royterek) 2015, 11月 23
それに対して、橋下市政が拘った都市計画といえば、専ら市庁舎移転やカジノ構想だが、いずれも実現の目途は立っていないどころか、失敗したことは誰の目にも明らかである。にもかかわらず、平松市長時代に開始された再開発が実現し、都心部の表層的活気がでてきた時期が今回のW選挙の時期に当たった。
— 直立演人 (@royterek) 2015, 11月 23
大阪維新の会の失政。橋下市長が府知事時代に買って大阪都庁舎にしようとした咲洲庁舎がゴーストタウン化。
この
「都心部の表層的活気がでてきた時期が今回のW選挙の時期に当たった」
これ、大事です。
さて、ここまでは5月の大阪「都」住民投票前に完成していたものですが、さらに二つ、今回の大阪ダブル選挙で維新の追い風になったものがあります。
その一つが、選挙の3日前に完成したもので、わたくしも行ったことないんですが、日本最大級の大型複合施設で、万博記念公園にできたららぽーとエキスポシティ。
蛇足ながら、もう一つの付随的な印象操作的効果として、大阪万博記念公園駅前の再開発(「「ららぽーとEXPOCITY」)が挙げられる。これがオープンしたのが今回の選挙戦の3日前(19日(木))だったことは、橋下維新陣営にとってはまさしく渡りに船であり、松井知事もたびたび強調していた。
— 直立演人 (@royterek) 2015, 11月 22
なんで、こういう宣伝って、いつもヨーロッパ系の人なの!?こんな人ら、大阪におらへん!
。。。いやいるかもしれません
そして、極めつけが、大阪市営地下鉄のトイレです(末尾の産経新聞参照)。
これは橋下大阪市政の業績です。橋下徹市長は
「小さいことから結果を出すという僕の施策の象徴例。非常に誇らしく思っている」
と自画自賛。
少なくとも大阪で暮らしてれば、十分よく理解できます。少なくとも表層的な面だけ見れば、いろいろ便利になったり、綺麗になったりはしてますから。いちばん顕著なのは地下鉄のトイレが綺麗になったこと。これが勝因とすら考えてます。@kenkenir:本当にこの60万人に関しては理解に苦しむ。
— 直立演人 (@royterek) 2015, 11月 22
ようおこし。。。。
新幹線と連絡する大阪の玄関口、地下鉄御堂筋線の新大阪駅。リニューアルされた女性用トイレに入ると、白を基調にした広々とした空間が広がる。。。とか。入ったことないのでわかりません(笑)。
中央には独立した大きな手洗い場があり、アクセントに飾られた造花のグリーンが目にさわやか。
左手には新たに設置されたパウダールームが。ブースごとに鏡やカバンを置く台、小物置き、ゴミ箱まで備え付けられている。奥の一角には洋服店の「フィッティングルーム」のような着替え室まで用意するなど至れり尽くせり。
わたくしも公衆トイレはしょっちゅう利用するので、ここ、ポイント高いです!通勤通学客は毎日目にするものですから、やはり、維新の支持率アップに大いに貢献していることと思います。
これらのトイレは、内閣府の日本トイレ大賞で、この9月に堂々の国土交通大臣賞を受賞したばかりです。
ただし、30億円!かかっていますが。。。
また、橋下市長が
「大阪市の交通局も(民間出身の)藤本(昌信局長)が大号令をかけて、職員意識を変えていった結果だと思います」
と褒め称える藤本交通局長って、知人男性との間で2013年5月に、正式な手続きを経ずに市営地下鉄駅でのイベント実施を決定し、「調査費用」名目で随意契約を結び800万円を支出した、という(6か月間の減給処分に)、橋下市長と昵懇の京阪電鉄から来た人なんですが。。。
まあ、トイレを使用する人は、そんなことは知ったこっちゃありません。
こうしてみると、
はっきり言って、橋下維新陣営にはいいことずくめの選挙だったとしか言いようがない。だがそれにもかかわらず、あるいはそれ故にこそ、反大阪維新陣営もそれなりに「善戦」したことの意味を考えた方がいいかもしれない。いずれにせよ、有権者の多くには「都構想」の是非など全く争点化されてないはず。
— 直立演人 (@royterek) 2015, 11月 22
逆に敗因の一つとしては、表面的には潤っているかに見える梅田や天王寺の再開発は平松市政時代からの遺産であって、橋下市政とは基本的に無関係だと差別化をはかれなかったことも挙げられるかもしれない。地下鉄のトイレを綺麗にした功績は間違いなく橋下市政の賜物なので、それは褒め称えたらいいが。
— 直立演人 (@royterek) 2015, 11月 23
という分析はかなり当たっているかもしれません。
参考記事
大阪W選挙の勝因をめぐる一大阪在住者の実感的理解
藤井聡京大教授。
『大阪の有権者の前に並べられているのは、いわば「イマイチ美味しくないたこ焼き」と「腐っているタコ焼」。腐っているタコ焼を食うアホはおらんでしょ』
それがそうでもなかったということか。もしくは、腐ってるんじゃなくて納豆みたいなタコ焼きだったのか。
追記
どうしても、私の視点は、憲法だとか人権だとか、目に見えないものが中心になってしまってます。
もちろん、それがとても大事だとは思うのですが、私が
大阪の教育・経済・政治をダメにする橋下・松井・吉村おおさか維新政治、一目でわかる資料集!
という記事に書いた
「わたし的に、橋下さんが一線を越えたのは、教育関係以上に、思想調査アンケートなどの人権侵害ですね。」
というコメントに、大阪の「元職員」さんから頂いた
「そうでした、思想アンケートでいろいろ書かれてたのがこちらを見た最初でした。
私にとっては、それが個別の枝葉末節だったりします。」
という返事は、かなりショックでした!
憲法違反の人権侵害が枝葉末節!
橋下思想調査アンケートは違法とする敗訴判決 当ブログは3年前から!橋下敗訴を予言してました(笑)
これに対して、元職員さんは
「市役所内部の腐敗状況をみて、対策を急いで確認を怠ったというふうに当時の私は考えて軽く見てました。
でも、主さんが言われることはごもっともで、弁護士が裁判で連敗するようなことしたらダメですよねー
ミスと思ってましたが判決が遅れるのを見込んだ作為的な悪意は私も感じます。」
と言ってくださったのですが、やはり、憲法違反がそれほどのことでもないというコメントにはびっくりしました。
でも、一般市民にとってもきっとそうなんですよ。
「悪い公務員をやっつける」
事の方が大事なんです。
10分喫茶店に寄った大阪市職員は懲戒処分なのに、平日でも選挙運動する橋下市長と職務専念義務の関係
さらに、元職員さんが書かれた
「先ほどコメンテーターが言ってました。住民投票から半年間、自民は何もしなかったとみられたのが敗因の一つだと。
思うに、地方で評価されるのは、地下鉄パスを含め、見える行動力なんでしょうね。その点で維新の吉村さんは期待できると思います。
行き過ぎないように、見張り番の松浦さんとかの監視はいるでしょうけどね。」
というコメントにある、
「見える行動力」
が、橋下維新の支持されるポイントなんだろうなあと感じて書いたのが、今回の記事です。
もちろん、見えている失政や悪政をまるでうまく行っているように誤魔化すテクニックや、そこを追及しないマスコミの問題ももちろん深刻なのですが、それをちゃんと見えるようにしていくこちら側の知恵と工夫と発信力が求められていると思います。
そして、なにより、それが重大な事なんだとわかってもらう努力が。
![]() |
さらば! 虚飾のトリックスター ~「橋下劇場」の幕は下りたのか? |
平松 邦夫 (著) | |
ビジネス社 |
前市長による最新刊。
橋下維新政治の正体を暴く!大阪はホンマに良くなったのか?橋下妄想政治にピリオドを打つ!内田樹氏らとの討論収録!
橋下市政、全否定じゃなくてね。悔しかったらトイレきれいにしとけばよかったやん、みたいなところもあります。
ただ、橋下維新はよく「既得権益の打破」というのですが、実は京阪電鉄の名前が出てきたように、私鉄を中心とする関西財界のそれこそ既得権益に奉仕し、今回出てきた市営地下鉄を売ろうとしています(これに自民党や公明党も賛成なのがまた複雑なんですが)。
市民の税金でトイレもきれいにしたのにね!それも全部買った側の利益になるやん!
さらに、水道の民営化と言ってこれは多国籍企業に売りかねなかったり、憲法と人権の私から見ると個別の問題でも、大阪の人から見たら大問題がたくさんあるんです。
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
2015.11.23 07:55 産経新聞
【大阪ダブル選】
松井氏、自民支持層の5割近くに浸透…維新候補、自・民を切り崩し 出口調査分析
当選を確実にし会見する左から松井一郎氏、吉村洋文氏=22日午後、大阪市北区(山田哲司撮影)
産経新聞社は22日、府知事・市長の大阪ダブル選で投票した有権者の動向を把握するため、出口調査を実施した。大阪維新の会公認の吉村洋文氏と松井一郎氏が、いずれも自民党や民主党の支持層にも浸透し、幅広く支持を広げたことが浮き彫りとなった。
市長選については、吉村氏が大阪維新を母体とする国政政党「おおさか維新の会」支持層の96・9%を固めた上、自民党の30・3%、民主党の25・7%、公明党も20・5%を取り込んだ。さらに「支持政党なし」の無党派層も45・3%が吉村氏に投票した。
一方、自民党推薦の柳本顕氏は、自主支援した共産党支持層の74%、民主党の65・7%、「自主投票」とした公明党の72・4%に浸透したが、自民党を64・8%しか固め切れなかった。無党派層も44・5%で、吉村氏に及ばなかった。
知事選でも松井氏が、おおさか維新支持層の96・4%を固め、自民党では46・7%も浸透した。その半面、自民党推薦の栗原貴子氏は、共産党の71・8%、民主党の70・5%、公明党の70・1%を取り込んだが、自民党については50・9%にとどまった。
大阪市長選の出口調査では、5月の住民投票で大阪都構想に賛成したか反対したかについても尋ねた。その結果、賛成した人は56・3%、反対した人は41・6%だった。賛成した人のうち91・2%が吉村氏に投票し、反対した人のうち79%が柳本氏に投票していた。
日本テレビ系(NNN) 11月23日(月)2時45分配信
22日に行われた府知事と市長の大阪ダブル選挙で、いずれも大阪維新の会の候補が当選を果たした。維新の会の勝因は何だったのか。読売テレビ・上馬場雄介記者が伝える。
今回のダブル選挙は、大阪市長選が主戦場となったが、橋下市長が大阪維新の会公認の新人・吉村洋文さんを全面的にバックアップし、二人三脚で勝利に結びつけた。
吉村さんは知名度の低さから序盤は劣勢が伝えられたため、橋下市長が自身の後継者であることを積極的にアピールしたほか、松井さんも吉村さんとともに大阪市内を集中的に回り、2人セットでの支持を訴え、知名度不足を補った。
また、今年5月の大阪都構想の住民投票で、反対が賛成を上回った大阪市南部の区、つまり維新が比較的弱いと言われる地域で集中的に橋下市長らが演説を行ったことも支持拡大につながったとみられる。
大阪都構想について、維新は「新たな案を出す」と言っているが、具体的にどのような案が出てくるのか、さらに、引退を表明している橋下市長が立ち上げた新党などにどのように関与していくのか、今後の動向が注目される。
2015.9.16 11:00
【関西の議論】
“美しすぎる地下鉄トイレ”橋下市長も大絶賛「僕の施策の象徴例」 弁当食べてくつろぐ客まで…
定例会見で満面の笑みを見せる橋下徹市長=9月3日午後、大阪市北区の大阪市役所
「臭い・汚い・暗い」の“3Kトイレ”の代表格だった大阪市営地下鉄のトイレが女性にやさしいトイレに生まれ変わったと評判だ。「おもてなしの心」をコンセプトに、女性用トイレには「音姫」や化粧直し用の「パウダーコーナー」を完備。着替え室まで備えているところもある。もはやトイレを超えたオシャレ空間に、くつろぎ過ぎて弁当を広げる客まで現れた。今月には国が主催する「日本トイレ大賞」も受賞。“美しすぎるトイレ”に変貌を遂げた秘訣(ひけつ)について橋下徹市長を直撃すると、「小さいことから結果を出すという僕の施策の象徴例。非常に誇らしく思っている」と笑顔で大絶賛した。(北村博子)
長居したくなるトイレ
新幹線と連絡する大阪の玄関口、地下鉄御堂筋線の新大阪駅。リニューアルされた女性用トイレに入ると、白を基調にした広々とした空間が広がる。中央には独立した大きな手洗い場があり、アクセントに飾られた造花のグリーンが目にさわやかだ。
左手には新たに設置されたパウダールームが。ブースごとに鏡やカバンを置く台、小物置き、ゴミ箱まで備え付けられている。奥の一角には洋服店の「フィッティングルーム」のような着替え室まで用意するなど至れり尽くせりで、「本当に地下鉄のトイレ?」と驚くばかりだ。女性がひっきりなしに出入りするのは、使い勝手のいい証拠だろう。
もちろん、あのツンとする刺激臭もない。かつては和式で、便器やその周りの汚れが目立ち、とても不快だった。今は個室に入れば擬音装置「音姫」が自動で作動。息を止め、急いで用を足した以前からは想像もつかない清潔さに、ついつい長居したくなる。
トイレットペーパーの使用率も15%アップ。あまりの快適さからか、トイレで弁当を広げるマナー違反者までいるという。
トイレ大賞の栄冠
市交通局によると、以前は利用者からトイレに関する苦情が多く寄せられていたという。今では「清潔で気持ちいい」「安心で使いやすい」ともっぱらの評判だ。
今月4日、この新大阪駅の地下鉄トイレが、内閣官房が主催する「日本トイレ大賞」の「国土交通大臣賞」に輝いた。鉄道事業者としては唯一の受賞で、交通局の担当者は「うれしいですね」と声を弾ませる。
利用者からの喜びの声に、橋下市長も満足げだ。9月3日の定例会見では、地下鉄トイレに関する自身の思い出を披露。約35年前の小学生当時の新大阪駅のトイレを例に挙げ、「臭いし汚いし、どうなってるんだと思ってたんですけど…」と振り返り、「やっとお客さまに対するサービス意識が出てきたんじゃないですか」と評価した。さらに、「国鉄もJRになって急にサービスが良くなったと国民が感じてますよ。大阪市の交通局も(民間出身の)藤本(昌信局長)が大号令をかけて、職員意識を変えていった結果だと思います」と続けた。
きっかけは乗客の苦情
藤本局長は、京阪電鉄出身で、市営地下鉄・バス民営化の切り札として、橋下市長に請われて市交通局長に就任した。トイレの改修は、その藤本局長が掲げた「劇的なサービス向上」プロジェクトの大きな柱で、今里筋線を除く全112駅が対象。29億6千万円の予算を組んで平成24年から4年計画で段階的に工事を進め、9月1日現在で59%にあたる66駅で完了した。
改修のきっかけは、トイレに関する苦情が多かったこと。交通局によると、「『汚い』『臭い』『暗い』など月に10件ほどあった」といい、利用者の改善要望の高まりを受け、開業以来初となる全面改修に乗り出した。
まず、職員と有識者で「トイレ研究会」を発足。協議を重ねながら、改修の方向性を探った。その結果、すべての便器を和式から洋式に交換。等身大の人形(ひとがた)に「ようおこし」と書かれたトイレのマークや、木目調の内装など、インテリアデザインも一新した。
化粧直しなどに便利なパウダーコーナーについては、女性職員の意見を尊重。小物を置く台のサイズや、カバンを置くスペースを確保するアイデアも採用した。
また、場所によっては、落ち着いて身支度できるようにいすを置いたり、破れたパンストの履き替えなどに重宝する着替え室を設けたりしたほか、ベビーチェアも個室に取り付けるなど、とりわけ女性にやさしいトイレになるよう心がけた。
個性派タイプも
駅周辺の地域性を生かし、さらにこだわって改修したタイプもある。御堂筋線の新大阪、梅田、淀屋橋、なんばなど6駅のトイレで、インテリアも個性的だ。
たとえば、新大阪駅は大阪の玄関口だけに「自分のお気に入りの場所に帰ってきたようなくつろぎ感」をコンセプトに、造花のグリーンで壁や手洗い場などを飾り、リラックスできるように配慮。このほか、梅田駅「エレガント」▽本町駅「成熟した大人のトイレ」▽なんば駅「ラグジュアリートイレ」-といったコンセプトをそれぞれ設定。インテリアデザインに生かしている。
トイレの調査研究などを手がけるNPO法人「日本トイレ研究所」(東京)の上幸雄理事は「地下鉄の全駅にパウダールームやコーナーを備えている例は、東京でもまだそんなにはない」と指摘。「ようおこし」というトイレのマークについても「大阪ならではのユーモアセンスがあるのでは」と評価する。
日本トイレ大賞
産経新聞が地下鉄を利用する女性65人を対象に行ったアンケートでは、以前のトイレについては過半数が「使わない」「できれば使いたくない」と答えていたのに対し、リニューアルされたトイレについては、「うれしい」「入りやすくなった」「不安がなくなった」などと歓迎する声が9割を占めた。
「以前は陰気くさいし紙はないしで、近くのデパートまで行くか、会社まで我慢していた。今は改善され、ハンドソープも導入されてうれしい」(奈良県大和郡山市・45際・無職)▽「以前のトイレはベビーチェアがなく困っていたので、リニューアルされてよかった」(大阪市浪速区・37歳・主婦)▽「絵の額などが飾られてくつろげる空間になった」(大阪府東大阪市・50歳・パート)などの声があり、「まだ使ったことがないので分からない」など8%を除く全員がプラス評価した。
こうした女性たちの「生の声」を定例会見でぶつけると、橋下市長は「あ、そうですか。良かったです! うれしいですよ」と表情をほころばせ、「予算はかかりましたけど、やればみんなが喜んでくれて、みんなが来てくれてということで、やっぱり公務員はサービス業なんだと職員に感じてもらえれば、お客さまのことをまず第一に考える、そういう職場になると思う」と誇らしげに語った。
2015.3.16 11:46 産経新聞
「認識甘かった」大阪市交通局長に減給6カ月処分 辞任は「全く考えていない」
減給の懲戒処分を受け、記者団の質問に答える藤本昌信大阪市交通局長=16日午前、大阪市役所
大阪市は16日、市交通局のイベント計画で不適正な随意契約を結んで知人業者に800万円を支出したり、事業を受注した会社の役員と会食をしたりしたとして、藤本昌信交通局長(59)を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分とした。減給処分で6カ月は最も重く、市は「不適正な契約と公金の支出で信用を失墜させた」としている。
このほか、交通局の総務部長(55)も減給とし、営業部長ら幹部4人は厳重注意とした。藤本局長は同日、記者団の取材に「厳粛に受け止めたい。公営ルールについて認識の甘さがあり、部下に迷惑をかけた」と陳謝したが、自身の進退については「全く考えていない」と述べた。
市によると、藤本局長は制作会社代表を務める知人男性との間で平成25年5月、正式な手続きを経ずに市営地下鉄駅でのイベント実施を決定。イベントは同年9月に中止が決まったが、その後「調査費用」名目で随意契約を結び800万円を支出した。
さらに、契約の調印は10月だったにもかかわらず、書類の日付を5月と偽っていた。市の外部監察チームは、800万円という契約額についても「(交通局が製作会社側に払うべき額として)適正な損害賠償額か重大な疑問」があると指摘している。
藤本局長は、昨年4月には大手広告会社役員と会食し、その後、同社が交通局の事業を受注。会食に同席した交通局の男性元調査役(解職)が同社と頻繁に連絡を取るなどし、審査の際に同社を高く評価した。市は「藤本局長は契約の公平性や透明性を疑わせる行為を防止できなかった」と認定した。
2015.6.25 11:13 産経新聞
大阪市交通局長が自腹で93万円返還 イベントを中止した知人業者への賠償過払い分
大阪市は25日、市交通局が平成25年10月、市営地下鉄駅でのイベント計画を突然中止した賠償として、藤本昌信局長(59)の知人業者に支払った800万円について、計画立案の実費を超えた支出で過失があったとする弁護士の意見書に基づき、藤本局長個人が過払い額93万円を同局に返還したと発表した。
意見書は、知人業者が同年5月にイベント計画立案を同局に依頼されてから、9月の中止決定までに調査などで支出した実費を、領収書などから707万円と算定。同局との間で合意した賠償額は有効で、知人業者に800万円の返還義務はないとする一方、差額の93万円を関係職員のミスによる過払いと認定、返還を求めた。藤本局長が個人負担を決め、橋下徹市長にも報告したという。
この問題では、藤本局長が知人業者に計画を持ちかけていたことが判明。市幹部の反対や協賛金の不足で中止が決まった後の10月、業者に800万円を支払ったが、正式な手続きをしないまま調査費名目の随意契約を結び、契約日も「5月17日」と偽っていた。
藤本局長は「手続きを遵守せずに契約したことは深く反省している。私自身が先頭に立って不信・疑惑を抱かれることのないよう適正な事務に取り組みたい」とコメントした。
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
こんなのに幻惑されての昨日の結果っぽいんですね、なるほどわかりやすい。
庶民に縁があるのは便所くらいですが。
ハシゲ一派もそれに気づいたとすれば、今後「再開発」の名の下に巨大建築計画を繰り出してくる可能性はありますね。
ヒトラーやスターリンでわかるように、独裁者と言うのはもとより巨大建築を好むものだし。
古い小汚い町並みなんかみんな叩き潰して、でっかいビルに変えましょうと.。
それって世に言う「大阪の魅力」を自ら破壊していく行為だと、よそ者ながら思うのですが…。
地元民が望むなら余計なお世話ですね。
ま、もう大阪の内事はいいっす、橋下一派の他地域への侵略を防ぐのが第一目的になりましたからね。
しかし
>大阪ダブル選挙の候補者の演説に聞き入る大阪の有権者。
の図、なんかすごいですね…サビサビとしてるというか。
市の南部を中心とした、再開発に忘れられたような昭和の街に住む住民が、その郷土愛から、街壊しの「都」構想に反対するのが、皮肉な物云いですが、真の街づくりを目指す地方自治実現のために必要な姿、と思っています。
例えば、新今宮のドヤ街では、阪南大学の学生たちの街ガイドの援助もあり、海外からのバックパッカー相手の格安ホテルに業態を転換しつつあり、周辺の串カツ店等の外食店の流行も相まって、街づくりの契機となっています。
この例等は、大金を投じて実施する再開発とは相違した街づくりの新しい手法として、「都」構想の空虚な叫びとは無縁に、大阪の下町の人々に依る再開発の試みとしてあるのです。
下町の各所では、住民に依る公共用施設の清掃が活発です。 小さな花壇で草花を育てる住民も多いのです。
こうした自主的な試みに水を差すようなことは止めて、爾後にではあっても支援しなければなりませんが、維新政治は何をしたのでしょうか。
過去の大阪市の実績を観れば、例えば、南のアメリカ村の勃興後に、爾後ではあっても道路や街灯の整備等は確りとしています。 その他の住民自身の街づくりの支援も地味でありますが確りと行っています。
例えば、平野区では、南海平野線の廃線後に、住民の街づくりの声に応えて、平野駅跡を公園として、記念に残しています。 平野郷の街づくりの声を反映する姿勢があるのです。
しかしながら、私自身が、橋下市長になって、市政の変化を感じたのは、私自身が生涯学習の拠点としていた施設を合理化したことでした。
このように、維新政治では、住民の生涯学習施設の整備どころか、縮小を実施し、市民の学習意欲に水を差すようなことも行っていて、市民の街づくりの意欲を育むことには消極的です。
堺市では、維新の市長が、市民の声を聞き、維新政治から離反しました。 地方自治を生かす政治を目指せば、維新の主張に疑義が生じるのは自然の成り行きです。
八尾市では、維新の市長候補は、敗退しました。 長く革新市政が続いたこともあり、維新の似非地方自治の主張は通用しなかったのです。
日本では、未だ未だ、民主主義の歴史は浅いので、試行錯誤が継続するでしょうが、京都の帆布製鞄店の相続争訟のように、本物が残るのは間違いが無いことと信じています。
因みに、私の買い物用鞄(トートバッグ)は、そのお店で三十年前に買ったものですが、未だに現役です。
しかし市営地下鉄のトイレって…民営化する事を前提に整備されてますよね。
民間企業に売っぱらう前に税金で綺麗にするって誰得?って感じがしますねぇ(笑)
もっともこれらが効した割合なんて微々たるものと思いますけどね
実際は自民の組織の分裂、それも官邸の支持によるものが真相だとお思います
そして、トイレですが、人間の尊厳に関わる、ものすごく大切な場所だと思いますよ!居座ってる間に、これほどでもなくていいから、利用するのがうれしくなるようなトイレを増やせるだけ、増やしてほしいです。
駅のトイレだって、確かに学生時代のウン十年前、京阪のトイレ(京都○条)は酷かった。何年掃除してないねんという惨状でした。
だからといって、今のトイレ、そこまで凝りたおさなあかんのですか。衛生、防犯面、子どもやお年寄り、車椅子の人たちへの配慮があれば十分だと思います。
それにトイレがきれいなのはハシモトの功績じゃなくて、お掃除の人のおかげです。
ついでに、トイレといえば昔の中国のニーハオトイレ(ドアなし)、ニーメンハオトイレ(ドア、仕切りなし)、さらに壁・天井なしトイレを思い出します。なぜそうなったかというと一説には、政府を批判する落書きを防止するためというのがありました。
トイレにしろ何にしろ、きれいだ豪華だ便利だ金持ち気分だと、何も考えずに踊らされてたら……しまいにゃ日本のトイレもドアなしになるでしょう。
確かに、見物客は、多いのですが、百貨店の売り上げは伸びてないそうで、売り場の配置等の見直しをしてるそうですが、どうなったのでしょうか。
私は、百貨店には、数十年前に行ったきりで、完全に縁切り状態なので、全く関心がありませんので分かりません。
昔々に、亡母に連れられて、北浜の三越で中元・歳暮の贈答品を送るのに御付き合いをしたことはありますが、自分たちの買い物を百貨店でしたことは、殆どありません。
その代わりに、亡母の実家のあった平野や、阿倍野、西成の商店街での買い物は、今でもします。
平野の商店街は、懐かしいですね。。。 南海の平野駅から、公園まで、ずっと続いていて、その昔は、とても賑やかでした。 亡母は、買い物より世間話の方が忙しくて、なかなか買い物が出来ず、時間がかかりました。
心斎橋等の繁華街では、観るだけで、買い物は、地元の商店街でするのが一般的でした。 一等地の商店街は、高価な商品で一杯でしたから、私たちには、手が届きませんでしたからね。
でも各地の商店街は、シャッター通りになっているところも多く、昭和の香りを残した商店街も廃れるところもありそうです。 住吉の粉浜商店街は、今でも賑やかで例外かも知れませんが。
市内の住宅地も変わりつつあり、維新の政治でどうなるのかが心配です。
弱いもの、古いもの、を切り捨てることを公言している維新等の政治勢力は、何かを勘違いしています。
弱いもの、古いもの、要らないもの、と思っているその価値判断の基準が揺らげば、どうなるのか、との疑いも持たず、PCの更新並みに単純思考をした結果が間違いであればどうなるのでしょうか。
例えば、第二次大戦でナチス・ドイツが使用していた暗号・エニグマは、映画にあったように勇敢な軍人の作戦で奪取されたものでは無く、実は、英国で、戦争には無用の作家、詩人、クロスワードパズルの達人、その他変人・奇人が多数集結して、暗号自体を解読したのが真相です。
実に英国的ですが、単純思考の怖ろしさとともに、敗戦の理由を冷静に振り返りもせず、復古主義的・民族主義に酔い、また、同じ間違いをするかも知れない時勢にある自国の状況に鑑みて忸怩たるものがあります。
橋下はアピール上手。
だから、どこに問題があるのか、何がダメなのかが分かりづらい。
家族が昔から「そこまで言って委員会」という番組のファンで、論客たちの言葉を聞いて、まるで自分が政治通になったつもりになって、ありがたがっています。
そんな家族を見ていると、大阪は今のままではダメだ。大阪を何とかしてくれるのは、橋下、維新しかいない、と、本気で思っている「委員会」ファン、橋下ファンが、他にも大勢いるのだろうなと思います。
私自身、橋下はおかしいと思いながら、どこがどのようにダメなのか、家族を説得するだけの知識も言葉も持っていません。
少なくとも私にでも分かることは、この「委員会」という番組に関連して、やしきたかじんの身辺に起こっている騒動で、今回市長になった吉村弁護士が、おかしな行動を取っていたということ。
この騒動について、知れば知るほど、吉村弁護士は、本来、市長になど擁立すべき人物ではないということだけです。
そういう人物を平気で市長として推し、あれだけ問題だらけの過去を、平然と覆い隠すような人間達に、市や府のかじ取りを任せるのは非常に危険だということだけは、私にでもわかります。
大阪が本当に維新によって破綻させられるまで、橋下信者は目を覚ますことができないのでしょうか。