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音楽・動画の違法ダウンロードに2年の懲役・200万円以下の刑罰という自公修正案を丸呑みした野田民主党

2012年06月17日 | 人権保障と平和

 

 音楽業界からの圧力を受け、自民、公明両党は2011年11月7日、インターネットを通じた音楽や映像ファイルの違法ダウンロードに対し、2年以下の懲役か200万円以下の罰金を科す法案をまとめていました。この法案に民主党に協力を求め、2012年の通常国会で成立を目指していたのですが。

 消費税増税を目指す野田民主党は、ここでも自民党・公明党案を丸呑みしてしまいました。

 リッピング違法化などを求める著作権法改正の政府案が今国会に提出されていたのですが、衆議院の文部科学委員会で2012年6月15日午前、この改正案について審議・採決が行われ、全会一致で可決 しましたが、あわせて、突然、自民・公明の両党から“私的違法ダウンロード刑罰化”を追加する修正案が採決直前に提出され、賛成多数で可決されました。

 さらにこの法案は同日午後、衆議院本会議に上程され、修正案を含めて賛成多数で可決されたのです。     

 私は文化が人間社会で最も重要なものの一つと思っていますので、違法アップロードとダウンロードで音楽家が被っているダメージには絶対対処すべきだと思います。アーティストが良いものを作っても報われないようでは、すばらしい才能が育たないからです。

 しかし、無許可ダウンロードは2010年に違法化されたばかりで、まだ周知徹底しているとはとてもいえません。それなのにいきなりの刑罰化とは拙速の極みです。

 

 一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU 代表理事津田大介氏ら)は6月4日、反対声明を発表しています(プレスリリース(MIAU) )。その骨子は

1)摘発されるのは理解していない子どもたちです
2)適法・合法の区別をつけることができません
3)捜査権の乱用を招くおそれがあります
4)慎重な議論が必要です

という点です。

 1)については、権利者が違法ダウンロードの主体とみなしている中高生の約半数が、いまだにダウンロードが違法になったことを知らず、このような状態で罰則を付けると、多くの「違法になったとは知らなかった」子どもが摘発の対象になるとしています。

 2)については、レコード会社や映像制作会社が合法のダウンロードサイトを区別するために設定した「エルマーク」の周知が十分でなく、国外の事業者が運営するダウンロードサイトでは、合法であってもエルマークを付ける責務はなく、エルマークによる区別が機能しないと指摘しています。

 3)については、日本の参加の是非が議論されているTPPにおいて、著作権侵害の処罰を被害者の告訴を必要としない「非親告罪化」が要求項目に上がっており、「違法ダウンロードを行った疑いがある」という理由でコンピューターを押収するなど、著作権法を口実にした別件 捜査に利用される余地があると危惧しています。

 4)については、今回の法改正はもともと、違法ダウンロード刑事罰化の内容を含まない閣法による改正案に、野党が議員立法による修正案と して提出するとし、本来であれば、文化庁の審議会を通じて有識者や当事者間で議論を行い、パブリックコメントで国民の意見を反映し、正当なプロセスを経て慎重な意志決定を行うべきだとしており、今回の法改正は常道を逸脱している

としています。

     

 

 私が法律家として問題にしたいのは特に4)の点です。

 2010年1月より施行された著作権法では、私的な目的により、音楽ファイルなど違法アップロードされたコンテンツをダウンロードすることは違法となっていましたが、これに対する罰則は設けられていませんでした。

 今回の修正案では、これに2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金を科します。これはかなりの重罰です。

 なにしろ、不正アクセス行為の禁止等に関する法律では他人のIDとパスワードを不正利用してアクセスしても、1年以下の懲役ないし50万円の罰金ですからね。刑の不均衡も甚だしいでしょう?自公は馬鹿ですね。

 また、違法にアップロードした人がいかにも違法ですとわかるようにしているとは限りませんからね。違法・合法、有償・無償の著作物がインターネット上で混在しているわけです。

 そんな中、ダウンロード刑事罰化の対象となる違法著作物をユーザーが 区別することができないために、私的違法ダウンロードに刑事罰を導入することは、インターネットの利用に萎縮効果があるという問題があります。

 まかり間違ったら、YouTubeで削除前の動画を視聴しても、懲役2年にされるかもしれませんよ。

 

 

 さらに、そもそも私的違法ダウンロード刑罰化が果たして合理的・妥当なのかという議論があります。違法アップロードがなされればダウンロードは何百万件もされてしまうのですから、モグラたたきのようなことをしても意味がありません。違法アップロードの厳格な摘発を先に徹底すべきなのです。

 こんな問題だらけの刑罰化なのに、文部科学委員会の中では、自公の違法ダウンロード刑罰修正案に対する審議は行われませんでした。自公の刑罰化修正案は、政府案についての審議が終了した後で、公明党の池坊保子議員が趣旨と概要を説明したのみで、すぐに政府案・修正案の一括討論に入ってしまったのです。

 何千万人というネットユーザーの多くが関与しかねない行為に対する刑罰化という、こうした国民に多大な影響を及ぼす法案について審議ができないように、政府案の審議終了後に提出したこと自体が国民の代表機関として大問題です。討論を尽くすというのがなにより立法府に求められているのですから。

 国民の人権より自分たちの利権が大切なんですね。

 消費税増税妥協のために、音楽業界の利権のために、内容もおかしく、手続きもずさんなこんな法律が作られる。国民生活に密着した問題なのに、原発再稼働と同じく国民的な合意もない決定は言語同断です。

 自公民の罪は違法ダウンロードより重いというべきです。

 

 

政治家の劣化はひどすぎますね。

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毎日新聞 2012年06月15日 19時30分(最終更新 06月15日 20時08分)

 ネット空間には映像や音楽ファイルがあふれる。法曹関係者は、合法・違法を見分けられずにダウンロードボタンをクリックするだけで、誰もが犯罪に巻き込まれかねないと警鐘を鳴らす。

 元検事の落合洋司弁護士は「違法ダウンロードをするのは主婦や未成年者も多いのではないか。人気のあるファイルなら10万~100万回単位でダウンロードされる」と話す。

 映像や音楽の権利者が告訴しないと罰せられない「親告罪」だが、落合氏は「いつ誰がダウンロードした か、権利者には分からない。違法アップロードした業者らの捜査から、たまたま判明した人が警察の情報をもとに告訴され、一罰百戒のように逮捕されることも ありうる」と指摘する。

 一方、日本レコード協会は「処罰対象は違法配信だと知りながらダウンロードした場合。正しく理解されて いないのではないか」と反論する。落合氏は「違法と知っていた場合と、まったく知らなかった場合の間にある“グレーの部分”があいまいだ。未必の故意(状 況から知っていたと評価されてもやむを得ない場合)を認定されうる」と懸念する。刑罰化には日本弁護士連合会も反対の会長声明を出していた。

 審議を省いた衆議院への批判も聞かれた。文化審議会著作権分科会の小委員会委員を務めたこともあるジャーナリストの津田大介さんは「ネットユーザーは 9500万人とも言われて影響が大きいのに、民主が自公にすり寄って政局の駆け引きに使うなんて。国民不在で不透明だ」と話した。【岡礼子、青島顕】


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2 コメント

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Afternoon Cafeのコメント欄から (ohdede)
2012-06-19 00:18:15
はじめまして
Afternoon Cafeのコメント欄でこちらのブログを紹介されていたので、拝読させていただきました。

>国民の人権より自分たちの利権が大切なんですね。

CDが売れないのはなぜか?→高いから
何故高いのか?→中間搾取が多いから

私は、かつてマスコミ関係の仕事をしていたので、著作権関係の理不尽さは痛感しています。

結局、この法は施行したところで、守られるのは、名も無きクリエイターやアーティストの生活ではなく、一部の人間の利権なのです。

一部の天下り人間が重役椅子でふんぞり返って「CDが売れない」とぼやいてる影で、薄給かつ劣悪な労働環境であえいでいる、制作スタッフがいる現状は(映像。音楽業界は本当にブラックです。)が全く問題にされません。

疑問なのは、ネットによって、業界の収益が悪化するというなら、何故、Youtubeやニコ動に投稿するユーザーに、簡便に権利関係の手続きができるようにして、ライセンス料を徴収しようという仕組みを考えないかです。(1投稿数百円で、一定数視聴を超えると追加徴収するとか)

あくまでも、推測ですが、著作権違反をしてアップロードをするのは、単に「法、仕組み、手続き」を知らないからだと思います。
(自分もアマチュアクリエイター崩れなので、その経験もあります。)

それとも、法的に難しいのでしょうか?
私は単に、中間マージンや利権を守るために、権利絡の問題を複雑にしている
気がしてなりません。

一方で、海外のインディーズ系のアーティストなんかは、ドミネーションがほとんどですが、ユーザーからクリエイターに直接「お金」がいく仕組みを模索していたりします。

却って、この法がきっかけとなって、日本でも、そういった動きが広まるかも知れません。
むしろ、そっちの方が「いいコンテンツ」が生まれるという皮肉な結果になりそうですが…。
確かに (浪速姫)
2012-06-19 16:40:22
 「著作権法違反」のアップロードにしてもダウン・ロードにしても、「単に『法、仕組み、手続き』を知らないからだ」ということでしょう。
 とりわけダウンロードについては、そうだと思われます。クリックして好きな音楽・映像を視聴しようとして、それが「違法にアップロード」されたものかどうか調べてからクリックすることがあるでしょうか。また、調べることが果たして可能でしょうか。

 「法律」として「明文」化された事柄について「知らなかったから」では通りませんから、事あれば、処罰・罰金は免れません。
 
 一件の「違法アップロード・ダウンロード」の取り調べのために芋づる式に個人のパソコンの履歴が調べられる―憲法の禁じる「検閲」が行われるかもしれない。

 もちろん音楽であれ映像であれ、生産者の「生産物」に対する権利を無視してよい、その「生産物」を自身の利益追求に勝手に使用してよいということはありません。でもそれは、本来の「生産者」の権利ということであり、それを踏みにじって、古風に申せば「搾取して」利を得る者の「権利」のことではないでしょう。

 余談ですが、当方も文章をしたためる際に、文章を引用することがありますが、私的に綴っているときはまだしも公刊されるときはどうなるんだろうと「著作権法」や「日本ヴィジュアル協会」の会員を検索いたします。

 教科書準拠の問題集や入試問題集でも、国語では、「次の文章を読んで」の「次の文章」の無い場合を見たことがあります(書題や○○出版の教科書~ページという付記のみ)。まあ、出版社はその問題集の出版で利を得るのですから許可が得られないなら仕方ないのでしょうが。

 最近まで「アップロードって何だ?」と言っていた素人の私見の片はしを。

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