Everyone says I love you !

弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

高村自民党副総裁「砂川事件最高裁判決は、憲法9条3項になったと言っても過言ではない」のお笑い。

2015年11月25日 | 安倍政権の戦争法

砂川事件最高裁判決 高村自民党副総裁の「憲法学者より私の方が考えてきたという自信はある」発言のお笑い

 

 

 最近では同じ弁護士仲間の谷垣幹事長と共に、テロ対策には共謀罪の制定が必要だなどと言いだしてタカ派ぶりを見せつけている高村正彦自民党副総裁のお笑いシリーズ、第2弾!

自民党がパリのテロに便乗して憲法違反の「共謀罪」新設をまた言い出す。これぞ火事場泥棒、便乗商法だ。

 

 

 2015年11月24日、高村氏が講演で、

「国民の命を犠牲にしてまで、憲法9条2項の条文を守れというような考えをしてはならない。

 そのような解釈をする人は法律家ではなく、憲法本来の目的を忘れた法律屋、法匪(ほうひ)だ」

と言い放ったんだそうです。

 ちなみに、「匪」は賊や暴徒を意味し、かなりの蔑称として用いられる文字です。そこから、法匪とは法律を詭弁的に解釈して、自分に都合のいい結果を得ようとする者を指す呼称で、法律家に対する最悪の罵倒の言葉と言っていいでしょう。

 国の交戦権や戦力の保持を禁じる日本国憲法9条2項と、それを大事にする多数派の法律家がそこまで憎いのかとあ然としました。

第二章 戦争の放棄

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

次の選挙にも出るんだったら、いちばん落選してほしい人の1人。
 

 

 でも、私がさらに驚いたのは次の部分。

 駐留米軍の合憲性が争われた砂川事件で、1959年12月に出された最高裁判決について

「憲法上、国民を守るために必要な措置を取ることは許容されていると明言したものだ」、「これがもっとも重要な法理だ」

としたうえで、

「100の学説より一つの最高裁判決だ。これが立憲主義だ。憲法9条3項となったと言っても過言ではない」

と言ったという部分です。

 憲法改正もしてないのに、いきなり9条に第3項ができちゃうなんて、はい、皆さんご一緒に!

「どんな立憲主義や? そりゃ、過言だろ!」

 

 

 

 だいたい、砂川事件最高裁判決って、米軍基地に立ち入り、関連物を壊した人が起訴された刑事事件で、そもそも米軍基地や安保条約が合憲なのかということは問題になりましたが、アメリカが他国から攻められたときに自衛隊が助けるという集団的自衛権のことは全く問題になっていません。

 ですから、何十万字にも及ぶ判決文に、集団的自衛権という言葉はもちろんのこと、ただの一回も「自衛隊」という言葉さえ出てこないのです。

 この判決をもって、集団的自衛権の行使が容認されているというのは、そりゃ無理です。

砂川事件最高裁判決は集団的自衛権の行使が合憲である根拠にはならない。

 

 

 そもそも、この判決から40年後の1999年には、高村氏も外務大臣として、

「集団的自衛権の行使は憲法上許されない、こう考えております」

とはっきりと答弁しています。

 もし、憲法学者よりよく考えて、砂川事件最高裁判決が集団的自衛権の行使を容認していると結論してきていたのなら、そんな答弁になるわけないですよね。

 

 

砂川事件最高裁判決から40年後、高村副総裁(当時外相)も集団的自衛権の行使は憲法違反だと認めていた。

 

 

  なのに、いまになって、安倍首相が安保法案を通したいとなったら、いきなり砂川事件最高裁判決は集団的自衛権の行使を認めているとか、憲法9条3項になったとか。

 

 こういう人のことは、法匪とは言いませんが、嘘八百を言う三百代言と言うことで、八百代言とは言ってもいいのではないでしょうか。

三百代言

詭弁きべんを弄ろうすること。また、その人。また、弁護士をののしっていう語。明治時代の初期に、資格のない代言人(弁護士)をののしった語からいう。

「三百」は銭三百文の意で、わずかな金額、価値の低いことを表す。「代言」は代言人で弁護士の旧称。

 

 

高村、谷垣、稲田、橋下。。。。弁護士に対するイメージがどんどん悪くなっちゃうよね。

よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!

人気ブログランキングへ人気ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へほんブログ村

Amazon 社会・政治・法律

Amazon Kindle ベストセラー

Amazon タイムセール商品

 

 

砂川事件と田中最高裁長官
布川玲子 (著, 編集), 新原昭治 (著, 編集)
日本評論社

60年安保改定交渉の山場に出された砂川事件伊達判決は、米国にとって途方もない脅威だった。極秘だった新資料によって裏舞台を暴く。伊達判決をつぶし60年安保改定を強行した裏舞台の全て。

 

検証・法治国家崩壊 (「戦後再発見」双書3)
吉田 敏浩 (著), 新原 昭治 (著), 末浪 靖司  (著)
創元社

1959年12月16日、在日米軍と憲法九条をめぐって下されたひとつの最高裁判決(「砂川事件最高裁判決」)。アメリカ政府の違法な政治工作のもと出されたこの判決によって、在日米軍は事実上の治外法権を獲得し、日本国憲法もまた、その機能を停止することになった…。大宅賞作家の吉田敏浩が、機密文書を発掘した新原昭治、末浪靖司の全面協力を得て、最高裁大法廷で起きたこの「戦後最大の事件」を徹底検証する!!

 

「法の番人」内閣法制局の矜持
阪田 雅裕 (著), 川口 創  (著)
大月書店

憲法9条の解釈変更=集団的自衛権容認は許されない!長年にわたり政府の憲法解釈を担い、いま岐路に立たされる内閣法制局の元長官みずからがその内実と責務を語り、解釈改憲がもたらす立憲主義の破壊に強く警鐘を鳴らす。
戦後60余年積み重ねられた憲法解釈の重みをもっとも知る人物が語る、立憲主義の要としての法制局の責務とその危機。全国民必読の書!

 

政府の憲法解釈
阪田 雅裕 著
有斐閣

60余年積み重ねられてきた政府の憲法解釈とは
政府の憲法解釈とは何か,これまで憲法の各条文について国会・行政の場でどのような議論が交わされてきたのかを,国会議事録・答弁書等を資料として引用し,元内閣法制局長官である著者が詳解する。憲法改正を語る前に理解すべき,政府の憲法解釈を知るための書。


 

2015年11月25日(水)

高村自民副総裁また暴言

「9条2項守れは法匪」

 自民党の高村正彦副総裁は24日、東京都内で講演し、政府による集団的自衛権行使容認の憲法解釈を批判し戦力不保持を明記した憲法9条2項の条文を守れと主張する政治家、法律家にたいし「憲法本来の目的を忘れた法律屋、法匪(ほうひ=法律の知識を自らのために悪用する者)だ」と非難しました。

 高村氏はこれまでも、「憲法学者は9条2項の字面に拘泥する」などの暴言を繰り返してきており、「反知性主義」などと厳しい批判の声が上がっていました。今回の発言にも批判が高まるのは必至です。

 高村氏は講演で、「国民の命を犠牲にしてまで、憲法9条2項の条文を守れというような考えをしてはならない。そのような解釈をする人は法律家ではなく、憲法本来の目的を忘れた法律屋、法匪だ」と言い放ちました。

 さらに、駐留米軍の合憲性を争った1959年12月の最高裁判決(砂川判決)は集団的自衛権など問題にしていないにもかかわらず、同判決が「憲法上、国民を守るために必要な措置を取ることは許容されていると明言したものだ」と強弁。「これがもっとも重要な法理だ」として、砂川判決さえあれば憲法9条の解釈変更はすべて許されると絶対視しました。

 高村氏は、「100の学説より一つの最高裁判決だ。これが立憲主義だ。憲法9条3項となったと言っても過言ではない」などと暴論を展開しました。

 

コメント (13)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 丸川珠代環境相の「風評被害... | トップ | 米軍が国境なき医師団への空... »
最新の画像もっと見る

13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
凶相 (十澄)
2015-11-25 20:31:46
加齢があるにしても、たった16年でここまでひどい凶相になれるとは正直驚きです。
99年の写真もイケ好かないおっさんて感じですが、しかし「凶」度では比較になりません。
なんかいつも瞳孔開いてる感じだし…。

堂々たる大道を自身をもって堂々と往く者は、こんな顔や眼はしないものです。
やっぱり「自分は疚しいことをやっているのだ」という自覚が意識的無意識的にあって、それを他人からは気取られないようにしかめっ面をし続けた結果、呪いのお面みたいにとれなくなってしまったのでしょうね。
知りませんでした (リベラ・メ)
2015-11-25 22:06:30
私全く知りませんでした。高村副総裁が“弁護士”だなんて…。谷垣氏や稲田女史が弁護士なのは知っていましたが…。ブログ主さん、“同業者”として彼等彼女等をどう思っていますか?
ええ!!?何回も書きましたよ(笑) (raymiyatake)
2015-11-25 22:16:23
それを言い出したら、自民党と連立政権を作っている公明党の山口代表や、北側副代表も弁護士ですよね。。。

橋下市長も吉村新市長も中原徹元大阪府教育長も。

なんかまだまだ悪い例がいっぱいあると思います。

まあ、あれちゃいますか、どんな所にもどんな職業の人にも、ええ人もおれば悪い人もおる、と。

そう言わな、しゃあない。
こう並べると (十澄)
2015-11-25 22:23:38
弁護士が日本を征服したようなもんですね、マジで。
世の中じゃ「医者か弁護士」と並べますが、とんでもない。
弁護士のほうがよっぽどすごい。
皮肉じゃなく、もし弁護士全部が「こっちのほうがラクだな」とばかりに政府に迎合したらと思うと、ゾッとしますね。
仰有る通りですね…。 (リベラ・メ)
2015-11-25 22:39:20
主さんの仰有る通り、いい人、悪い人、残念な人、惜しい人…色々居るんですよね…。
愚著 or 迷著 !? (lemonlemon)
2015-11-25 22:42:08

『選挙ってなんだろう!?』 っていう迷著、愚著(!?)が最近、発刊されたらしいです。

著者は 「高村 正彦」と「島田 晴香(AKB)」です。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4569827853/ref=s9_simh_gw_p14_d0_i1?pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=desktop-1&pf_rd_r=1Y5S9Q544PCZ4R5P48WH&pf_rd_t=36701&pf_rd_p=207655209&pf_rd_i=desktop


第一章は

「民主主義ってなに?
多数の人を一時的には騙せるかもしれないけれど、長く騙しつづけることはできない。多数決原理は長い目でみると、比較的正しい。


ですが、

お笑いです、ため息が出て来ます。

は ぁ ぁ ぁ ぁ。。。。。。。。。。。。(苦笑い)

Unknown (DM)
2015-11-25 23:29:03
笑えすぎWWWWWWWW

砂川判決が憲法根拠とか
憲法学者どころか
司法関係者でも賛同する人ゼロWWWWW

悪徳は 弁護士の本性? (バードストライク)
2015-11-25 23:31:16
この間、イーチさんが、「 橋下の狡猾さは職業病 」的な判断を下しておられましたが、ようやく納得できました。

つまり、弁護士というものは、「 法に基づいて何かを行う / 法を逸脱しないように何かを行う 」、ではなく、「 法の抜け穴を探す / ギリギリ脱法直前を狙って何かをする 」 ものなのですね。

お行儀よく法を守っていては、お金にならないんでしょうね。
と、いうことは、
我らがブログ主さまはーーー
...貧乏?!(笑)

昔、イソ弁、その次、軒弁、これから、ルン弁?
金になるなら、霊感商法O・K、サラ金no problem 、赤線地帯飲食業ウェルカム、顧問弁護士、引き受けます。

高村の顔は、取り憑かれた凶相なのか。
癌末期に見られる、ヒポクラテス顔貌みたいな気もするが、まだ死なない () 。

安保法制を巡って、NHK日曜討論に出ていた時、落ち着き無く、感情をコントロールできない様子で、狂気を感じさせた。島田鮨が必死でカバーしていたっけ(笑)。
アレな人 (政治学徒)
2015-11-26 14:25:26
高村さんって「より一層アレな人になった」という感想しかないですね。
もともと某宗教団体とか日本会議やら、色々アレな人ではありますが。

最近出たAKBの本も完全な二番煎じ。
PHP的には南野さん、内山さんの「憲法主義」が売れたからなんでしょうけど、企画が安易すぎるね。
立ち読みしたけど、中身が違いすぎるからね。
こういう企画に巻き込まれる島田さんもかわいそうだな。

ここ読んでいる人は、内山ほかの「憲法主義」を買って勉強する事をオススメします。
他分野の人でもすごく勉強になる本ですよ。
(特に内山ほかの「ほか」の人が素晴らしい解説書いていますから・笑)
Unknown (とら猫イーチ)
2015-11-26 18:20:11
 弁護士さんに、色々おられるのは、確かですが、殆どの方々は、厳しい倫理を守っておられますよ。 

 否、司法関係の御職業についておられる方々は、大半の方々が倫理感の厳しい方々ですね。

 私が現職の折に、ある刑事事件の傍聴をした折に、未だ若い検事が、被告席の暴力団幹部を厳しく論難される場面があり、それを聞きながら背筋を正しました。

 法廷に入る折に、府警本部の方とともに入廷すると、傍聴席の暴力団の方々が、ビクッとされたのにも気づきました。 

 私の仕事は、行政職でしたので、あまり司法関係の方々とは御付き合いはありませんでしたが、学部が法学部でしたので、殆どの者が法律を職業上で専門にしていましたね。 

 公務員は、法律を学んだ者ばかりではないので、法学部出身であると、嫌でも押し付けられます。 

 ですので、仕事で、警察や裁判所等へ行く機会が多かったです。 それが嫌で公務員になったのに、これなら、最初から司法職を目指すべきだった、と途中で勉強を始めましたら、途端に、全く関わりのない部門へ転勤でした。 世の中、上手く行きません。。。 

 でも、土木・建築関連の法令の穴には、詳しいですよ。 我が家の改築の折には、開発・建築部門の窓口へ自分で出向き折衝しましたが、相手の職員に業者と思われて雑な言葉遣いで遇せられました。 

 税務所でも、税務事務所の人間と思われる次第で、申告書を持参した際には、お互いこの月(三月)は大変ですね、等と労われました。 

 ま、どちらの部門の業務にも十年以上は従事しましたので、臭うのでしょうか。。。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

安倍政権の戦争法」カテゴリの最新記事