「牢人と庭」 2005年03月15日 | 詩 もう長いこと外界(そと)なんか見ていなかった、 そこには、一人の老人が佇んで 使われなくなった 灰皿、 遠く うつろ しかし、その眼差し そう、あの娘にもあの息子にも会っておかなければ。 握りしめる手の細く 硬い しかし、その重い 力、力。 命なんて千も万もいらないのだ、 ただひとつだから生きられる。 魂の数だけ色が変わる 庭へ。 もう長いこと、外なんか出ていなかった « 「ゆきぼっくり」 | トップ | 「小雪オレンジ」 »