名古屋するめクラブ

~名古屋発くうみるあそぶ~

深井律夫著「黄土の疾風」

2014年11月26日 08時00分00秒 | 読む

<以下書評より>

高杉良氏絶賛の第3回城山三郎経済小説大賞受賞作。

日中両国の農業の危機を克服するため、投資ファンドを設立し黄土高原で村興しを始めた大塚草児。

草児の後見人、宮崎善幸が社長を務める総合飲料メーカー・六甲酒造は、

欧州穀物メジャー・オレンジサントの乗っ取りの標的となっていた。

村興しの成否は? 乗っ取りは回避できるか?

日中の架け橋となる壮大な物語。

*******

著者の方を知る同僚のお薦め。

編集者の「荒削りだけどエネルギッシュな作品」

というコメントの通り、

途中もう少し説明があるといいなという箇所もあったりしましたが、

そんな思いすら払拭するほどの物語のドライブ感と、

中国を熟知した人だからこその「視点」と、「心意気」が感じられる語り口で、

一気に読み上げました。

中国の産業変革のポイントは"農業"、

という視点は、全くもって共感できるし、

おそらく日本もそうに違いないと思うし、

著者の農業への実直な深い情熱みたいな熱い思いにも、感動した。

あと、これは個人的なことだけど、

「新彊ウィグル自治区」が舞台になっているところも、5年前の旅の記憶と重なって、小説の世界に引き込まれたひとつの要因かも。

あの、視界をさえぎるものの何もない、何も育ちようがないただただ漠然と広がる砂漠の地。

あの空気感と光景は日本にはない。

中国の金融法規やM&Aなど、バンカーとしての専門的描写も随所にありましたが、

何より、人間愛がうまく描かれた優れた、

(作者としてはそう言われるのは本位じゃないかもしれないけど)

ある種浅田次郎的エンターテイメント性をもった作品、

ではないかと思いました。

黄土の疾風 (角川文庫)
深井律夫
KADOKAWA/角川書店

谢谢你介绍!


旅の手帖

2014年09月11日 12時00分23秒 | 読む

Kioskで衝動買い。

秋の匂いがしてくると、

こんな雑誌に手が伸びる。

1冊の中に、

日本の魅力的な露天風呂が紹介されている。

全国津々浦々いろんな露天温泉が紹介されているのに、

結構温泉好きなのに、

行ったことあったのは、

秋田の鶴の湯長野の高峰温泉

の2箇所のみ。

日本は広い。

入りたい温泉は

まだまだ数え切れないほどある。

旅の手帖
2014年 09月号 [雑誌]
交通新聞社

魔法の麹レシピ

2014年06月30日 08時05分19秒 | 読む

塩麹だけではなく、

甘酒だったり、味噌麹だったり、

いろんな麹の使い方が写真つきで説明されていて、

麹の歴史や効能のことがよくわかりまいた。


今回は、

ここに紹介されてた、

塩麹のドレッシングを作ってみました。

たまねぎとなじんでおいしかった!


ひとさじで料亭の味!
魔法の糀レシピ

(講談社のお料理BOOK)

浅利 妙峰
講談社




司馬先生の街道をゆく「本郷界隈」

2013年09月05日 12時00分15秒 | 読む

なかなかアップできずにいる、

この春、本郷の町を歩いた時に写した写真の数々。


本郷は、

東京の中でも、古い東京を感じることができる町。

そうは言っても、

東京が栄え始めたのは江戸時代だから比較的新しい町というわけだけど、

その中でも本郷は、今となっては数少ない、

古き良き時代の東京が残る風情ある町。


加賀藩のお屋敷跡(東大赤門)や、

森鴎外、宮沢賢治、樋口一葉他、

数えきれないほどの著名な文豪にゆかりのあるこの町に

昔からなぜか惹かれ何度か訪れているのですが、

今回、この町を歩いた話を偶然母に話したら、

この町にかつて住んでいた知り合いのお宅に、

若いころ下宿していたことがある、

という話を初めて聞いた。


私がこの町に惹かれちょくちょく足を踏み入れていたのは、

コトバで直接語られずとも、

うら若き母の(甘くウツクシイ?)良き思い出が

私に刷り込まれていたからなのかも!?



街道をゆく 37 本郷界隈 朝日文庫 / 司馬遼太郎 シバリョウタロウ 【文庫】
街道をゆく 37 本郷界隈 朝日文庫
/ 司馬遼太郎 シバリョウタロウ 【文庫】


司馬先生の街道をゆく「白河・会津のみち」

2013年09月04日 12時00分41秒 | 読む

司馬先生の著作には常に、

ヒトに対する「愛」が溢れていますが、

街道をゆくシリーズの中でも、殊、「白河・会津のみち」には、

会津の人への愛と、計らずも歴史の潮流に巻き込まれていった、

会津の切ない因縁への畏敬の念で満ち溢れていました。


この著作の中、

いかに入念にテーマがセレクトされ、

表現や語彙に気を配られているか、

数頁目を通しただけで伝わってきます。


そういう意味でも、

日本人として忘れてはならない、

会津の悲しく残酷な歴史の一幕を

今、このタイミングでNHKが大河に取り上げてくださったこと、

今までそれほど日の目を浴びてこなかった会津出身の幕末の武士たちを

明るくポジティブに描いてくれていることに、

敬意を表します。

ホントに。

【送料無料】街道をゆく(33) [ 司馬遼太郎 ]
街道をゆく(33) [ 司馬遼太郎 ]


街道をゆく「白河・会津のみち」司馬遼太郎

2013年06月24日 07時00分13秒 | 読む

「八重の桜」も、

とうとう、会津戦争に突入しました。

どう描いても、きっと描き切れないであろう、会津の悲劇的史実を

大河ドラマではどのように表現されるのでしょうか。


すでにNHKのいろいろな番組によって、

ある程度は会津魂が刷り込みされてるから、

そこそこイメージは膨らんでいるのですが、

何せ、福島へは高校の修学旅行(磐梯山メイン)でしか行ったことがなく、

福島の地理的イメージを補うべく、

司馬先生の街道をゆくを読みました。


街道をゆく 33 白河・会津のみち、赤坂散歩 朝日文庫 / 司馬遼太郎 シバリョウタロウ 【文庫】
街道をゆく 33
白河・会津のみち、赤坂散歩
朝日文庫 / 司馬遼太郎



「なにから書き始めていいかわからないほどに、この藩についての思いが濃い」

と、司馬先生の筆を鈍らせたほど、会津の歴史は深い。

この、会津版の街道をゆくは、

他に比べ、会津の「人」について多く描かれている。

「古来、都人(みやこびと)があこがれた地」

であったとは、オドロキ。

中部地方の歴史って、もう十分に研究し尽くされた感あるけど、

奥州には、一般には知られていない歴史事実が

まだまだいろいろありそう。


それにしても、

現代に生きる福島の方々は

この会津の悲しい歴史をどう後世に伝え、

自分たちの中でどう昇華させてるのかな。


新潮社 季刊誌「考える人」

2013年06月21日 12時05分17秒 | 読む

こんな雑誌があるの知りませんでした。

自分はたまたま、

村上春樹さんと小澤征爾さんとの対談本が小林秀雄賞を受賞して、

その記事が掲載されている、ってことで買ったのですが、

この雑誌、期待以上におもしろかった!

一つのテーマに沿った、

とにかくいろんな分野で活躍されている方のインタビューやエッセイが、

なんともうまい具合に、オトナの知的好奇心をくすぐって、一つ一つホントに興味深い。


これは、「歩く~時速4㎞の歩行」

というテーマのバックナンバーだったのですが、

「沢木耕太郎×角幡唯介対談『歩き、読み、書く ノンフィクションの地平』」

梨木香歩インタビュー「まだ、そこまで行ったことのない場所へ」

関川夏央「明治十一年、イザベラ・ルーシー・バード、東北への旅」

安田登「日本の神々はよく歩く」

斎藤潤「島の道をつぶさに辿る」

藤波源信インタビュー「毎日叡山一周千日回峰行」

湯川豊「移動が見つけだしたもの--池澤夏樹を読む」

海部陽介「人類が歩いてきた道」

小林朋道「若い女性はなぜ歩くテンポが速いのか?」

養老孟司「ヨーロッパの身体性」


と、タイトルをちょっと見ただけでもそそられませんか??


以下、新潮社の本紹介のページに、創刊にあたっての編集長コメントが掲載されていましたのでご参考まで。


「創刊にあたって」
(新潮社HPより)

産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースは plain living, high thinking(=シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)という言葉を書き遺しました。
工業化と都市化の急速な進展のなかで、イギリス人が本来持っていたはずの plain living, high thinking を人々が失いつつあるのではないか、とワーズワースは感じ、嘆いたのです。

ちょうどその頃、ロンドンに留学していた夏目漱石も、イギリス人が環境汚染に悩まされ、都市生活がもたらす不安とストレスにさらされる様子を見て、そこに日本人の未来像を予感していました。

 私たちの暮らしも生き方も、産業革命後の世界の上に成り立っています。さらに、IT革命という新しい大きな変革の波の上に私たちは浮遊しています。漱石の予感を上回る変化のなかで、私たちは生きているのです。

暮らしにはモノも情報も溢れている。私たちが日々のなかで「考えている」のは、ほんとうに自分が考えたことなのか、疑い始めるとなんだか怪しくなってくることもあります。溢れる情報の何を選択し、何を捨てるのか。暮らしに大切なこと、不要なモノをどう判断すればいいのか。大きな変革の波は、私たちの生活に、頭のなかに、じわじわとしみこみ始めています。その大きな波のなかで自分の船をどのように漕ぎ出せばいいのか、途方に暮れることも少なくありません。

ものの考え方と暮らしはウラとオモテのようなもの。暮らしぶり、生き方と無縁の「ものの考え方」はないはずですし、「ものの考え方」はその人の日常から切り離すことはできないはずです。plain living があってこその high thinking であり、high thinking あってこその plain living なのです。

私たちは今ふたたび、ワーズワースの言葉を頼りにして、自分の頭で考える力を問い、シンプルな暮らしを考えるべき時間と場所へたどり着いたのかもしれません。

たまにはテレビを消して、身の回りも整理して、一人の「わたし」に戻り、自分の言葉と生活を取り戻したい。溢れるモノや情報をいったんせき止めて、ひと息つきたい。思考する頭に新鮮な空気を送り込みたい。そんなあなたのために用意する、小ぶりの静かな部屋に季刊誌「考える人」はなりたい、と考えています。

創刊編集長 松家仁之


さすが編集長、うまいこというよね~


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The Economist May 18, 2013号

2013年06月17日 07時00分15秒 | 読む

Is it a bird?

Is it a plane?

NO! IT'S JAPAN!


我が国の総理大臣を、世界のヒーロー、

スーパーマンに例えているのですね。


Abenomics、Nationalism、

and the Challenge to China.

か(全文はこちら)。

なんとなくきな臭くなくはないけど、

がんばってください、アベさん。

それにしても、

Economistの表紙はウィット利いてますよね。


世界の夢の本屋さん

2013年06月14日 23時15分12秒 | 読む

読書家ではないですが、

いろんな本がたくさんあって、

自由に閲覧できる環境からか、

自由な発想が溢れてるような気分になるのか、

図書館とか本屋が好きです。

「世界の夢の本屋さん」

その名の通り、

世界中の、夢のように美しい本屋の店内を紹介する写真集。

代官山蔦屋書店、

も登場しています。





【送料無料】世界の夢の本屋さん
世界の夢の本屋さん


音楽を「考える」by茂木健一郎/江村哲二

2013年05月18日 00時26分57秒 | 読む

いろいろ参考になるところもあったけど、

あまり共感できることはなかったかな。

(ちょっと専門的でちょっとヒステリック)

「音楽」と銘打っているのに、

西洋の「クラシック音楽」限定で話が進行しているのに

少し違和感。

やっぱ、

音楽は考えず、

直観で楽しみたい、

というのが感想。


【送料無料】音楽を「考える」 [ 茂木健一郎 ]
音楽を「考える」 [ 茂木健一郎 ]


1Q84完読!

2013年05月16日 23時30分20秒 | 読む

いやはや、時間かかりました~

ファンタジーが苦手な自分としましては、

お借りして読み始めたものの、

途中3年!休んで、

GW辺りから一気に読み始めたのはよかったんだけど、

読み始めた途端、

おかしな夢を見たり、

太陽を2つ見たりしながらも、

本日読み終わりました。

(私がなかなかお返ししないもんだから、途中文庫本買って読み返してくれたEチャンに感謝!)


【送料無料】1Q84 BOOK1 (4月ー6月) [ 村上春樹 ]
1Q84 BOOK1 (4月ー6月)
[ 村上春樹 ]



なるほど。

まさに、A級の「物語」ですよね。

「オトナ向けのグリム童話」とも

究極の恋愛小説ともいえる、

かもしれない。


この際、内容は置いといても、

文章の上手さと表現力、

すごい。


読みながら、

「うまいこと言うねぇ」

と、何回うなったものか。。。


音楽の描写も、

音楽を愛する人にしかできない表現力で、

圧倒される。

特に、

ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」


ヤナーチェク シンフォニエッタ.wmv



と、

サッチモの「アトランタ・ブルーズ」

Atlanta Blues (Make Me One Pallet On Your Floor)




の、

曲描写は、

うなります。

小説のプロット的なものについては、

共感できる部分は少なかったけど、

「物語」はとてもよくできているし、

「情感」と「音楽」の描写部分には

マジ

ただただ感銘を受けるのみです。

Eちゃん、貸してくれてありがと!

3年も!


1年目の祈り。

2012年03月11日 23時01分01秒 | 読む

震災から1年。

果たして、

日本は、

自分を含めた国民は、

正しい方向へ進めているのだろうか。


今ここに司馬先生がいらしたら、

なかなか答えを見い出せない日本人に対して

どんなことばをかけてくださるだろうか。。。

今一度

司馬先生の著書を読んで

自分の思いを自分なりに整理する。



外山滋比古著「思考の整理学」

2011年11月12日 15時55分55秒 | 読む

秋の読書週間最終回。

高校の大先輩、外山滋比古先生、

2007年のベストセラー「思考の整理学」。


初刊は1986年。

最近は、入試問題によく使われているようです。

まるで、私たちのころの小林秀雄先生の「考えるヒント」みたいな?

この本を書くことになったきっかけは、

卒業論文をどう書いていいかわからないと苦労している大学(院)生のために、

自分の頭で考えて書かせるにはどうすればいいか、

考え出す力というのはどうすれば得られるのか、悩んだこと。


人はいかに「思考」すべきか、断片的「思考」をどのように整理し系統立てるか、

自らの試行錯誤を具体的に紹介していく、といういかにも先生の講義を聴いているかのような本。

いろんなアプローチが紹介されているから、自分に合ったものを選んで試してみるのもいいかもね。


あとがきも英文学者ならでは。

日本人の「think」好き論。

thinkという動詞は、I think, therefore I am(われ考う、ゆえにわれあり)にあるように、

思考が相当はっきりしていて、

結末への見通しも立ち、完結した思考を叙述するべきで、

日本人がよく使う「思う」は、It seems to me に近いという。

I supposeではなく、It seems to me なのですね、なるほど。


『I think のエッセイが試論であるとするなら、

It seems to me のエッセイは随筆、随想ということになる。

エッセイストはもっとも身近なところで思考の整理をしているのである。

何か考えたら書いてみる。その過程において考えたことが

It seems to me から、少しずつI think へ向かっていく。』

【送料無料】思考の整理学 
思考の整理学


なるほど。

つまり、備忘のため、なんとなく続けているこの拙ブログも、

自分にとってなんらかの思考の一助となっているってことかな。なんちゃって。

ちがうか。

それにしても、

私の読書嗜好はかなり偏りがあるな。。。

グライダー型人間代表。



谷川俊太郎と100人の仲間たち「生きる」

2011年11月11日 00時05分05秒 | 読む

友人が全快祝いに送ってくれた

谷川俊太郎先生の「生きる」。



生きているということ

いま生きているということ

それはのどがかわくということ

木もれ陽がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思い出すということ

くしゃみすること

あなたと手をつなぐこと


生きているということ

いま生きているということ

それはミニスカート

それはプラネタリウム

それはヨハン・シュトラウス

それはピカソ

それはアルプス

すべての美しいものに出会うということ

そして

かくされた悪を注意深くこばむこと


生きているということ

いま生きているということ

泣けるということ

笑えるということ

怒れるということ

自由ということ


生きているということ

いま生きているということ

いま遠くで犬が吠えるということ

いま地球が廻っているということ

いまどこかで産声があがるということ

いまどこかで兵士が傷つくということ

いまぶらんこがゆれているということ

いまいまが過ぎていくこと


生きているということ

いま生きているということ

鳥ははばたくということ

海はとどろくということ

かたつむりははうということ

人は愛するということ

あなたの手のぬくみ

いのちということ


【送料無料】生きる(第2章) 
生きる(第2章)

PS.O君、本ありがとう。お互い、愛する(愛してくれる)人のために生きましょうね。ま、私の場合、親なんだけど。トホホ。


サン=テグジュペリ著「人間の大地」

2011年11月10日 22時33分33秒 | 読む

秋の読書週間、買い溜め本消化中。


みなさんは、この本なんで買ったんだろう、てことないですか?

買ったことすら記憶にない、みたいな・・・


サンテグジュペリ「人間の土地」。

堀口大学先生訳。


星の王子様のファンでもないし、

ファンタジーが好きなわけでもなく、

フランス文学に興味があるわけでもない。

ここ数年の間に自分で買ったのは間違いないんだけど、

この本なんで買ったんだろう。


この表紙、宮崎駿さんが描いたらしいのですが、

この絵いいよね。

素の感じがして。


この本、

ジャケ買いならぬ、

表紙買いしちゃったのかな。


【送料無料】人間の土地改版 
人間の土地改版