名古屋するめクラブ

~名古屋発くうみるあそぶ~

長谷部誠著「心を整える。」

2015年03月12日 12時35分33秒 | 読む

日本代表キャプテン長谷部選手の著書。

副題「勝利をたぐり寄せるための56の習慣」

とあるように、

「心を鎮める時間を作る」、「整理整頓」「遅刻が努力を無駄にする」

など、長谷部選手が普段から実践している「習慣」が56個記されている。

すべてがあまりに教訓的で、学級委員にお説教されてるような錯覚に陥る瞬間もあったけど(笑)、

吐くほどのプレッシャーを抱え、日本人を背負って孤軍世界で戦う覚悟を思うと、

きっとこれくらい律しないとサバイバルできないんだなー、

と納得。

でも共感できたとこありました。

「孤独に浸かる」の項。

長谷部さんは、ひとり温泉を推奨されていて、

「自分にとって本当に大切なものは何なのか、自分と向き合う時間を作るのに「ひとり温泉」はうってつけ」

と。

わかる~

自分は、長谷部さんが訪れるような豪華な温泉には行けないけど、

道すがら、ひとりで考えたり、

温泉に浸かりながら、いろいろ思ったりすることで、

自分を静かに見つめられる、ってところはとても共感できました。

共感できたのそこだけ?

って突っ込まれそうですが、

とにかく終始「超まじめ」スタンスが貫かれていてちょっと疲れました(笑)。


終わりの方で紹介されてたエピソード。

キャンプかなにかのときの食事中、某後輩が、

「お前、ご飯が残ってるじゃないか!一粒残さず食べろよ!」

と言うと、言われた方の選手が言ったひとこと。

「長谷部か!」

長谷部さんは、そういう感じでいじられているのですね。

そんな隠れネタ満載。

長谷部選手の公私に触れられる一冊。

それにしても、

長谷部さん世代のカリスマはやっぱりミスチルなんだなー、

と納得。

心を整える。
勝利をたぐり寄せるための56の習慣
(幻冬舎文庫)
 
幻冬舎

トマ・ピケティ著「新・資本論」

2015年03月03日 07時52分12秒 | 読む

流行に乗って?

かどうかはわからないけど、

周りで読み始めた人がちらほら。

クローズアップ現代でも、

熱血教室でも、

教授ご自身による解説を聴いたけど、

「ベルエポックの到来」

「格差社会の打開」

「資産への課税」


わかったような、

わかんないような。。。

ま、冨があるわけじゃなし、自分はいいかな。

追求されたい方はこちらをどうぞ。

トマ・ピケティの新・資本論
トマ・ピケティ著
日経BP社




内田篤人著「僕は自分で見たことしか信じない」

2015年03月02日 12時03分17秒 | 読む

ブラジルワールドカップで孤軍奮闘(してるように見えた)

内田選手の本。

普段、こういう指南本?は読まないのですが。。。

と思ったら、指南どころか、

サッカー愛が綴られた自分ドキュメンタリーでした。

代表戦のウッチーしか知らなくて、

なんとなくチャラくて、なんとなくぶっきらぼうなイメージを持っていましたが、

静かに燃える熱い男!でした。

鹿島への愛、

シャルケへの情熱、

今までどんな風にサッカーと取り組んできたか、

いかにどん底から這い上がったか、

鹿島3連覇のこと、

欧チャンピオンリーグのこと、

カーオーディオで聞く音楽のこと、

カラオケで歌う曲のこと、

好きな女性のタイプ、

等々、

赤裸々とまで言わずとも、

率直な文章で自分のこと語っていて、

内田選手がグッと身近になり、

シャルケを応援しよう!

というキモチにもなった!


スポーツ選手は、

結果出して何ぼ、

SNSじゃなくフィールドで語る、

カッコエェ~

ウッシー(ウッチー)及びサッカーファンは言うまでもなく、

全てのスポーツ好きにオススメの一冊。

ウッチー、いいヤツ。

僕は自分が見たことしか信じない
文庫改訂版 (幻冬舎文庫)
幻冬舎

これから購入される方は、↑この文庫改訂版がお薦めです。初版本の文章にかなり加筆されています。

PS.文中、ご両親のこと、おとうさん、おかあさん、って書いてるの、最初違和感ありましたが、大テーマからすれば結局、些細なこと、徐々に気にならなくなりました。


ふるさと納税とNISA

2015年02月06日 12時00分40秒 | 読む

ふるさと納税。

この制度による経済効果、予想を遥かに超えたらしい。

2013年度の統計でも、

46道府県が受けた寄付件数は4万5292件、

額にすると、12億6167万円で、

2014年は少なくともそれを上回る予定、

とのこと。

すごいね。

ふるさと納税完全ランキング2015
(別冊宝島 2260)
宝島社


免税かつ株主優待のごとく副産物までいただける、

となれば、

寄付しちゃおうかな、

って気分になるよね。

それに比べて、NISA。

ふるさと納税と同様の、

個人消費者向けの経済政策のひとつ、

こちらはちょっと伸び悩んでいるようでして。。。

住民票が必要だったりして手続きもちょっと面倒だし、

国民の心のニーズにマッチしない施策だった、

ってことかな。。。つまりは、、。


佐渡裕著「僕はいかにして指揮者になったのか」

2015年01月28日 21時00分47秒 | 読む

TV番組をきっかけに、再読。

この本、こんなに面白かったっけ!!

佐渡さんの生い立ち、

幼少から受けてきた音楽教育、

小澤先生、バーンスタインとの運命的な出会い、

コンクールをいかに勝ち抜いたか、

フランスを初め、ヨーロッパ各国のオーケストラ団員といかにコミュニケーションを図り棒を振りぬいてきたか等々が、

佐渡先生ご自身のイキイキとした言葉で、分かりやすく描かれていて、

すべてのテーマを、興味深くかみ締めながら読みました。

音楽を愛する全ての人にオススメの一冊。


佐渡さんとバーンスタイン師匠は、運命の糸でつながっていたんだなー

僕はいかにして指揮者になったのか
 (新潮文庫)
 

池澤夏樹著「スティル・ライフ」

2015年01月14日 12時00分29秒 | 読む

池澤夏樹、芥川賞受賞(1988年)作品。

池澤さんって芥川賞向きじゃないような気がするんだけど受賞されてたんですね。

この小説、池澤作品の中では芥川賞寄り?なのかもしれませんが、

それでも先生の文章、

好きです。

理科的な描写や文章構成。

無駄な修飾がないのもいい。

で、ドライかといえば、とてつもなく叙情的で、

されど、三人称的で冷静な視点。

この作品、

内容的に賛否両論あるみたいだけど、

内容如何というより、何より情景描写がすばらしい。

特に、

崖っぷちで雪を見つめるシーン。

あんな雪の描写、読んだことない。

しっくりくるというか、波長があうというか。。。

先生のモラトリアム具合が自分の性に合ってるのかな?

スティル・ライフ
 (中公文庫)
中央公論社

 


佐渡裕著「僕が大人になったら」

2015年01月13日 12時00分14秒 | 読む

番組を見て、再読したくなり本棚を探す。

あった!

一昨年のダイナミックな断捨離を潜り抜け残ってました、

佐渡先生の「僕が大人になったら」。

CDジャーナル(1997年5月号〜2001年4月号)に連載されていたエッセイ集。

前書きは「大人になったらベルリンフィルの指揮者になりたい」

という小学校卒業文集のコメント。

当時、中心に活動されていたコンセール・ラムール管弦楽団、

他、パリ管、シュツットガルト放送交響楽団、ミラノ、チェコ等々

で振った自らの経験を、自らの言葉で、「素直に」綴った、

これこそ、指揮武者修行紀行文。

かつて訪れたことのある劇場や、ポゴレリッチなんかのプレイヤーの名がストーリーに登場すると、

遠いヨーロッパの話でも、ぐっと親近感が沸いてきます。

フランスやドイツのオケ(音)に対する佐渡先生の認識なんかも、

普段聞くことのできない貴重なお話。

「もっとも大切な才能とは、好奇心、探究心、勇気である」とのこと。

佐渡先生の文章は、

佐渡先生の作り出す音楽と同様、

読む人に勇気と元気を与えてくれるエネルギーで溢れてます。

僕が大人になったら
若き指揮者のヨーロッパ孤軍奮闘記
 (PHP文庫)
PHP研究所




東野圭吾著「ナミヤ雑貨店の奇跡」

2015年01月07日 11時55分22秒 | 読む

バケーションの移動中に読んだんだけどなかなか面白かったから、

と同僚からもらった本。

「流星の絆」といい、この本とといい、

東野さんのストーリーメイク力ってすごいね。

発想も、物語展開も、実に巧み。

いつのまにかワクワクさせられて、東野ワールドにどっぷり浸かりました。

悲しい部分もあったけど、読み終わりの後味もよく、痛快。

年初に読んで正解。なんかスッキリした!

せっかくなので、チェーンリーディングを、と、本好きのコワーカーにバトンを渡したのでした~

ナミヤ雑貨店の奇蹟
角川書店
(角川グループパブリッシング)

池澤夏樹著「きみのためのバラ」

2015年01月06日 12時13分47秒 | 読む

なんとなく読書の秋モード継続中。

「考える人」で紹介されてた、

池澤夏樹著「きみのためのバラ」。

ドラマのないドラマ。

ありきたりのなんてことのない日常の繰り返し。

人生ってそんなもの。

この人の書く文章、客観的でなんか好き。

「僕」も「私」もない3人称的視線。

て、ネットでいろいろ見てたら、この池澤さん、

「ハワイイ紀行」の著者だった!

そういえば、この本も好きだったんだよなぁ。

ハワイイ紀行 完全版 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


考えず思わない読書をしたい人へお薦めの一冊。

池澤夏樹著「きみのためのバラ」。

きみのためのバラ
池澤夏樹
新潮社

 


渡辺和子著「置かれた場所で咲きなさい」

2014年12月22日 23時29分25秒 | 読む

普段、指南本はあまり読まないのですが、

イノッチと有働アナを崇め、

今やあさイチ教の信者と言ってもいい母が、

番組で紹介されているのを見て読んだ、

というので、

借りて読んでみました。

内容は、一語一句シスターらしい愛情あふれるお言葉で

心洗われるものでそれなりに読み応えがあるのですが、

文中で引用されていた、

坂村真氏の「冬がきたら」という詩が、

季節柄なのか、特に心に沁みたので控えておこうかと。

*****

冬がきたら

冬のことだけ思おう


冬を遠ざけようとしたりしないで

むしろすすんで

冬のたましいにふれ

冬のいのちにふれよう


冬がきたら

冬だけが持つ

深さときびしさと

静けさを知ろう・・・

*****

この詩への自分の感想は、

著者の意図(冬を人生と読み替えて理解するというような)とはちょっと違い、

苦手な「冬」をこんな感じで乗り切りたい、

というまさしく詞の言葉通りの思いで、

全部、毎年冬が来るたびに感じることなんだけど、

今回この詩の言葉は、なぜか心を打ち、心に残ったなぁ。

こんな言葉がわかるお年頃になったということかな。

置かれた場所で咲きなさい
渡辺和子
幻冬舎

深井律夫著「連戦連敗」

2014年12月20日 22時35分29秒 | 読む



さてなんと、この本。

中身は「巨大市場」と同じでした~

どうやら、単行本である「連戦連敗」出版後、

文庫化されるとき、タイトルを変えて出版されたようです。

アマゾン買いは、

こういうハプニング結構起きますよね。

トホホ。

それにしても、

多分編集者の入れ知恵?だと思うけど、

なんでタイトル変えちゃったのかな。

内容からして、断然「連戦連敗」の方がいいのに。


Wedge10月号「遺伝子検査ビジネスは『疫学』か『易学』か」

2014年12月16日 18時33分10秒 | 読む

『疫学」か『易学』か。

この記者さんセンスある。

気になる方は、Wedge10月号をご覧ください。

Wedge (ウェッジ)
 2014年 10月号 [雑誌]
株式会社ウェッジ


ただ、

記事の中には

「疫学」か「易学」について、

これといった結論はなかったような。

当たり前だけど。


深井律夫著「巨大市場」

2014年12月16日 12時00分08秒 | 読む

「黄土の疾風」に続く、深井律夫さんの著作。

 おもしろかったんだけど、黄土の疾風に比べ、

M&A、JV、業務提携、資本投下等々経済色がさらに強く、

正直読みづらい部分もありました。


おそらく著者ご本人のお考えだと思うのですが、

「日中が協力すれば世界最強」

という確信に近い信念が終始一貫して貫かれいて、その点はすがすがしかったです。

ただ、反日感情、賄賂に汚職に、ないと信じたい人を陥れる罠の数々。

単なる商慣習の違いと言い切れない理解しがたいこともあり、

ちょっとしんどかった。

ただ、黄土の疾風同様、その場に居合わせているかのような躍動感と、

まるでノンフィクションであるかのような表現力は、おそらくご自身の生の経験がなせる業なのではないかと、

読みながら、そんなことを考えておりました。

中国にご興味ある方にはお薦めの一冊。

勉強になります。

巨大市場 (角川文庫)
深井 律夫
KADOKAWA / 角川書店

藤原てい著「流れる星は生きている」

2014年12月03日 19時15分32秒 | 読む

にわかに読書の秋モード。

久しぶりに本読んでます。

あまりにも有名な、藤原ていさんの「流れる星は生きている」。

藤原先生の著作に触れるたび、いつかいつかと思っていながらなぜか手が伸びずにいた一冊。

「黄土の疾風」の参考図書として紹介されてたのを見て今度こそ読んでみようとポチっとね。

すごい。

あまりにも。

とてつもなく劇的で、

とてつもなく壮絶。

一気に読みました。

「よくぞ活字に残してくださった」というのが、まずもっての感想。

夫である作家の新田二郎さんも、別の地でこの激動の時を過ごされていたとはいえ、

生涯当時のことにはまったく触れなかったと聞くと、

すべてが、一瞬でも脳裏をよぎることすら辛い事実ばかりのはずで、

どんな思いを持ってこの本をお書きになったかは知りませんが、この紛れもないわが国の歴史的事実を後世に残してくださった功績は計り知れません。

淡々と描かれた、ひとつひとつの出来事に、

私ですら「マジか」って思うのに、今の若者たちが読んだらまさしくフィクションだと思うにちがいないけど、

これは、まさに後世に伝え継ぐべき日本史上の重要な事実。


いやはや、この時代の女性のたくましさは想像を絶する。

自分はなんと甘ったれなのか、

と自らを省みる。。。

お薦めの一冊。

流れる星は生きている (中公文庫BIBLIO20世紀)
藤原 てい
中央公論新社