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オルセー美術館展

2014-07-20 10:49:52 | 美術[あ]
「オルセー美術館展 印象派の誕生」@国立新美術館

 2010年のオルセー美術館展は、ポスト印象派だったが、今回はバリバリの印象派っぽいやつが84点来ている。有名な美術館なので、マネ《笛を吹く少年》、ミレー《晩鐘》、その他、印象派のビッグネームが目白押し、あまりにも有名な作品がちょいちょい紛れ込んでいる。だがしかし、《晩鐘》を見るとミレーではなくてダリが浮かんで来ちゃう病気を患っている。現代医学でも治療方法は見つかっていない。

 《草上の昼食》といえばマネのスキャンダラスな作品が思い浮かぶが、残念ながら今回はスキャンダラスなエロランチではなく、モネの《草上の昼食》とセザンヌの《草上の昼食》が来ていた。モネの作品はもともと4m×6mもある巨大な作品だったようだが、家賃が払えなくなって売り飛ばしたため、戻ってきたときには痛んでいて、いい所だけ切り取って2枚になってしまったらしい。絵柄はおしゃれな公園ランチという感じ。セザンヌの《草上の昼食》は21cm×27cmという小さな作品で、オランジェリー美術館の所蔵作品なのに出品されていた。絵柄はやっぱり普通のランチ風景がちょこちょこっと描かれている。


 カイユボット《床に鉋をかける人々》:昨年のカイユボット展には出てなかった、一度見たら忘れない独特の作業シーンが描かれている。床がどんどん綺麗になっていく、躍動感のある雰囲気。窓の外にはビルの丸い屋根が見えるので、この部屋もけっこう上の階にあるのだろう。


 カバネル《ヴィーナスの誕生》:アドルフ・ジュルダンの模写は見たことあるが、本物ははじめてかな。海の上で眠るという人間離れした、まさにヴィーナスとしか言いようのない姿は優雅で美しく、猥褻さは感じない。そのかわりヴィーナスの上を飛び回る小さな天使たちが、小バエのようで鬱陶しかろう。


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