魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

日本のワインについて-詳しくない方ほど読んでいただきたい

2015年08月12日 | ワイン ~2019年
普段日本のワインのことをあまり書かないので、今日は書いてみたいと思います。

ワインに詳しい方はご存知でしょうが、詳しくない方にこそ知っていただきたいことです。



まずはこちら(クリック)をご覧ください。

日経ビジネスですが
「国産ワイン、実は4分の3が輸入果汁を使っていた政府が今秋以降に表示ルールを整備」
こんな記事があります。

一部抜粋----------------------------------------------------------------

 つまり、自主基準では原料の産地に関係なく、生産地が国内であれば「国産ワイン」と
名乗れるわけだ。産地の表示義務もないことから、消費者が誤解を招きやすかった。

 海外では産地ごとに厳しい基準を定めてブランド化している国や地域が多い。例えば
フランスではワイン法で「原産地統制名称」を定め、地域ごとに使用するブドウ品種など
を決めている。ブルゴーニュ地方のシャブリ地区で栽培したシャルドネ種を原料に、製造
した白ワインのみが「シャブリ」を名乗れるのがその代表だ。

----------------------------------------------------------------抜粋終了

こんなのはいけないから、政府が国産ワインの表示ルールを見直すことになった、というニュース。


赤ブドウ生産の北限を過ぎている北海道(十勝)の赤とか昔からちょっと不思議でした。
つまりは輸入ブドウ、もしくは輸入果汁を元に日本で醸造しても国産ワインとなっています。

もともと日本にワイン文化はなくて、一般的にはつい近年(東京オリンピック1964年以降)
徐々にワインを飲み始めた程度ですので、本質を分かっていませんでした。
当然のことながら「ワイン法」はありません。これこそがすべての根源なのです。

何でもアリです。リンゴワインだってイチゴワインだって。訳の分からない生ワインとか
もうね、滅茶苦茶なんですよ。

かつてUSAになぜか「シャブリ」(有名なフランスのシャブリ地区でもないに)という名の
ワインがありました。最近は法整備のせいか見かけません。

ですからワイン法を制定するということはとても大切なことなのです。
出所のしっかりと分かるフランスワインから飲み始めるのは、決してブランド
だとか、オサレからだけではないんです。


もうひとつ。

ちょっと乱暴な言い方ですが、日本のワインには大きく分けて2種類あります。

ひとつは<お土産用のワイン>。
ワイナリー見学をして、その試飲室やレストランで試飲販売している大量生産タイプ。
味わいは初心者や、普段ワインになじみのない方々に受けが良いように、甘めで、軽いタイプ。
ブドウも普段は果実として食べるブドウ品種で造ることも多い。


もうひとつは<世界に打って出る、もしくはこれぞ力作!>という本格派を目指したもの。
こちらは普段からワインが大好きな方たちに喜ばれます。そしてこの地ならではのアイデンティティー
が表現されたりします。ワイン用の品種で造られます。


もちろん私が押したいのは後者の方です。
日本でも真面目に日本のワインを造り、近年は品質を向上させているメーカーも
存在します。ただ致命的に日本の気候は多湿。雨が多すぎる。さらに日照不足。
生産コストも高いので、コストパフォーマンスもチリとかにはまだまだ及ばないでしょう。
(この点は主観といえば主観になるでしょう)

でもその中で懸命にがんばっていらっしゃる方々、特に若くて志のある方にはどうチャレンジ
していくのか見せていただきたいと思っております。

お読みのみなさまも、これを知ったうえで、これからの日本のワインに接するなり、
応援をしていただきたいと思います。

また、理想の地を求め、海外に出て行ってワインを造っている日本の方もいますので、
それは国産ワインとは言えないでしょうが、応援してみてはいかがでしょう。


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