青龍神界鏡

次はまた首相してみんかお前。
https://www.youtube.com/watch?v=CsI7GSs4d1s

九十九面目   妖星乱舞 その二

2012年10月24日 19時00分00秒 | 投稿

クェフクゥは小走りしつつ踊っています。
腰に両手の甲を当て、自前の小唄を歌いつつ目はあらぬ方向を向いたままです。
顔は歌舞伎役者が如きの化粧で、身にまとうのは彼の言う”踊りつつ処刑する服”です。
まるで道化師です。
踊るクェフクゥは考え事をしています。
”一体全体どうしてこの星の人間達ってこんなにも美しく汚らしいんだろう。
何で何だろう。
何で何だろう。
何で何だろう。
なーんでなんだろーーー。
もしかしたらこうなのかもしれない。
美しさを鋭らしめるために、わざと汚らしさを混ぜているのかもしれない。
でも、どうして自分の魂までわざと汚らしくするのだろう。
どーしてなんだろーーー。
フーンフフフフーン♪
そうだ、きっとこうだ。
こういう事をすればいいんだ。
自分達の汚らしさが美しさを際立たしめるようにボクがすればいいんだー。
どうすればいいかなー。
どうすればみんな綺麗になるのかなー。
分からないなー。
そうだ、そもそも、みんながどのような美しさを求めているのか調べないとなー。
一体何なのだろう。
分からない。
分からない。
分からない。
分からない。
分からない。
分からない。
分からない。
分からない。
分からない。
分からない。
分からない。
分からない。
そうだ、とにかく問い詰めよう。
誰か答えてくれるだろう。
教えてくれ。
一体何なんだ。”
クェフクゥは大勢の金星人達の心を読み始めます。
全宇宙貫通神霊能力の発揮です。
”うーん、分からないな。
一体何なんだろう。
みんな自分勝手だ。
これでは、どんな美しさを求めているのか、分からない。
みんな自分勝手だった。
自分の顔を美しくしたいと言っておきながら、人の顔を醜いとあげつらう。
自分の背を高くしたいと言っておきながら、背の低い民族を田舎者だと嘲笑する。
自分の家柄を貴くしたい言っておきながら、下層階級を奴隷と侮辱する。
政治家となって、偉く振る舞いたいと言っておきながら、大勢の人々を苦しめても欲望を満たす算段をしている。
一体何なんだろう。
何が金星人にとって美なのだろうか。
どうすればいいのだろう。”
クェフクゥは踊りを止めます。
誰かを睨むような声に怒気を込めます。
「皆が弱々しい汚らしい意思で、何より尊い金星の星魂(ほしたま)を汚している。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。
許せない。」
私に霊視出来るのは、クェフクゥの霊体が恐ろしく巨大な昆虫に変身していく姿です。
クェフクゥの霊体、超美形昆虫形象の顕現です。
一般人の霊体は巨大でもせいぜい数メートル程度です。
運動選手や企業の重役のものがその程度です。
政治家や格闘家、芸術家は更に巨大で三百メートルにもなる人がいます。
クェフクゥの霊体は何と金星より巨大です。
昆虫が金星を覆っているのです。
金星内部の世事など手に取るように分かります。
クェフクゥは神通力を持っていたのです。
クェフクゥは右手の拳を目の前にかざしこう呟きます。
「この連中は・・・」
右手を開掌にし、右横に払う仕草。
「もう要らない。」
右手をはたりと体側に付け、首を二度頷く仕草をします。
「滅殺をする。」
前方に歩み出します。
「滅殺をする。」
一歩一歩足を進みながら一言ずつ、
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。」
「滅殺をする。
ウゥォァアアアアアアアアアアッッッッッ」
クェフクゥは叫び声を上げ、全身に力を漲らせます。
すると、クェフクゥの霊体は金星の四倍ほど巨大な恐竜形象に変身し、宇宙を見回します。
周囲に誰もいないクェフクゥはこう呟いて決意を表します。
「これから、私は、金星人の過ちを正すため、金星人の、あらゆる過ちを、道化師として演じ切ってやろう。
そうすれば、金星人は、私の、道化師としての踊りと言葉をまず面白がって聞くはずだ。
そして私が、金星人を、滅殺しても、金星人は、面白がって死んでいくはずだ。
何故なら・・・」
クェフクゥは虚空を睨み上げます。
「金星人は・・・」
右方向に視線を変えます。
「変態的倒錯美渇望主義者共だからだ。」
右に向いた首に合わせるべく、体の方向を変えます。
「変態的な美欲望の奴隷共だからだ。
そんな連中が金星の星魂を汚しているのだ。
金星を守るのだ。
宇宙を守るのだ。
私の仕事なのだ。
私の魂の仕事なのだ。
この全宇宙貫通神霊能力を揮うのだ。
我は金星の星魂の分霊なり。
分霊にして本霊。
金星神社の本祭神。
本祭神にして、宇宙開闢神の眷属神。
眷属神にして、本霊。
本霊にして、神使。
霊的存在にして、人間たる金星人。
金星人にして、道化演ず。
金星人は愚かなり。
愚かにして、無知。
無知にして、大罪。
我道化演じ、愚かを正す。
正すがまま、滅殺す。
滅殺がまま、踊る。
踊るが如く、説法す。
道化が如く、女を口説く。
金星人なる、淫乱処女。
道化に自ら、よだれを垂らす。
呆けたる眼と口元、破壊を美と違えたまま永遠の死と絶頂の交わり。
我、残虐なる文明破壊道化師クェフクゥ。
美と違えた破壊に耽る愚か者共、美しく貫き、死の絶頂を与える者。
怒りたる金星の星魂、かくしてドレスの裾清潔なるを覚えん。
死と交わるがよい。
貞操も性交も知らぬ淫乱なる処女共。
貫くは我が魂。
宇宙究極美顕在化神界の本祭神クェフクゥ。
喰らえ金星人共。
俺の全宇宙貫通神霊能力。
霊的存在に人間は敵わんのだ。」

全宇宙貫通神霊能力

二千二百四十九青字


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