人間が全知となるのは不可能である。
大勢は上の一行に同意するでしょう。
私もその通りです。
ところで私の場合、実際の可能性の具備と実践の検討の上での同意です。
全知になれるのですが、そのような事をしようとすると私の現実的生活や今まで磨いてきた感動能力が破綻してしまうのです。
副作用のない、超絶的快楽を齎す薬物の日々や、言葉を唱えるだけで巨石を動かす文明の利器の情報の詳細を知ろうとし、また知って耽溺してしまったならば、私の日常への回帰が困難となってしまうのです。
それには大変な時間がかかり、そして既に大変なことになっているのです。
私は自身の言論活動に必要と思われる情報を知っています。
それだけで十分と思っております。
そして、初めの一行から人間が恐らく想像しうる便益を十分に引き出すことができます。
要するに欲しい情報は自由に降ろせるのです。
そういう意味で私は全知になれます。
一行目とは全知の用法が違うのです。
現在となっては、注意は必要ですが情報収集に対価はありません。
霊能力を使っているのです。
興味に任せた情報収集により、好奇心の満足が達成されたか。
そうでもありません。
大部分はその時の状況や強いられた戦いに付随して知っていった次第です。
緊張が知的満足を大いに減じていました。
上の状況が終わったころには、私には人間が立ち入ってしまった秘密の宇宙図書館の古文書数十巻の読了の知識が溜まっていました。
懐中電灯で逃げ込んだ暗闇の宇宙図書館で喧嘩をしながら敵の情報を探っていっていたようなものでした。
必死だったのです。
私は幼少時から文系人間でした。
古代インドや南米、エジプトの現代の科学者ですら屈する難解な数学理解、天文学の知識、惑星間の距離や光の速度にまで言及している文学に惹かれていました。
少年ながら何となく異星人の足跡を匂っていました。
数年前から神道に興味を持ちだし、霊能力の覚醒時には神名は七十柱ほど言えました。
自分でもかなり多い方だと思います。
哲学者や心理学者の本が魅力的な書名で本屋に並んでいれば必ず立ち読みをする人間です。
英語を長らく勉強しておりましたが英英辞書を数冊駆使しておりました。
超絶的霊能力に覚醒した男には知的体力にそこそこの自信があったのです。
戦いの終わった今となっては、日本史に混ざりこんだ異星人の真意をくつろぎながら探ることもできます。
そして私は読者の好奇心の範囲は分かる人間なのです。
読者の知的関心の範囲の淵を刺激し、驚きと理解の定着を推測しつつその淵を更に押し広げる事が出来ます。
自信があります。
既に私の手元にある情報だけで好奇の眼差しが大いに集まるでしょう。
情報の根拠は物理的に挙げられません。
しかし読者が納得に追い込まれる状況説明と背後論理を言語でつらつらと展開できます。
自身の長期間に渡る知的誠実さは、脚本会社の壮大な社会変動計画に絶対に服属しないのです。
私が大勢を虚偽で籠絡に成功したとしても、その後の私の精神が破綻していくのです。
証拠を挙証せずに真実性を高められる科学論理の展開の際に再度説明します。
科学論理は異星人に教えられました。
私の同志達です。
以下のような情報はいかがでしょうか。
関心が集まると思います。
かつて太平洋に存在した広大な大陸は異星人の兵器で沈められた。
理由は自分達が降ろしめた兵器や状況を収められなくなったからだ。
聖徳太子と豊臣秀吉は異星人だった。
降臨の目的は侵襲行為を現地民との同化と合法性で隠蔽するためであった。
小アジアの地下には巨大な地下空間と邪神殿が存在している。
大西洋に存在した大陸では獣人形象の異星人が強姦を繰り広げた。
民主党のある政治家は愚かにも異星人に接触を試みた。
自民党のある政治家は異星人と契りを結んだが、全て霊的存在である神霊に筒抜けであり、後に叱責を受けた。
崑崙は実在しており、欧州のある国が資料を収集した上、入口を封印している。これは危険な霊的空間と人類の接触を遮断する摂理の発動だ。
欧州の大勢の社会学者は異星人の知的啓蒙を受けた。
レオナルド・ダ・ヴィンチや古代ギリシアの数学者達は異星人だった。
古事記の記述が意味蒙昧なのは、霊的摂理発動による攪乱を受けたため。
日本の神に完全な魔物がいた。
大西洋の魔の三角海域の犯人は異星人だ。
大和三山は異星人が造った。
米国の有名映画に異星人の脚本が混じっている。
月は人工天体だ。
脳に薬物を注射し、霊的能力の意図的覚醒により異空間の扉を開こうとしている異星人がいる。
日本のテレビに異星人が堂々と名乗って登場した。
日航機墜落事故は自民党のある政治家達が犯人だ。
秦氏の起源はユダヤ人だ。
殺されて完全に肉体を模写され、戸籍を奪われている日本人がいる。
寝ているときに電波を照射され、脳を一時的に殺されている日本人がいる。
密教は異星人が編み出した。
情報のネタはその他大量に引き出しにあります。
開示には一生かかるでしょう。
何度も折に触れて述べることでしょうが、異星人の科学技術と残虐性にはとにかく絶句させられます。
地球人とは脳の構造が根本的に異なるようで、思考過程に地球人が通過する躊躇がないようでした。
自身の好奇心と情報の背後の知的論理に誘われた読者はしかし、読み進めてしまうでしょう。
私は宇宙究極の酸鼻を、人間性の皆無を凝視しました。
地球に三つとない瞳を持っております。
稀有な男です。
ところで花に誘われた蜂は養蜂業者に囲われていても蜜を降ろしめるのです。
読者も私のように、目は涙に濡れ、必ずこの問いを構築することでしょう。
“神はこの世にいないのか。”
そして養蜂業者は蜂を放ち、蜜を不当に吸ってきた魔物共を襲わせるのです。
力を求める意志を持つ者がより高位の神なのです。
戦いの忌避を上品と謳うだけの道徳本の路上販売などやかましいのです。
その内に読者は気づく事でしょう。
花壇
二千三百八十青字