King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

ティピカの味わい

2020年04月17日 10時58分04秒 | 珈琲

昨日も夜に走り出したら雨でいつもの80%程度で引き返しましたが、桜橋を渡りあの三段坂

を上り運動強度的にはいつもの10K並みには負荷がかかったかなと思い帰宅しました。

最近周りのうちの庭にもいろいろな花々が咲き、各家の顔というか伝わるものに色々と思うところも

あるわけですが、これはまず庭のしきたりとか枯山水の思想とか色々と基礎知識を要し、簡単に

こうだと私がここに書いても素直に伝わるかどうかという問題をはらんでいます。

それに秩父の今と同時に問題もこれに絡んできます。

庭にダリアやヒマワリを植える人というかつての丸山健二のコラムを思い出したり、

ダリアより豪華な花をつけるシャクヤクやシャクナゲなど色々と思いは膨らみます。

 

そんなとりとめもないことを書いても仕方ないとあきらめ昨日の続きの新豆評価を

します。

 

グアテマラの豆というとブルボン系が多いわけですが、この高地で取れた豆をオンデマンド系の

豆屋はなぜか深煎りにします。これはケニアも同様で、とにかく苦くて深く焼けばいいと思って

いるのか薪とか炭で焙煎する人もとかく豆は焦げるように黒くすることを目標にしているのかと

いう塩梅です。

 

一方ジェット焙煎とか電気の焙煎機で焼いているその場で焼いてお渡しの店の人はお好みの

焼き加減をひとつの売りにしており、笑い話のようにじゃあミディアムでというフレーズが

いつもよみがえります。

 

今回はティピカということでいつものグアテマラと同様、シティで焼いて評価しましたが、

一晩たちやはり落ち着きと香りや風味はグアテマラというよりコロンビア風のティピカ独特の

ものを出してきました。

 

こういうのは時間が経つとノートと鉛筆の香りとか古い木の机の香りとかに通じるものがあり、

なんとも懐かしいのです。

 

これほど豆と色々なものが行きかい思いが交錯する焙煎の現場でなぜ小さいグアテマラの豆を

深く焼く気になるのかとまた問うてしまいます。

 

アルバイト店員が聞く焼き加減におかませというとじゃあミディアムでと答えるシステムなど

おおよそぞっとするようなものですが、現実なのです。スーパーには500g300円程度の豆も

たくさん並んでいます。そんな豆よりインスタントの何々がうまいというつぶやきなどSNSの

記事にいくらでも出くわします。まして、コーヒーファンのあつまりですら成城石井の豆とか

インスタントの豆とケーキの画像がバカバカと続いて出てきます。

 

実際スーパーには一列全てコーヒーと紅茶のコーナーがあるわけでそれだけの豆を誰かが買うことを

思うと裏通りの当店などどうしたものかと思うことがありますが、そんな店にもネットで見たとか

グーグルマップで探してきたとかいう人もいるわけで、私同様スーパーの豆や町のコーヒー屋で

満足できない人は大勢いるのです。そして有名通販店や多くの有名店をさておいて買っていただける

というのは本当にありがたいことです。

 

ティピカというのはエチオピアの原種に近い豆で最近では収量が少なく、病気も

流行ったりと人気はないのです。作り手はより収量の多く病気に強いハイブリッドを

植えて少しでも収量が下がると畑全部を植え替えてしまうというまるで日本のキャベツ

畑のように相場が下がれば木もそのままブルトーザーでつぶされてしまうのです。

それをわざわざグアテマラでティピカにこだわって作っている農園があり、それも

風味がよいからというこだわりには頭が下がります。

 

そんな作り手の気持ちも伝えたくてグアテマラのティピカを今回は

仕入れたのです。

 

この豆の話は明日も続きます。


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