King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

ジャスミンシャワー

2018年06月11日 09時51分59秒 | 珈琲

今月のブレンドは『光のイディア』ですが、それは秩父の今見られる情景に由来します。

それは古来掛軸や日本画のモチーフになっている天気現象であり、これから毎日のように見られる

秩父の景色です。

ただ雲間から指す日光の筋が見られるだけですが、その筋を意識してみることにより、自身の心にも

その光が射していることに気が付くのです。

そして、光が心にも明かりを灯したかのような妙に心に落ちる心地がします。

そのイメージを珈琲に込めて表現したのが今月のブレンドです。

なんとも神々しい景色なのにこの夕時の時間なためにほとんどの人はそんな景色が繰り広げられていることさえ

知らずに過ごしています。

なんとももったいない話です。

これから秩父の自然現象はさらに佳境に入り、ホタルの乱舞や、森に降り募る雨の音や、

雨上がりの森を抜ける風や、夕焼けとそれは美しい光景が繰り広げられます。

そんな美しい自然とともにあること。その一部として秩父に暮らしていることを

感じ暮らすことのすばらしさを常々訴えているわけですが、なかなか人々にその

感動を伝えるに至らないもどかしさを日々感じます。

さて、今毎日夜街を走り感じるのは、一番強烈に香っているのは栗の花です。

くちなしの良い香りも今が季節ですが、植わっている家は少なく、走っていて

その香りに癒されることはほとんどありません。ミューズパークのサイクリング

コースですと結構あり、それ香りが感じられます。さらにこれからねむの木も

咲きミューズパークはおすすめのランニングコースです。一方市内や市街地では

余り心地よくない栗の花ですが、これから先はオシロイバナが咲くとまた違って

来ます。ただここのところ一ヵ所だけ、光のイディアに通じる心地になれる場所が

あるのです。そこを通るとまさに浄化され身も心も軽くなり、走り疲れてそこに差し掛かっても

とたんに体が軽くなり生き返ったかのような心地になりなんとも幸せな気持ちになります。

それだけ爽快でさわやかな心地であり、生命の息吹のような空気なのです。

場所はお花畑駅の踏切から市役所に抜ける坂です。普段から色々な花が咲くところですが、

伝承館に差し掛かったところから空気感が変わります。ここ一週間くらいの間、最後の

この自宅までの難関の坂が逆に待ち遠しく通るのが楽しみになっていました。ただ、これが

何の花かは解らなかったのです。というのは昼間通り確かめて写真を撮ってみてその香りで

直ぐにジャスミンだと解ったのですが、昼間のその香りとはまるで別ものであり、昼間は

世間一般の人が知るあの香料のジャスミンティーなどの飲料の飲み物に付けられた人工の

香りと同じ匂いです。この低いところに植えられた花は見えづらく、ここにジャスミンが

あると知る人は少ないでしょう。そして夜には昼間と違いなんとも謎めいて香ることも

知らないでしょう。この通りはモクレンやつつじや桜と色々な花が咲き楽しませてくれる

一角です。市役所ができ今まで植わっていた木は虐げられ植え込みもずいぶん変わりました。

建物も以前の建物から比べたら風情や機能性や先進性という当然求められるものはなく、

なんともダサい建物でとてもあの巨費を投じてこんなものという感じです。意匠とデザインも

多分15年もしたらあの飛び出た庇のようなコンクリートは災いとなるだろうと気にかかりますし、

まばらになった植え込みや移動させられた銅像やら石碑などセンス以前の問題の様なものも

感じます。しかし、それはあの坂を上りきり市役所の前を通った時の気分で、あの伝承館の

坂を思うとまた明日の夜あそこを走りたいと思い、その幸せな心地が寝るまで続きます。

この様にあまり知られていない魅力が他にもいくつもあるのが秩父です。

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