かたむく暗箱

空想の暗室

眠っただろうか 

2005-11-03 23:31:13 | 写真と虚言
<寒さに震える夜明け前に見た 季節はずれの夢>5
眠っただろうか そっと女の子に視線をやると 眼を閉じています 
美しい鼻筋が月光に斜めから照らされ 顔半分の向こう側は暗い闇に沈み
稜線が際立っています もう自分も眠りに潜り込んだことを自覚します 
こうして 童話が始まるのです 眠ったふりをする夢 
その夢は浮遊しているようでもあり 強い圧力を感じたりもしているのです
「なにしに来たの 」
「眠りに 」
「お葬式のような静かな眠りを 」
「死を待ち望む夢だとしたら 」
「美しければ 」

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