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社会と技術

2012年10月26日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

私の家もインターネットとTVは、光ファイバーのお世話になっていますが、自分の家だけで言えば素晴らしいことなのですが、本当は、自分の家のことだけでなく、街並みにまで視野を広げて考えねばなりません。光ファィバーの普及で、社会的には少しバランス感覚を欠いているのが電柱を用いた架空配線です。光ファイバーが普及するにつれ、街のアチコチで電柱周りの配線が見苦しい状態になりました。都心の一部では、電気と共に共同溝で地下に収められてすっきりした地域もありますが、ほとんどの場所では電柱周りの上空はゴチャゴチャです。光ファイバーは1本のケーブルに多芯が収められ、電柱付近で家庭に分岐する場合には、クロジャーと呼ばれる四角い箱の中で分けています。電柱の上を見てください。ケーブルにクロジャーが付いた辺りは各社が入り乱れた混雑が見られます。

電電公社であれば国策として通信と共に、街の景観整備、震災対策などもしたかもしれませんが、民間企業として熾烈な競争におかれているので、配線の乱れはNTTだけの責任ではありません。競合会社の中には、他社の資産、例えば東電の電柱さえ勝手に使わせろ、事前審査/申告でなく事後報告にしろなどと、自分勝手な事を言う会社もある位ですから。。電話会社は安く、早く、ケーブルを引きさえすれば、街の景観などはどうでも良いことなのです。自由競争の結果が全て良しと言う訳ではないのです。自由競争は無責任な競争のしわ寄せも生み出します。そこには目を閉じて自由競争の良さだけを強調する事に騙されてはなりません。社会インフラは、国家の管理が必要です。送配電の分離なども競争させるだけでは混沌も生じる事でしょう。

日本が光ファイバー化に進んでいるのを見に来たスイスの人を都内の住宅街に案内したことがあります。スイスの家庭は、大きな家に見えても、4家族が集合した家が多く、1軒当たりの家の広さで言えばアメリカほどではないのですが、日本のように1軒毎が小さめの庭を持つより、家自体は4軒が集まっているので庭も4軒分がまとまって広々、スッキリ見える場合が多いのです。そのスイス人からすると優先度で日本人は勘違いしているのでは?「この住宅、街並みの状況で、家に光ファイバーで100Mbpsを引いたからと言って、それで国民は幸せなのか?」 という疑問をぶつけられました。

インターネットで何を見ても、知っても、それは言わば「虚」の世界で、「実」の世界ではありません。地震の多いこの国で、ゴチャゴチャした街並みをそのままに、光ファイバーを引き込んで電柱周りの景観をより見苦しく配線して、何が幸せなのかという根本問題にたち帰ると電話会社や配線技術の領域を超えています。エンジニアも電話会社も自分の分野(通信、配線技術)でだけ努力し、その分野を突出させても外から社会として、大きな枠で見るとアンバランスに見えるのです。これに携わってきた人達もが悪いのではありませんが。。。しかし、努力して世界に先駆けて町中に敷きつめた光ファイバーも新しい技術が進めば無用の長物になってしまうのですから技術の進歩は素晴らしさと怖さの両面があります。その技術を社会とバランスさせるのは至難の業です。

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