楽農倶楽部(別館)

楽農倶楽部の別館です。
ブログ漫才の相方は、あなた (´∀`)9 です!

高騰する石油:フードセキュリティーへの脅威

2005年08月14日 18時58分02秒 | 政治・経済
 お金と言うものがエネルギーの対価であると言うことは、以前次の記事に書きました。

食えるエネルギーと食えないエネルギー
http://plaza.rakuten.co.jp/rakuno/diary/200412310000/

 補足しておきますが、「食えるエネルギー」は「環境を維持することによって恒常的に与えられるエネルギー」であり、「食えないエネルギー」は「環境を破壊するエネルギーでありいつかは枯渇するエネルギー」と解釈してもらったほうが上の記事は読みやすいかも知れません。
 バイオマスのコメは食えますが、木材などは食えませんからね。(^_^;)

 食えないエネルギーは地下から掘り出した石油や石炭などのエネルギーですが、これをバイオマスなどのエネルギーと等価に考えている経済の仕組みがおかしいのですな。
 エネルギー密度は石油などのほうが高いため、単に燃やして利用するなら石油のほうが価値があるかも知れませんが環境には有毒です。
 石油から色々なものがつくることができますが、所詮は天然物の紛いものでしかありません。
 どう考えても等価に考えるべきでは無いと思います。

 本当に価値のあるものを石油はつくり出してはいないのですな。

 現在の経済は石油と言う価値の低い物をバイオマスなどの本当に価値のある物と混同することによって、石油の側の人間がバイオマスの側の金を掠め取るような仕組みとなっています。
 早い話が石油に依存する傾向のある職種ほど、本当の意味での生産活動には関わっていないと言うことです。

 食物などは「地産地消」が最もエネルギー効率の良い形態です。
 無駄に動かしても鮮度が落ちて栄養価が損なわれるだけです。鮮度が落ちないように冷蔵庫をつくってみたり、高速で輸送の工夫をしようが、余計なエネルギーを費やしているだけであり、実際に必要とされる食物の生産活動には全く無関係なエネルギーの消費であり浪費に過ぎないのですな。
 石油が安価なうちは、このようなバカなエネルギーの浪費も人々の許容範囲かも知れませんが、石油が高騰したらどうでしょう?
 現在でも石油は高騰しておりますが、十年もすれば石油を最も浪費している米国と中国の埋蔵している石油が枯渇しますので、石油はさらに高騰するでしょうね。

 実際に次のような問題が今起きているのでありますから、未来の子供たちのためにしっかり考えておくべきだと思います。

高騰する石油:フードセキュリティーへの脅威
http://www.ecology.or.jp/wwn/0507.html
情報元:
エコロジーシンフォニー - EcologySymphony
http://www.ecology.or.jp/index.html
 今日の食品システムは畑から食卓まで安い石油に頼りきっているので、石油供給に対する脅威は食料供給に対する脅威でもある。食品システムのエネルギー消費量は、処理工程の複雑化・輸送の長距離化で年々増加している。

 エネルギー浪費大国である米国の食物に関わる石油の浪費の状況は次の文章のとおりです。

 アメリカの食品システムが毎年使用するエネルギー量は1,055京1,000兆ジュールを上回り、フランスの年間総消費量に匹敵する。農場での生産にかかるのは全体のわずか5分の1で、5分の4は出荷後の輸送、加工、包装、販売、保存に使われる。農業に費やされるエネルギーの使途は、肥料製造(28%)、灌漑(7%)、播種機・耕耘機・収穫機用ディーゼル燃料・ガソリン(34%)、残りは農薬生産や穀物乾燥などである。

 食物の生産活動に使われるエネルギーは全体の1/5に過ぎず、4/5は消費活動のためにエネルギーが使われているのですな。
 本当に必要とされているものは食べ物であり、パッケージや無意味な経費ではないのです。
 現在の社会構造では、流通も大事な仕事ではありますが、スーパーなどのやるような買い叩くための流通などはエネルギーの無駄遣いとしか言えません。

 食物の貿易こそ無駄の最たるものです。

 食品の輸送距離(フードマイレージ)はかつてないほど長くなっており、西側諸国の青果物は農場から店まで2,500~4,000kmの道のりを運ばれることも珍しくない。ますます開放される世界市場と低い燃料価格の相乗効果で、生鮮食品は―季節や場所にかかわらず―通年輸入することができる。しかしながら、輸送距離が伸びればエネルギー使用量も大幅に増える。食品輸送の大部分を担うトラックは鉄道や船の10倍近いエネルギーを消費する。ジャンボジェット機による保冷貨物輸送(海上輸送の60倍のエネルギーを要する)はチリ、南アフリカ共和国、ニュージーランドなどで生産された生鮮食品を北半球の市場に供給する一翼として、シェアは小さいながらも成長を続けている。

 発展途上国の食べ物を買い叩いているから、無駄な輸送費を使っても採算が合うだけの話です。
 しかも、石油が浪費できる現在であるからできる無駄遣いであり、石油が高騰する将来のことを考えれば、貿易なぞで食糧の安定供給ができるはずがありません。
 特産品の交換などの貿易であれば、それなりに価値はあると思いますが、自国でも生産できるものを他国からぶんどるような現在の食糧貿易のあり方が評価できるはずがありません。

 小売店(スーパーマーケットなど)や飲食店は、食品の冷蔵・冷凍、調理に莫大なエネルギーを使っている。近所の店が「スーパー」に取って代わられるということは、消費者が(1)食料を買うのにより遠くまでクルマを走らせる必要がある、(2)食品を次の買い出しまで貯えておくために冷蔵庫への依存を強めざるをえないことを意味する。一般に大口契約・均質供給を好む食品チェーン店は地元農家、小規模生産者からの仕入れに消極的で、遠い大型農場や流通業者から買い付ける。この点もまた輸送・包装・保冷にかかるエネルギーが増大する原因となっている。

 「安さ」しか芸の無い財界人が、無駄な店舗拡大の競争をして大きな負債を残して倒産したのは最近のことです。
 日本の多くの財界人は、その無能さを皆に知らしめることになったのですが、未だに他人事のように考えている方々が多いのですね。
 彼らの存在こそが無駄と言えましょう。
 そして、その腰巾着みたいなクズ学者どももですね。

 石油に依存する経済で無駄飯を喰らっている連中こそが、日本、そして世界の未来の障害であり敵であります。
 自分のことしか考えないクズどもは、自分たちの子供の未来のことも考える気はない。地獄に堕ちることは確実な存在です。

 「地獄行きの切符」を「天国行きの切符」と勘違いしていませんかね?
 自称「勝ち組」の「勝ち逃げ組」の皆さん。
 逃げ込んだ先は地獄ですぜ。(-∧-)合掌・・・

***** この情報に価値を感じたら *****
← Click!してね。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
成田空港が国内3位の水揚げ漁港? (水産大国)
2005-08-16 00:34:05
>アメリカの食品システムが毎年使用するエネルギー量は1,055京1,000兆ジュールを上回り、フランスの年間総消費量に匹敵する。農場での生産にかかるのは全体のわずか5分の1で、5分の4は出荷後の輸送、加工、包装、販売、保存に使われる。農業に費やされるエネルギーの使途は、肥料製造(28%)、灌漑(7%)、播種機・耕耘機・収穫機用ディーゼル燃料・ガソリン(34%)、残りは農薬生産や穀物乾燥などである。



>食物の生産活動に使われるエネルギーは全体の1/5に過ぎず、4/5は消費活動のためにエネルギーが使われているのですな。



豪州産牛肉についても書きましたが、外国の食糧生産に頼れば頼るほどそこのエネルギー浪費も増量します。しかし、それは流通によって消費するエネルギーにも関係してくるのですよね。



ところで、水揚げ漁港として成田空港がなぜか国内でも上位になっています。これは日本がそれだけ様々な国から食料品、特に生鮮品を購入しているためと考えていますが、いかがでしょうか?



日本の遠洋漁業船が近くの漁場近くの国から水産物を飛行機で送るというケースもあるにはあるのですが、農産物や畜産物の場合はどうなのでしょうかね?
返信する