「チニタの冒険 光のペンダント」
ここはラルマニ村。
ラルマニ村の村人は、みんな働き者。
でも、チニタはいつも、寝てばかり。
気になることがない時は、丘の上で、いつも寝ています。
さいきん気になるのは、村で一番高い、
ラルマニの木のてっぺんに、何日もある雲のこと。
風がふいても木にくっついたままです。
村は昨夜の地震で大さわぎ。
「お~い!!チニタ!!無事だった?」友達のタクです。
タクは地震で困っている人がいないか、村中を歩き回ってきたようです。
どうやら、泉の洞窟の入り口に岩が落っこちて、
洞窟が、ふさがったらしいのです。
ラルマニ村には水道がありません。村人は洞窟の泉で
水を汲んで生活しています。
泉の洞窟に入れないのでみんな困っているようです。
何軒かの家も壊れ、みんな仕事を休んで
壊れた物を直したりしているようです。
しかも、昨日からラルマニ村の村長が行方不明で、
村人はとても不安な様子です。
タクはこれから、泉の洞窟の岩を、とりのぞく作業に
行くそうです。「チニタも行こうよ!!」
タクはチニタを誘いますが、チニタは木の上の雲が
気になるので、断りました。
タクは「いつも寝ているのは勝手だけど、
みんなが困っている時くらい手伝った方が良いよ」
と言って、怒って行ってしまいました。
寝ていたら、また誰かに文句を言われそうなので、
急いで荷物をまとめると、チニタはラルマニの木を
登りはじめました。
上に登っていくとラルマニ村がどんどん小さくなって見えます。
村人はみんな、泉の洞窟の方へ向っているようです。
洞窟の事も気になりますが、チニタには、雲の方が気になります。
チニタは、木のてっぺん目指して、どんどん登って行きました。
雲は、まだまだ上です。
今日は、ラルマニの木の様子が変です。
風もないのにザワザワ・・・。
鳥達が、近寄ってきて「なぜ木に登っているの?
上で大変な事が起きているのに…」と言いました。
やっぱり木のてっぺんで大変な事が起きているようです。
チニタは急ぎましました。
しかし、木はとても高いので、登っていると夜に
なってしまいました。
星空はキラキラとキレイです。
もう少しで、てっぺんです。
てっぺんをよく見ると少し明るくなっていて、話し声がします。
チニタは音をたてずに、こっそり登って行きました。
てっぺんに近づくと話し声がはっきり聞こえるようになりました。
「なんとかしろ!!」「雷を落とすぞ!!」「うるさい!!また振り回すぞ!!」
「姫!!大丈夫でございますか!?」
どうやら木の上でトラブルが起きているようです。