雪の鈴本、豆が欲しいかぁ、そら、やるぞぉ。

2008-02-04 17:54:45 | 文左衛門
2008年2月3日(日)
池袋演芸場 上席 昼の部

志ん坊     「元犬」
柳家喬之進   「仏馬」 
大空遊平かおり
柳家喬之助   「子ほめ」
入船亭扇治   「割引寄席」
ひびきわたる
五明楼玉の輔  「マキシムド?兵衛」
橘家圓十郎     「宮戸川」
ぺぺ桜井
さん生     「うどん屋」
~仲入り~ 豆まき
橘家文左衛門  「千早振る」
柳亭左龍    「初天神」
笑組 
柳家喬太郎   「一日署長」

人が、客席が、裏返ってしまうって、
こんな感じ、目の当たりした、集まり。
立ち見で入り口にあふれかえる会場に、お膝送りと詰めていき、
高座と客席の間にもお客さんが入り、
ついに、仲入りの豆まき。
垂れ下がる蜘蛛の糸を掴もうと手を伸ばしあげる餓鬼どもの様、
お互い掴んだ豆の引っ張り合い、勝負に勝った女性んのもう一方の手にも豆。
か、と思うと、運良く手にした豆を、取れなかった周囲の人にお裾分けしている方も。
どうも、なにも手にすることができずに、お裾分けをしていただいた方です、わたしは。
♪みんなで仲良く食べにこい、(ムリぃ。)

手拭い、豆まきの仲入り後、
躁状態な会場ですが、

文左衛門
二日酔いの文左衛門さん、炸裂の(なかば、やけくその)「千早振る」
こんな面白い「千早振る」はじめて、観たことがない。
さげの謎を、正規のさげを潰して、喬太郎さんにキラーパス。
「とは」は、人の名前に非ず。高座をおりた。

左龍
まくらで、文左衛門さんと文蔵師匠のお墓参りで出会った話、
一緒に釣りに行って魚をさばく、文左衛門さんの言動、
どちらも、文左衛門さんのお人柄を伝えようとしたエピソード。
袖から、着物を脱いで、上下、白のシャツと股引姿、片手に折りたたみのパイプ椅子を。
そのエピソードを盛り上げる、パフォーマンス、素敵な文左衛門さん。
顔芸も魅せる、左龍さん「初天神」。

笑組
アドリブですかね、根多をきちんと演るような、会場のコンディションじゃない。
しかし、この舞台が、凄く面白かった、
このふたり、その場の即興の凸凹なやりとりが、とっても面白かった。
内海桂子好江師匠のお弟子さんなんだ。

喬太郎
今晩は、だれのLIVE?
寄席の会場が、こんな熱い状態になるのかって、いう。
高座の端に座り、「もうみんなで、飲もっか。」
この期に及んで、すばらしい『全方位外交』をみせる。
着席のお客さんに、立ち見のお客さんに、入り口はみ出ているお客さんに、
やさしい言葉をかけ、
客席と高座の間に座るお客さんのために、声が聞こえないといけないと配慮し、
座布団を舞台ぎりぎりまで運んで座り、
とどめは、会場のカメラを通じて、寄席の外、往来に映像の流れるモニターに声をかける。

キラーパス、文左衛門さんを犯人に、「一日署長」
「千早振る」、「とは」の謎を、
ひとつ、ひとつ、新たに解いていく、喬太郎。
会場が、その、ひとつ、ひとつに、大きな拍手と大歓声。
ここは、ワールドカップの決戦会場か。

「血はヤプール、神谷も効かず、立つ田川、
 花録レナウン、水くぐるとは」

永遠の謎。
この騒乱の中、暴動が起きずに、大きな拍手が起こった。

熱かった、外に出たら、雪がまだ降っていた。
火照った顔に雪が気持ちよく、
冷える間もなく、さっそく暖簾をくぐり、冷たいビールを飲んだ。

そうそう、せっかくの雪だから、雪の噺が聴けると思っていたんだが、
豆まきのイベントで、それどころじゃなかった、ですね。
じつは、喬太郎さんは「按摩の炬燵」をかけようと、
着物を準備してきたそうですが、羽織もやけくそで、脱ぎ投げてましたね。
この日に、「按摩の炬燵」いいねぇ、
しかし、そんな雰囲気じゃなかったからね。

もう一軒、新宿で、
お湯割りと、暖めて、家路に着いた。

コメントを投稿