ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [12 Feb. '07]

2007年02月12日 | fine arts
今日は前回訪れた時に次回展示の前売り券を買っておいた千葉市美術館と王子の紙の博物館へ出向きました。とても良い陽気の美術館巡り日和でした。

竹久夢二展 - 描くことが生きること @千葉市美術館
企画展毎に根津の竹久夢二美術館へ行くので、竹久夢二の作品は多くのものを見ていますが、今回は岡山県の夢二郷土美術館所蔵の作品が中心、なかなか見れないものが多く、彼の代表作の数々が展示されたものでした。肉筆画が多く展示されていたことも見どころのひとつでした。竹久夢二の絵の良さはやはり「儚さ」と「愛」だと思います。彼が得意とした数多くの女性画を見れば、やはり儚さと愛を感じることが出来ます。今回、多く展示されたいた肉筆画は素晴らしく、中でも夢二の軸ものはホント、いいですね。好きです。そして夢二の軸ものの場合、その表具がとてもモダンで他の日本画の軸ものにはない様な裂を使った表具が彼の作品と相まってとても良い雰囲気を出しています。夢二の軸ものは表具と共に鑑賞することをお薦めします。あと、印象に残ったのが夢二が大正3年から日本橋で営んでいた彼のデザインした版画、千代紙、半衿や帯を販売する「港屋絵草子店」での祝儀袋にプリントされていた『SOMETHING IS BETTER THAN NOTHING』と言うフレーズでした。これを見て自分は何だかハッとしましたね。で、この美術展は素晴らしい作品ばかりのとても見応えのあるものでした。そして夢二郷土美術館へも行ってみたくなりました。

鈴木鵞湖 幕末に活躍した郷土の画家 @千葉市美術館
竹久夢二展と同時開催されていたのが、現在の千葉県船橋市金堀町で生れ、幕末に江戸で活躍した日本画家、鈴木鵞湖の展示でした。あまり知られていない画家の様ですが、その深々とした雰囲気の画風、緻密な筆致、いぶし銀の様な渋い作品の数々、伝統的な日本画、素晴らしいものでした。隠れた偉人はどの世界にも居るものです。

↓ 千葉市美術館 ↓
http://www.ccma-net.jp/

はいばらコレクション - 創業200年の老舗が守り伝える和紙文化 @紙の博物館
王子へと廻り、日本の洋紙の発祥の地、王子に設立された「紙」に関する資料を集めた紙の博物館へ行きました。現在、行われている企画展は日本橋に1806年より開業している和紙の老舗「はいばら (榛原)」が所有、また当博物館へ寄贈した資料の数々の展示でした。創業以来200年の間に親交のあった画家達による作品を使用した団扇や千代紙、そして「はいばら)」が取り扱っていた襖紙の見本帖、扇子、短冊、のし紙、掛け紙、ぽち袋など貴重な和紙製品が多く展示され、とても興味深いものばかりでした。中には竹久夢二のデザインした千代紙もありました。

↓ 紙の博物館 ↓
http://www.papermuseum.jp/

今日は時間が無く見れなかったのですが、紙の博物館の並び、渋沢史料館の敷地に内にある「晩香廬」と「青淵文庫」のふたつの歴史的建造物内部を現在公開中なので王子へは近々、また訪れるつもりです。


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