ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [平成二十年八月二十六日]

2008年08月26日 | fine arts
いゃ~、まいりますね。毎日、雨で。気軽にちょっとした遠い処へ原チャリで行けずに困ります。あと、原チャリは小廻りも利いてホント、便利です。今日、銀座・日本橋界隈のギャラリーをちょこちょこと歩いて廻って、そのことを痛感しました。原チャリ様々です。

そう言えば、昨日、気が付きませんでしたが、美術展訪問が昨日で去年の539軒を超えていました。今日、終わりの時点で548軒です。ど~なんですかね? まぁ、今年いっぱいは、この調子でバカやってみようかと!? 恐縮です。

緑 イドム 包装 於: OJI PAPER LIBRARY
王子製紙製造の紙の見本を頂けるペーパー・ライブラリーへ。今回の企画は緑色の紙、2種類の紙に同じ絵柄の印刷を印刷会社6社に刷る試み、包装用紙であるクラフト紙にスポットを当て紹介、の三つ。写真の様に緑色の紙でも、もちろんですがいろいろとあって、それぞれの紙の表情の違いが興味深く、また推薦者のコメントも面白かったです。それで、何より自分の気を惹いたのが本来は包装に使用されるクラフト紙、木から取り出したパルプの素朴な生の色が魅力です。その色を活かして、面白いことが出来そうな気がしますね。アート・ディレクターでブック・デザイナーの祖父江慎氏がクラフト紙を「紙らしい紙」と述べていたのが印象的でした。

↓ OJI PAPER LIBRARY ↓
http://www.ojigroup.net/designers/library/index.html

松尾藤代展 TOTAL LOSS ROOM 於: 村松画廊
ここからは画廊巡りです。松尾藤代女史の作品は暗い室内の中から見た窓から差し込む光を描いた油彩画です。いろいろな色彩の光、もやっと描かれた光が暖かさを感じさせ、とても雰囲気のある良い作品だと思いました。かなり気に入り、ちょっと欲しいです。自分の家に松尾藤代女史の作品が掛かっていたら、きっと心地良いでしょう。

↓ 村松画廊 ↓
http://www.muramatsugallery.co.jp/

合田里美 個展 少女時代 ~girlhood 於: unseal contemporary art
セーラー服、制服に身を包んだ少女達を描いた合田里美女史の作品、かなりシュールさを感じるものです。ちょっとイルな感じもあり、人の不安定な感情や儚さを表していると思いました。青を基調としたバックの色彩と少女達の肉体の一部にもなっているピンク色のリボンとのコントラストがまたさらに不穏な情緒を醸し出している様です。

↓ unseal contemporary art ↓
http://www.unseal.jp

Artist Show 於: art project frantic
新進気鋭の若手作家、13名による作品の展示です。自分としてはとりわけ気になる作品はありませんでしたが、どの作品にもパワーを感じました。力のあるものは、やはり強いです。展示されている作品が各作家1~2点だったので、それぞれの作品をもっと見てみたいと思いました。

↓ art project frantic ↓
http://www.frantic.jp

井上裕起 salaMandara / NIPPON-IDEA 於: 和田画廊
FRPで作られたウーパールーパーに和柄が彩色された作品達です。この「salaMandara」はシリーズらしく、今回は「 NIPPON-IDEA」、和物です。その造形、格好の面白さ、奇抜な彩色、作家のこだわりを感じます。また特徴を掴んだ高い技巧力もなかなかです。なにより、その姿形が滑稽で愛らしさがありますね。歌舞伎をモチーフに彩色された "salaMandara" が特に可愛い作品でした。

↓ 和田画廊 ↓
http://www.wadagarou.com

鏡堂みやび展「問ひみ問はずみ嬲るらん」 於: ヴァニラ画廊
今日の締めは銀座へ戻り、エロ・グロ・アートでした。鏡堂みやび氏の作品は細緻に描かれたSM画、特に時代物の縛り絵です。もろにエロいのですが、エロはともかく、その情景描写が凄いです。登場する男女の肉体、肉感、皺や襞、滲み滴る汗、そして人物もさることながら背景の描写、畳の目、肉体に喰い込む縄目、どれもが独特な質感で細密に高い筆致力で描かれていました。エロ・グロ芸術のひとつの極みと言える際どい作品です。

↓ ヴァニラ画廊 ↓
http://www.vanilla-gallery.com/

今日は少ない時間で画廊を5軒巡りましたが、画廊巡りも楽しいもの。無料でいろいろな作家の作品を見ることが出来て、それによって新しい発見があり、何かと繋がったり、面白いです。