ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [13 April '07]

2007年04月13日 | fine arts
今日もルートを決めて朝から原付きを駆って美術展へと出掛けました。かなり暖かかったですね。

ジャポニスムのテーブルウエア - 西洋の食卓を彩った"日本" @松下電工 汐留ミュージアム
19世紀末から20世紀初頭にかけ、日本文化の影響を受けて欧米で制作された食器や陶磁器の展示です。それらは、いかにも西洋から見た東洋のイメージ、そして「憧れ」に基づいて作られています。侘寂的な日本の文化が西洋のきらびやかと融合して独特の芸術品となっています。日本のトラディショナルが当時の西洋モダンとなっている訳です。とても美しい品の数々でした。中でも興味深かったのが、エミール・ガレ氏やルネ・ラリック氏と言ったガラス工芸の名匠達もジャポネズリ (日本趣味) をこぞって取り入れた作品を残していることでした。

↓ 松下電工 汐留ミュージアム ↓
http://www.mew.co.jp/corp/museum/

千代紙いろいろ 小間紙の世界 - のし・短冊など (前) @旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
同じ汐留にある明治5年10月14日に開業した日本最初の鉄道ターミナル新橋停車場の駅舎を再現した建物内にある鉄道歴史展示室で行われている千代紙と小間紙の展示です。2月12日のブログでも記事にした日本橋、和紙の老舗「はいばら」が明治から昭和初期にかけて販売した千代紙と小間紙 (装飾加工紙 - 祝儀袋、熨斗など) の展示でした。千代紙は浮世絵版画の技術を使用したも日本の文様文化のひとつですね。今回の展示では今までに見たことがない様々な図柄が沢山あり、とても楽しいものでした。また、有名画家、川合玉章氏、柴田是真氏、竹下夢二氏が描いた絵、意匠が使用されたものなどもあり、千代紙、小間紙の当時の需要と人気が知れます。千代紙は高価なものでお土産などに使用されていたそうです。あとオリヂナルの図柄が刷られた祝儀袋やぽち袋はとてもかわいくて捨てずに集めたくなるものです。良い展示でした。展示替えした後期も楽しみです。図録が、またきれいで思わず購入しました。

↓ 旧新橋停車場 鉄道歴史展示室 ↓
http://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/index.html

生命のうた 永井一正版画展 @クリエイションギャラリーG8
何をやっているかな? とここのギャラリーの前を通りかかって興味を持ったので立ち寄りました。グラフィック・デザイナーである永井一正氏の近年のエッチング作品とと1968年に作成された凸凹レリーフ版画の展示です。まず凸凹レリーフ版画は色を使わずに幾何学模様を白い紙をエンボスに型押し、陰影を活かした作品。とても不思議な見え方をする興味深い版画でした。「LIFE」と題されたエッチング版画の連作は主に動物を題材とし、細い線描写で和のテイストも含まれた幻想的な作品でした。独特な雰囲気のある作品を画く作家の方です。

↓ クリエイションギャラリーG8 ↓
http://rcc.recruit.co.jp/g8/index.html

ヴェスパに乗って @Shiodomeitalia クリエイティブ・センター
新橋・汐留のイタリア街地区へ。イタリア、ピアッジョ社の世界的に有名なスクーター、ヴェスパの展覧会。展示内容はヴィンテージ・ヴェスパ5台と歴史を紹介したパネル、そしてPVとかなり殺風景なものでした....。が、1945年から1978年までの歴代ヴェスパの写真と歴史は興味深いものでした。あと、ヴェスパが使用された数々の映画のシーンを中心に編集されたPVは面白かったです。それだけヴェスパはみんなに愛されポピュラーだと言うことです。やっぱりヴェスパはかわいいですね。憧れます。自分もいつかヴェスパに乗りたいものです。

ミラノ・メイドインデザイン @Shiodomeitalia クリエイティブ・センター EXPO700
前述の「ヴェスパに乗って」はこの展示の併設展で、自分は「ヴェスパ」の方をメインに見に行ったので、あまりこちらには期待しておらず、あまり関心が持てませんでした。すいません。イタリア、ミラノの近代インダストリアル・デザインの展示です。やはりイタリアのデザインはスタイリッシュですね。今の自分には、そのスタイリッシュさがちょっとダメですね。その中でも、タイプライターで有名なオリベッティ社のデザインは昔ながらの社のイメージを感じるデザインで好感が持てました。しかしながら、ここの展示はいつも仰々しいですね。

↓ Shiodomeitalia クリエイティブ・センター ↓
http://www.shiodomeitalia.com/

お母さんといっしょ - 浮世絵に見る母と子の情景 (前) @UKIYO-e TOKYO
ショッピング・モール、ららぽーと豊洲の中にある浮世絵専門の美術館です。こぢんまりとした美術館ですが、良い作品が多く展示されていました。面白いテーマである母と子を題材とした浮世絵版画の展示で、この様な図柄の浮世絵をまとめて見るのは初めてだったので、とても興味深いものでした。母と子の姿を通して当時の庶民の暮しぶりが垣間見れ、その描かれた姿はとても活き活きとしています。また浮世絵にはあらゆるものを描いた作品があるんだな、とあらためて思いました。後期展も楽しみです。

↓ UKIYO-e TOKYO ↓
http://toyosu.lalaport.jp/shop_detail/18200.shtml

アトリエ・ワン展 いきいきとした空間の実践 @ギャラリー・間
ここも通りすがりに寄った展示です。トイレで有名な"TOTO"が運営するギャラリーです。建築デザイナー・チーム「アトリエ・ワン」のデザインによる「グローバル・デタッチド・ハウス - 個人戸建て住宅で場所とのコミュニケーションを指向する複合性の空間」と「マイクロ・パブリック・スペース - 美術展の枠組みを借りて実現された囲いのない公共空間の実験」に関する展示でした。「いきいきとした空間を作りたい。」をテーマにデザインされた面白い着眼点の展示があり、まぁ、ここではなかなか語れないので、建築に関心のある方は是非、行ってみて下さい。

↓ ギャラリー・間 ↓
http://www.toto.co.jp/gallerma/